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保護猫チョコの覚悟

 プチ丸は愛らしい仔猫だったが、日増しに性格の悪い事がはっきりしてきた。遊んでもらっていた先住猫のチョコを追い回すようになり、本気でけんかを仕掛けている。多分、私を独り占めしたいのだ。そもそも賢いチョコは穏やかで喧嘩など嫌いなタイプ。自らおもちゃを運んできて、そっと私の側におくような大人しい猫である。飼い主の私にとっては二匹の関係が頭の痛い事であり、寝ても覚めても頭を離れない一番の悩みになった。

 チョコがプチマルから隠れるように暮らしていることは承知していたが、いつもの押入れの奥だろうと思い込んでいた。が、気が付くとチョコはソファの下に潜り込み、そこを住みかとしてソファの下で排泄をしていた。プチマルが私の想定以上に追い回していたのだろう。場所の特定が出来ていなかった、おしっこの臭いはソファの下からだったのだ。私はチョコが哀れで仕方なかった。 そこで私はこの状況が何とかならないかと思いついた方法を試す。最初は大きなケージを購入し、チョコだけ入れてみたり、プチ丸だけいれてみたりもした。しかし、どちらの猫も食事をとらなくなったり、排泄をしなくなったりと健康の問題が出てくるばかりで、猫たちの関係を良好にするいいアイデアではないようだった。

 次はチョコだけ別部屋の2022保護猫の部屋に入れて、何とか穏やかに楽に暮らせないかと試してみた。チョコの性格なら他の猫ともうまくやれそうだと考えたのだ。数日はそのままチョコも大人しくしていた。がある時、別部屋の扉を開けた途端にチョコが飛び出してきた。あーーと私が叫ぶ間もなく、リビングのソファの下にソソソと音を立てて潜り込む。そうか、やはり、そうなのだ。チョコは普通の暮らしが送れる事より例えソファの下ででも私達といる事を選んだ。当然と言えば当然だ。2022保護猫の部屋での新参者たちとの生活も落ち着かなかったのだろう。プチマルがいなければと私も焦って短絡的な事を考えてしまった。 私はチョコの覚悟を尊重することにした。彼女の住みかはソファの下でも構わない。ペットシーツを引き込むことで排泄には対応し、まめにシーツを替えることで彼女のストレスを少なくなるようにした。時にはソファの下の床などの大掃除も必要だが、気ままな独り暮らし、もとより誰からのクレームもなければ、家族以外は立ち入り禁止の私の家だ。 幸いにも朝、晩の食事時間にはソファの下から這い出てくるようになり、また私が見守る事が出来るタイミングで水を飲むために出てくることもある。なかなかプチ丸との平和協定は結べないが、チョコの覚悟のいじらしさに応えて、4匹が適度な距離を保って普通に暮らす日が早く来て欲しい。このささやかな願いをかなえてくれる猫の神様をだれか教えてくれないだろうか。

 

 

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