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対談インタビュー| ファイアープレイス×さとゆめ| 「強みも役割も違う、だから一緒にやっていける」

ファイアープレイスには、大切な事業パートナーが数多く存在します。そんなパートナーと代表・渡邉知の対談を通じて、ファイアープレイスの「つながりを創出し しあわせの総量を増やす」活動に掛ける想いをお伝えしたいと思います。

対談第1回は、地域に伴走するコンサルティング会社、株式会社さとゆめの代表・嶋田俊平氏(以下、嶋田)をお迎えします。ファイアープレイス代表・渡邉知とは創業前からの友人であり、現在はさまざまな地方創生事業を共にしています。この対談では嶋田氏視点のファイアープレイスを深掘りしていきます。

さとゆめ・嶋田氏との出会いから経営者仲間になるまで

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嶋田:
出会いは2013年、共通の知人が主催したミーティングです。当時私は、環境保全コンサルタントとして、行政と仕事をしていました。一方、渡邉さんはリクルートにいて、第一印象は何というか・・チャラかった(笑)。私がこれまで接してきた人たちとは全然違うタイプで、とても新鮮だったことを覚えています。

同じ年、私は地方創生のコンサルティング会社「さとゆめ」を創業します。2人目の子供が生まれた直後でもあり、覚悟と緊張感がありました。その直後から、渡邉さんは驚くくらい親身になってくれて。住む世界が違うと思っていたので意外でした。聞き上手だし、私の気持ちをどんどん持ち上げて、火を点けてくれるみたいなところが当時からありました。デザイナーを紹介してくれたり、事業の壁打ち相手になってくれたり。私にとっては、さとゆめの創業メンバーの1人という気持ちです。

渡邉:
チャラいと思われていたとは・・(苦笑)。私からすると、お子さんの生まれたタイミングで会社を辞めて起業して、何の保証もない世界に飛び込んでいく嶋田さんが気になって仕方なかったんですよね。自分にはできない、だからこそ見てみたいという好奇心と、力になれることがあったら力になりたい、という感情とで、嶋田さんとのコミュニケーションが自然と増えていったことを覚えています。

嶋田:
以前勤めていた会社は、地域づくりや環境保全のコンサルティング会社で、計画・戦略に特化していました。在りたい姿をイメージし、大きな絵を描くことのやり甲斐はあったのですが、いざ実行するとなると、そこから先はお役御免。何年か経った後に、コンサルとして関わった「その後」が耳に入ってくるんですよね。何も進展がないよ、とか、よくわからないことになってるよ、とか・・・。それじゃあプロとは言えないなと。計画を描いて終わりではなく、仕事に対して最後まで責任を持ちたかった。だから、計画や戦略の先に対しても責任を持つ、「地域に伴走するコンサルティング会社」を創ったんです。

会社の名前はさとゆめ。さとゆめのミッションは、社名の由来にもなっている「ふるさとの夢をかたちに」というもので、計画・戦略をつくるだけでなく、目に見える商品・サービス・店舗、さらには、売上・雇用・移住者数などの目に見える成果が出るまで地域に伴走していこうという我々の想いを凝縮したものです。ただ、創業時のさとゆめには「かたちにした」実績がない。まさに、「ミッションしかない」状態でした。

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こちらの写真は、2013年5月にさとゆめを創業する前、前職の会社の送別会で、新しく起ち上げる会社(さとゆめ)の構想をプレゼンしたときの写真です。普通は在職中の想い出を語るところ、A4用紙に社名とミッションを書いて、誇らしげにプレゼンしていました(笑)

渡邉:
その写真がFacebookに流れてきたとき、衝撃的でした(笑)。普段は理路整然としたプレゼンをしているであろうコンサルタントが、紙に社名だけ書いて熱く話している。

今思い起こせば私自身、サラリーマンだった当時は、仕事や会社を必要以上に大きく見せるところがありました。資料もプレゼンも、魅せ方は上手いんですけど魂が篭もっていない虚像というか。嶋田さんの、用紙1枚で熱っぽく語る圧倒的なピュアさと、実績がないのにやると言い切る姿は、自分にはないもので。それ以降、嶋田さんが気になって仕方なくて、彼の動向により積極的に絡んでいくようになりましたね(笑)。

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嶋田:
ただ、ここはあえて言っておきたいのですが、起業した後に、渡邉さんみたいなフェアな態度で絡んでくる人は少ないですよ。自分に益がありそうな時は近付いてきて、なさそうなときは去って行く人や、外野で様子見している人が大半。そこに、渡邉さんは「一歩入ってきた!」という感じ。一つ私からも聞きたいのですが、既にあの頃から、将来起業しようと思っていたのですか?

