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こんな日もあるよね

今日はなんだか、家族全員、困った日だった。いつもはしないようなミスをしたり、いつもはそうならないような状態に陥ったり。

時系列に沿って書くと、朝、8時50分、まずは夫から、LINEが来た。1時間以上前には息子と家を出て、息子を保育園に届けてから、今は仕事をしているはずでは? と不思議に思いつつ、内容を見る。

「やばい! 社用携帯、家に忘れた!! 涙」

とのこと。いつもは忘れ物なんて聞いたことがないタイプの夫にしては、めずらしい。
1つ目の営業アポ先に向かう途中で気づいたと言う。私も編集部に異動になる前は営業をしていたため、営業マンにとって、出先で携帯がないのがどんなに不便かは、よくわかる。

夫はアポとアポの間に急いで帰宅すると行ったが、たまたま私は在宅勤務の日で、そんなに立て込んでもいなかったので、昼休憩を使って届けてあげることにした。

午前中の仕事を早めに終わらせて、家を出る。
夫のいるところの近くまでは電車で20分。暖房のよくきいた電車に揺られていたら、あっというまに夫に会えた。無事に携帯を渡したあと、せっかくだしランチは一緒に取ろうと、急いでその駅近くのラーメン屋に入った。
(幸い、このラーメンはとてもおいしかった。もちろん夫のおごり。知らない街を夫と2人で歩くのは、息子の生まれた今となっては新鮮で、それだけでも割と楽しかった)

次のアポ先に急ぐ夫を見送り、私は再び電車に乗る。私を乗せた電車は、さっきと同じ道を、反対方向に進んでいく。まるで逆再生されているような景色をボーッと眺めていたら、見慣れた最寄駅に到着した。

すでに13時すぎ。そのまま私は、仕事の情報収集がてら、近所の書店に立ち寄った。そして、書店での用事が済むと、先ほどのラーメンの影響か、無性にコーヒーが飲みたくなり、カフェに入ることにした。(裁量労働なので、勤務中であっても、自分の担当仕事さえ順調に進んでいれば、ある程度の行動は自由)

温かいコーヒーを飲みながら、担当している月刊誌の編集後記でも書こうかと、携帯のメモ機能を開く。基本、月刊誌の進行は、何号分もを同時に進めるため、「えーっと、この号の特集テーマは・・・・・・」などと、すでに一通りの取材を終えた該当号を思い起こし、1文字ずつ丁寧に打ち込んで・・・・・・。

・・・・・・寝てしまった!!

片手に熱いコーヒーの入ったマグカップ、片手にスマホ、という状態で。このパターンの居眠りは初体験で、我ながらドン引きだった。

コーヒーをこぼしそうになった瞬間、ハッと目が覚めたから良かったけれど、目覚めてなかったら大変なことになっていたと思う。こりゃダメだと、その時には既にぬるくなったコーヒーの残りをガブ飲みし、そそくさとカフェを退散した。

そして夕方。

延長料金の発生しない、18時半には間に合うように夫が保育園に迎えに行っているはずなのに、19時を過ぎても帰ってこない。徒歩5分の道である。心配になって電話をかけた。

すると、電話越しでは疲弊した夫が、息子がこれ以上ないほどに暴れていることを教えてくれた。なんと、保育園中の廊下で大声をあげて駆け回り、手洗い場に並ぶ水道の蛇口をすべてひねり、最終的に保育園のエントランスで寝そべって駄々をこねていたらしい。最後のは見たことがあるけど、最初の2つは初めてかも。

実は潔癖症な私、外の地面に寝そべって駄々をこねられるのが本当に苦手。その姿を見るだけで不機嫌になってしまい、余計に息子も暴れ回るのが常。

お迎え、私が行かなくてよかった・・・
という本音はさておき、料理をしながら待つこと数十分、19時40分ごろになってようやく夫と息子が帰宅した。

夫が息子を怒らず、暴れる息子に対して「大丈夫? 何か嫌なことでもあった?」と辛抱強く聞き続け、家に帰ってもまだ不機嫌な息子をギュッと抱きしめていたことが、何よりも救いだった。

それがグズっていた本当の理由かはわからないが、よくよく聞くと、「給食のカレーが足りなかった。お寿司が食べたかった」というのが息子の言い分で、「夜ご飯にはスープが食べたい」とまだ泣いているので、もちろん夜ご飯には汁物をと、お味噌汁を出したら喜んで食べてくれた。
(事前に用意していたのがお味噌汁だったのだけど、お味噌汁で許してもらえてよかった・・・)

不機嫌なのは空腹のせいもあったのか、夜ご飯が進むころには、すっかり息子も笑顔になっていて、私と夫の残念エピソードを語りながら、みんなでモリモリご飯を食べた。

最後はこうして家族で食卓を囲み、「そんな日もあるよね」と笑い合う。失敗談を笑い合える仲間が家にいて、心強いなと思った今日だった。

とはいえ、仕事中の居眠りは大反省。
忘れ物も明日はしないように。
息子の帰り道が、楽しい時間になるように。

家族そろって、心と体がお疲れ気味だったということなのかも。
そんな日もあるよね。さ、今日は早く寝よう。





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