見出し画像

宝物を捨てる


2023年4月7日(金)朝の6:00になりました。

夏草や、兵どもが夢の跡。どうも、高倉大希です。




子どものころ、とても大切にしていた宝物がありました。

いまは、なにを大切にしていたのかすら覚えていません。


数年前、とても大切にしていたこだわりがありました。

いまは、そんなこだわりなんてどうでもよくなりました。



先日、こんな記事を書きました。

「いま黒歴史だと思っていることは、その時点でのベストパフォーマンスである」という記事です。

要するに、過去を黒歴史だと思っている時点で「いまはその時点よりも成長している」ということになるのではないかという話です。


わたしたちは、ついつい「永遠」を前提に置きたくなってしまいます。

これからもずっと大切にする。

自分にとって、一生の宝物だ。


どれだけ他者の心をノックしても、人は他人を変えることはできない。だからいつだって、自分が変わるしかない。思いどおりにいかない世界を変える方法は、きっとそれ以外に存在しない。
金城宗幸(2020)『ブルーロック』8巻  潔世一の台詞より


「永遠」を前提にした時点で、わたしたちは「変化」を恐れるようになってしまいます。

ずっと大切にすると決めた宝物が、失われてしまうのではないだろうか。

心配になって、びくびくしながら日々を過ごすようになるからです。


数年前に「ミニマリスト」という言葉が随分と流行しました。

「最小限のモノで暮らす人」を指す言葉です。


個人的に、この定義にはずっと違和感がありました。

「ミニマリスト」とは、「もちものが少ない人」ではなく、「もちものをいつでも捨てられる人」なのではないかと思うのです。


禅の教えによると、人の苦しみはすべて、現実を認めたくないという気持ちから生じるのだという。「こんなはずではなかった」「どうして思い通りにいかないんだ」という気持ちこそが、苦しみの根源なのだ。自分は万能ではない。ただの無力な人間で、それはどうしようもない。その事実を受け入れたとき、苦しみはふいに軽くなり、地に足のついた開放感が得られるだろう。
オリバー・バークマン(2022)「限りある時間の使い方」かんき出版


言うことがころころと変わる人は、信用ならない。

気持ちは、よくわかります。

しかし、もしかするとその人は、短い時間で進化を重ねているだけなのかもしれません。


いつまで経っても変わらない。

はたして、そんなものがあるのでしょうか。


見てきたものや、聞いたこと。

いままで覚えたことのぜんぶが、でたらめだったらおもしろいなと思います。


そんな気持ち、わかるでしょう。






サポートしたあなたには幸せが訪れます。