渡邉:
当時は考えていなかったですね。ただ、嶋田さんに限らず「自分で決めて、やりたいことをやっている」人たちとの関わりが増えていくと、知らず、いつか私もそうなりたいなと思うようになっていって。嶋田さんのさとゆめが2013年、私のファイアープレイスが2015年創業。結果的に、2年後、嶋田さんの後を追うことになりました。

嶋田:
2015年、渡邉さんが起業するって聞いて、勤めていた会社の規模や、これまで積み上げてきた実績を考えると、「何で辞めるの?本当にそれでいいの?」と今度は私が焦りました。随分思い切ったなと。そして、他人事じゃなく、私ができることはやりたいなと思いました。さとゆめの2周年イベントをファイアープレイスが運営する川崎の「ロックヒルズガーデン」でやらせてもらいましたよね。

渡邉:
その節はありがとうございました。あの場所をオープンした直後、最初に法人利用してくれたのがさとゆめでした。

嶋田:
「つながりを創出する」というファイアープレイスのビジネスモデルを聞いた時は、弊社と接点が多く、何か一緒にできるかもって直感的に思いました。会社の経営者って、お金や人事といった経営者特有の悩みがあって、相談できる人も限られています。渡邉さんはそうした相談ができる存在で、しかも前から私や弊社のことを知ってくれている。今まで以上により深い相談ができるようになりました。

ビジネスだから損得勘定があって当たり前なんですけど、渡邉さんはその手前の信頼関係をとても大事にしてくれる。相談すれば向き合う。自分がどんなに大変な状況でも先ずは相手の話を聞く。そうした姿勢がフェアだといつも感じています。

さとゆめ全社合宿のファシリテーションから生まれた化学反応

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嶋田:
渡邉さんとのエピソードで忘れられない出来事として、2019年7月のさとゆめの全社合宿があります。その時、渡邉さんにファシリテーターをお願いしたんです。

創業6年目。会社の雰囲気が良くなくて、組織崩壊しかかっている状況でした。今振り返ると、社員から出てくる意見や疑問に対して、私が負けず嫌いから「わからないんだったらいい」と一人突っ走って、社員と私に大きな溝ができていたんですよね。このままだとやばいのは明らか。一度、腹を割って話そうと社員からの提案もあって、全社合宿をすることになりました。

その合宿では、渡邉さんのファシリテートの力で、社員が思ったことを正直に語ってくれたんです。その中で、「嶋田さんは、伴走だとか、ふるさとの夢をかたちにとか言ってるけど、誰とどれくらいの距離感で伴走をするのか、問題が起きたらどうするのか、ゴールは何なのか、指針が見えない。いきなり地域に放り込まれて、正直不安なんです」って声が出てきて。合宿終了後、「ふるさとの夢をかたちに」をブレイクダウンし、社員の要望に基づいて行動規範や人事制度を見直し、会社の雰囲気は良くなっていきました。自社と向き合うきっかけとなった渡邉さんのファシリテーションには今でも感謝しています。

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渡邉:
ただの進行役ではなく、程良い身内感というか、社員ではないけれど社員に近い立場で、面と向かって「嶋田さん、それわかりにくいからもう一回説明してください」「嶋田さんが言いたいことはこういうことですか?」などと、第三者視点で翻訳家になるのが私の役割だったのかなと。お互いに信頼し合っているからこそ、できたことなんでしょうね。

