子育て支援に積極的な小田原市 ベビーテック普及のための実証調査にファーストアセントも参加中!
2/13(日)に、小田原市で行われた「ベビーテック・フェス in 小田原」イベントに、ファーストアセントCMOの千葉がパネルディスカッションの登壇者として参加してきました。小田原市では現在ベビーテック導入の実証実験が行われており、当社製品「ainenne(あいねんね)」が採用されています。どのような実証実験なのか、またどんなディスカッションが行われたのかご紹介させていただきます。
この取組みに参画することで、信頼のおける国や行政と、イノベーションをスピーディに起こすことができる民間企業がタッグを組む官民連携の重要性を感じました。今後は小田原市以外の自治体とも協力をし、ベビーテックの浸透に力を入れていくことができればと考えています。
経済産業省と小田原市の連携
背景:核家族化、共働き、生まれ育った地域以外での出産・子育て、さらに新型コロナウイルス感染症の流行は、子育ての当事者に多大な影響を与えています。安心して子供を産み、育てられる環境整備の重要性が高まっています。そんな中注目されるのが「ベビーテック」です。
経済産業省では委託調査を実施し(期間:2022年1月〜3月)、子育て支援に積極的に取り組む小田原市と連携をした実証調査を行い、ベビーテックの普及に向けた効果や課題を調査するとともに、地域の関係者との連携の可能性、意義や役割を調査研究してきました。
小田原市
小田原市は2030年に向けて、世界が憧れる街、小田原市をつくる計画「2030年ロードマップ 1.0」を立てています。
豊かな環境の継承を土台に「生活の質の向上」と「地域経済の好循環をバランスよく回す」という計画で、生活の質の向上の中に含まれる「子育てをしやすい街」であるというのが大きな鍵になると考えています。ベビーテックを活用して、そんな環境づくりを推進するべく動いているのが今回の実証調査であり、公民連携で取り組んでいます。
ベビーテックとは?
ファーストアセントのnoteをフォローいただいている方には、説明の必要はすでにないかもしれません。
「ベビー」と「テクノロジー」を合わせた造語で、妊娠からはじまる赤ちゃんに関する技術全般を指します。例えば当社が提供している育児アプリ「パパっと育児@赤ちゃん手帳」や、赤ちゃんの睡眠をサポートするAI搭載のスマートベッドライト「ainenne(あいねんね)」は、ベビーテック製品です。具体的には2016年のCES(ラスベガスで毎年開催されるコンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で本格的に使用され始めたと言われています。
実証実験の期待される効果と、参画民間企業
デジタル技術(テクノロジー)というと、人間味がないと感じる方がいらっしゃるかもしれませんが
●子育てに必要なサービス&情報が必要な際入手できる
●IoT,AIにより子供の状態を把握し、より最適な子育てのあり方を提供可能
●周囲とのコミュニケーションや、周囲からの子育ての支援を受けやすくする
●子育ての軽減により、子供との時間をとりやすくなる
等が期待されている効果です。
小田原市で行われている実証実験の取り組みと提供会社は、下記4社です。
●子供の睡眠をサポートする「ainenne(あいねんね)」 株式会社ファーストアセント
●妊娠中・授乳中の薬情報検索システム「くすりぼ」 株式会社Kids Public
●地域SNS「ピアッザ」 PIAZZA株式会社
●ファミリーサポートセンターの業務オンライン化「Hamee」 Hamee株式会社
パネルディスカッション「ベビーテックは子育てをどのように変えるのか」
イベント当日は、千葉を含む3名の登壇者+モデレーターの構成で、パネルディスカッションを行いました。登壇者は下記の3名です。
伊美 裕麻さん (「育休はじめてガイド」著者)
山本 加世さん(NPO法人mama’s hug代表理事)
千葉 祐大(株式会社ファーストアセント 取締役CMO)
伊美さんは通信事業会社で子供向けの知育アプリサービスの企画・開発をされています。現在4歳の息子さんが産まれた際、1年半近く育休を取得したパパ。個人として育休に関する情報発信をするメディアを立ち上げていらっしゃいます。
山本さんはお母さん支援のNPO、mama’s hugを運営されています。今年で19年目。娘さんも現在19歳。産後うつ対策として、タッチケアを使った子育て世代の人たちの支援を行っています。
さらに小田原市から受託したファミリーサポートセンターでは、育児で助けて欲しい人と、助けたい人を結ぶ場を提供されています。
当社の千葉は6歳と4歳の娘を育てるパパであり、パパとしての実体験や思いを大切にしながら、日々仕事に取り組んでいます。過去に千葉のインタビューをnoteにも掲載していますので、是非ご覧くださいませ!
ディスカッションでは、子育てサービスを提供している事業会社の立場から、ベビーテックとはどのようなものなのか、またベビーテックを活用したどんな子育ての未来が想定されるか、についてお話してきました。このnoteでは、各パネリストの声を厳選してお届けします。
なぜベビーテックが求められているのか?その背景は?
