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前フリが機能すれば、結論は添えるだけでいい


2023年1月23日(月)朝の6:00になりました。

左手は添えるだけ。結論も添えるだけ。

どうも、高倉大希です。




短い鉛筆を見て「短い」と思うことができるのは、長い鉛筆の存在を知っているからです。

もしそれが生まれてはじめて見る鉛筆だったとしたら、「短い」と思うことすらできません。


東京ドーム10個分の広さだと言われて「広い」と思うことができるのは、東京ドームの広さを知っているからです。

もし言われた人が東京ドームに行ったことがなかったとしたら、「そんなに広いんだ!」と思うことはできません。


わたしたちは、ほかのものとの比較を通して、伝えたいことを伝えます。

どれだけ「この鉛筆は短いんだよ!信じてくれよ!」と言ったって

どれだけ「東京ドーム10個分だぜ!やばいでしょ!」と言ったって

比べるものがピンとこなければ、相手に伝わることはありません。


だからこそ、「鉛筆の短さ」を伝える上で本当に注力しなければならないのは「その鉛筆がどれだけ短いのか」ではありません。

「長い鉛筆の存在をいかに想像させるか」です。

「その場の広さ」を伝える上で本当に注力しなければならないのは「その場がどれだけ広いのか」ではありません。

「なにと比べればその広さに実感が伴うか」です。


これらの前フリが完璧に機能すれば、結論は添えるだけで十分です。

長い鉛筆をしっかりと見せたあとに短い鉛筆を見せれば、わざわざ「この鉛筆は短いです!」だなんて言う必要はなくなるのです。


わかってもらおう!がんばって説明しよう!

そう思っている人に限って、一生懸命になって結論を伝えようとします。

必要なのは結論ではありません。前フリです。


「緊張の緩和」ということは広い意味で言えば「快楽」ですからナ。「喜び」なんですね。それがしかも瞬時に行なわれる時に「笑い」になるわけですわ

桂枝雀(1993)「らくご DE 枝雀」筑摩書


芸人さんが何かに挑戦するときは、必ず「こんなもの余裕でしょ」と言ってからはじめます。

格闘家が試合をするときは、必ず「あんなやつ楽勝でしょ」と言ってからはじめます。


余裕だと言っていたはずなのに、失敗する。

楽勝だと言っていたはずなのに、敗北する。


言えば言うほどダサくなり、ダサければダサいほどカッコよくなります。





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