逆に、ファイアープレイスは、嶋田さんが投げかけてくれた「問い」を契機に、2020年夏、事業ミッションを変えたんです。嶋田さんの、「渡邉さんは、ファイアープレイスが場づくりの会社と言っているけれど、場づくりは手段であって目的じゃないですよね?手段がミッションに書かれてあるのは、ちょっと違うと思うんです」という言葉が強烈なきっかけになって。そこから、全ての事業を「つながり」起点に整理し、言語化し直して、今の弊社があります。

嶋田:
思い出しました、確かにそんなことを言った気がします(笑)。けれど、一緒に会う度に、飲む度に、いつもお互いにそうした「問い」を掛け合っているから、私にとっては何か特別なことをしたとかじゃなく、普段通り自然な流れでした。「つながり」っていいですね。さとゆめが軸にしている「伴走」みたいに、言葉一つで経営者は勝負できるんです。これだ!って一つの芯みたいなものが見つかると、何も怖くなくなるし、頑張れる。渡邉さんにとっては、それが「つながり」だったんですね。 


渡邉:
「つながりを創出し しあわせの総量を増やす」というミッションを言語化できたとき、Facebookに投稿したんですよね。そしたら、嶋田さんがその投稿に反応してくれて。

「さとゆめは、夢をかたちにする。
ファイアープレイスは、ビジョンでつなげる。
ファイアープレイスが点火して、つなげて、さとゆめがかたちにする。
うん、見えました!笑」

このコメントを読んだとき、ああ、さとゆめとファイアープレイスは、始めてパートナーとしてつながったんだ!と感動しました。数ある嶋田語録の中でも、私の中で一番の名言です(笑)。

嶋田:
そう、お互い見えたんです。両社異なる価値を持っている中で、役割分担というのか、連携の仕方がはっきりしました。会社のビジョン、ミッション、バリューが明確になると、パートナーシップの在り方が見えるようになる。私にとっても良い気付きでした。

強みも役割も違う、だから一緒にやっていける

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渡邉:
2020年、内閣府の補助事業で実施したオンラインIT講座、「地方創生カレッジ」は、さとゆめとファイアープレイスの役割が噛み合った良い事例でした。地方創生やまちづくりに関わりたい人は、実は全国に沢山いる。けれども、その入口=まちづくりに関わりたい人、と、出口=まちづくりに関わるプロジェクト(事業)、がつながっていない。その入口と出口がつながれば、日本は、地域は、もっと元気になっていくはず。この事業は、両社の特徴が噛み合い、入口と出口がつながった良い事例となりました。

▼ファイアープレイス
入口=まちづくりのWillを集めて、出口につなぐ

▼さとゆめ
出口=地域で事業をつくり、伴走してかたちにする

嶋田:
さとゆめは 、地域で事業を創る会社です。人の想いを起点にして事業をプロデュースし、伴走してかたちにできることが強みです。私たちが創る出口に、興味関心がある人のWillを集める場づくりや、入口と出口をつなげるプロセスは、ファイアープレイスが得意なところ。渡邉さんは、つながりの創出を「点火」と表現していますよね。

渡邉:
社名がファイアープレイスなので、つながりを創出することを「点火」と言うことにしました。私たちは、人の想いを起点につながりをつくる。さとゆめは、人の想いを起点に地域に事業をつくる。噛み合いますね(笑)。嶋田さんという友人、さとゆめというパートナーがいてくれたお陰で、ファイアープレイスという会社をアップデートすることができた気がします。改めて、これからもよろしくお願いします。

嶋田:
さとゆめという会社も、今が第二創業期。地域を起点にWillを集め、つなげて、一つでも多くの事業を一緒に創っていきましょう。

■対談パートナー 株式会社さとゆめ
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https://satoyume.com/
「ふるさとの夢をかたちに」をミッションに、地方創生の戦略策定から商品開発・販路開拓、ショップの立上げ・集客支援まで、一気通貫で地域ビジネスの事業化を支援。全国各地で約30程の地域で道の駅・アンテナショップ・観光事業・DMO設立、2019年には、山梨県小菅村に、「700人の村がひとつのホテルに」をコンセプトとした分散型ホテル「NIPPONIA 小菅 源流の村」を開業。




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