山本さん:タッチケアを専門にしている小田原市の子育て世代の方の支援が、コロナウイルスの流行で「とにかくひとに会ってはいけない・触れてはいけない」となってしまいました。テクノロジーの活用が必須になり、Zoomを活用したオンラインの母親支援センターを開設しました。このような危機的な状態の時に助けを差し伸べることができるのがテクノロジーなので、必要性は大いに感じています。
伊美さん:うちは共働きで、保育園に落ちたこともあり、育休を1年半近く取得しました。夫婦2人のリソースしかなかったのが、大きな負担だったと思います。そう言った意味で、テクノロジーには期待をしています。
テクノロジーを取り入れることへの抵抗感
伊美さん:テクノロジーの取り入れには、メリット・デメリットはあるのではと感じました。在宅勤務で息子の面倒を自宅でみなければならなかった際、YouTubeやアプリに頼り罪悪感は感じましたが、同時に息子の興味を広げる「窓」となったのも事実です。各家庭で時間や内容を検討して、良いバランスを探せるのがすべてかなと。
山本さん:(テクノロジーは、手抜き・さぼっていると考えられることも、という声に対し)サボって良いと思います(笑)。例えば寝かしつけ。タオルやぬいぐるみ(毛)を利用したりしますが、これが将来的にロボット(プラスチック)になる可能性もあります。素材が毛かプラスチックの違いだけで、本質的には人間が使うもの。テクノロジーに頼ることで「親の笑顔の充電時間」を確保し、満たんの笑顔で子供と接することができるようになるのではと思います。
千葉:ベビーテックの国内の浸透スピードには、罪悪感や抵抗感が大きなキーワードになっていくと思っています。
困っている・頼り先がないというママたちには「ベビーテックに頼って良いんだよ」とお伝えしたいです。例えば当社では「泣き声診断」というサービスを提供しています。AIが音声解析を行い、精度は80%です。育児のオペレーションの部分はテクノロジーに頼って楽をし、そこで浮いた時間を子供とのコミュニケーションに使えると良いのでは、と考えています。
同イベントで発言するCMO千葉
ベビーテックは子育てをどう変えるか?
千葉:現時点において、もうテクノロジーは子育てを変えつつあります。
人口が増えているアジア諸国、特に近隣の韓国や台湾は、ベビーテックが盛り上がりつつあります。韓国においては、日本の経産省と同じような国の機関がビジネスのバックアップも行っており、近い将来、大きくテクノロジーの採用で変わっていくのではと思っています。
ベビーテックの本質とは、データが取れる、ということです。当社も2013年から70万人以上のデータを回収し、国立成育医療研究センターとの共同研究を行っています。このようなデータやエビデンスを元にサービスを提供することで、これから子育てを大きく変えていくことになるだろうと思います。また今回の小田原市のように、官民連携の実証実験は日本国内の子育てを変えるうえで非常に大切だと思っています。
どこで・どのように子育てに役立つ情報を取得できるか
千葉:現代は情報が溢れかえっており「どれが一番信頼できるのか」を判断するのが難しい。当社はエビデンスをベースにした情報が、非常に大切だと考えています。エビデンスを元にした情報と、その分野の専門家の方の意見がどう取り入れられているかを確認するのが良いと思います。
伊美さん:行政・自治体から発信されている情報を取りに行くのが、有用なのではと思います。私が作っている「YASUMO」というウェブサイトも利用いただけると思います。
山本さん:私も同意見で、小田原であれば小田原市の行政窓口に問い合わせをするのが一番だと思います。
ベビーテックを社会で浸透させるには?
千葉:いかにベビーテックを日本の子育ての現場に溶け込むようなサービスを作っていくか、が課題です。また子育てが始まってしまうと、皆さん忙しくなってしまいます。プレママ・プレパパに対して、ベビーテックの情報を浸透させるのが大切なのではと思います。
山本さん:イメージの置き換えは必要かなと思います。「テクノロジー=ロボット」ではなく夫から言われたのは「テクノロジー=技術や科学」なんですよね。だからご飯を美味しく炊く電子釜もテクノロジー。テクノロジーというのは生活をより良くするためのものというイメージの置き換えをすることで、育児にも取り入れやすくなると思います。離乳食も自分で作らなくても、別のものに頼っても良い。そうすることで浮いた時間を利用し、親がしっかり寝ることで、子供に当たらなくて済むかもしれない。誰かやモノに頼ることで、次の世代の文化をつくることができるのでは。
YouTubeで視聴可能!〜ベビーテックフェス in 小田原〜 知りたい!知ってほしい!新しい子育て
イベントとディスカッションをすべて視聴したい!という方は、こちらから視聴可能です。
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=nHPhA_zB1AU
「ベビーテック・フェス in 小田原」の舞台裏!
追記
小田原の実証実験に関して、NHKでも記事として取り上げていただきました!
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220307/k10013517691000.html
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