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【メンバーインタビューvol.3】石川勝巳「たった一度の出会いが人生を大きく変えた」

みなさん、こんにちは。
今回はファイアープレイスのメンバーインタビューvol.3をお届けします。
3回目は弊社が運営する「ロックヒルズガーデン」にて初代学生店長に就任、2022年新卒入社予定の石川勝巳をご紹介します。

【モダン】プロフィール_KATSUMI-4

ロックヒルズガーデン初代学生店長|コミュニティデザイナー
石川勝巳
2019年8月にファイアープレイスにアルバイトスタッフとしてJoin。その後大学を休学し、同社が運営する飲食店、ロックヒルズガーデンの店長に就任する。自身が学生でありながら店長として活動できているようにもっと多くの若者(学生)にやりたいことに挑戦する機会を提供したいと思い、やりたいことを始める場づくり、「ビギニングプレイス」というコミュニティ活動を推進。2022年4月よりファイアープレイスが有する全ての「現場」の統括責任者を担当予定。

「やりたいことはなんだ」 進む道を見失った学生時代

兄や幼馴染の影響で5歳の時にサッカーに出会いました。自分の意思ではなく周りの影響で始めたサッカーでしたが、どんどん夢中になっていき当時の夢は「プロサッカー選手になること」でした。

進路の選択も当然その夢を叶えるために、サッカーを中心とした人生を歩んできました。がむしゃらに自分なりに努力をしてきたものの、高校時代、自分よりも上手な同世代や先輩と比較して「自分にはプロになることは無理だ」と痛感し、幼い頃からの夢を諦めることにしたんです。

その後は、兄が大学に進学していたという理由で、大学受験を決意しました。進学後は、人生で初めてサッカー漬けではない日々を送ることになります。せっかくサッカーから離れたのだから、勉強やアルバイトなど今まで時間を割けなかったことに時間を使おうと決意したものの、何をやっても充実感や達成感を感じることができませんでした。

やりたいことがなかったんです。

サッカーから離れて、初めてそのことに気が付きました。朝起きてから寝るまでサッカーを軸にした生活を送ってきたが為に、私自身他に何をやりたいのか分からなかったし、考えたこともなかった。自分のやりたいことが分からないまま、時間だけが過ぎていきました。

やりたいことが見つからない焦燥感を抱く一方で、学生のうちにしかできなことをやろうという想いはありました。そこで、ある時急に思い立って「北海道に行こう」と一人旅を決意します。それが人生の転機になるとは思いもよらず。

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北海道を旅する道中、宿泊費が安いという理由でとあるゲストハウスに泊まりました。その宿には職種、国籍、年齢がバラバラの人が集まっていて、まるで海外にいるかのような雰囲気だったんです。

宿では外国人と話す機会がありました。その時話した彼は27歳。一度母国で就職をした後、自身のやりたいことを叶える為にわざわざ日本の大学に入り直したらしく、その話を聞いて衝撃を受けました。私はそれまでの人生の流れの中で、大学に進学して4年間通い、就活を経てどこかの企業に就職する、この考え方が常識だと思っていたんです。しかし、彼と話してその常識は壊され、同時に、「自分らしく」生きている姿勢に物凄く惹かれたことを覚えています。

ゲストハウスの体験を経て、私は「もっと前から多様な価値観を持っている人と出会っていれば、将来の選択肢が広がったんだろうな」と思うようになりました。そして、サッカー以外で初めてやりたいことも見つかりました。私の価値観を変えてくれたゲストハウスを、いつか自分も創ってみたい。

ようやく見つかったやりたいこと。じゃあ、次はどうやったら実現できるんだろう。そんなことを考えている中で出会った会社がファイアープレイスでした。

設立後、初の「学生店長」誕生へ

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ゲストハウスを創る為に、まず考えたことはゲストハウスで働くことでした。今、思うととても浅はかな発想だと思います(笑)。早速、北海道から帰京後、元々していたアルバイトを辞めゲストハウスのアルバイトに応募します。ところが英語が流暢ではなかったため、面接は不合格。いきなり出鼻をくじかれました。

そんな時、友人のSNS投稿経由で、川崎にあるBBQ場がアルバイトスタッフを募集していることを知ります。働く場所がなくて困っていた私はすぐに友人に連絡をしました。2019年8月のことです。

その場所が、ファイアープレイスが運営する店舗、ロックヒルズガーデンでした。

当初は単なるアルバイト先としてこのお店に関わる予定でした。けれどもここには、大学を休学して世界一周している人や、公務員を辞めて店長をしている人など、個性的な人が大勢働いていて皆人生の価値観もバラバラ。ゲストハウスで味わったような衝撃をこのお店でも味わったんです。

自分の価値観に従い、時に不器用に生きている人が沢山いるこの職場が、私は好きでした。そんな中で店長が、数ヶ月後に退店することを知ります。「もし、店長になることが出来たら、いつかゲストハウスを経営した際に大いに役立つかもしれない」私は、ダメ元で社長に「ロックヒルズガーデンの店長をやらせて欲しいです。」と直談判しました。

返事はまさかのOK。年商数千万の飲食店を、学生店長が運営することになった瞬間です(笑)。アルバイトとしてお店に入って4ヶ月ぐらいの出来事です。

コロナ禍だから見えた、 「どんなお店にしたいのか」

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いち学生から急に飲食店の店長に就任したので、最初は店長という役割に慣れるだけで必死でした。仲間と力を合わせ、ようやく店長としての心構え、立場、業務に慣れてきたと感じ始めた頃、コロナがやってきます。

緊急事態宣言。国や県からの営業禁止要請。店舗はあってもお店は開けない時期が続き、いつしか運営メンバーは一人、またひとりと離れていき、気付けば、責任ある立場でお店を支えるメンバーは、私以外たった1人になってしまいました。

緊急事態宣言が開け、時短営業を開始しましたが、当然のことながら売上は激減し、予約もほとんど入りません。毎日お店に足を運ぶものの、店内にいるのは自分だけの日々。「自分のした選択は間違いだったのだろうか」と毎日頭を悩ませていました。

頼れる仲間も予約もない。店長として心が折れかけていた時に支えてくれたのが、社内で私のメンターを担当してくれていた長谷川でした。

長谷川は、ロックヒルズガーデンの店長である私のレポートライン。彼とは定期的に経営会議を実施していました。店舗状況を報告しようにも、「今週も売上目標に届きませんでした。」としか言えない。コロナの前で私は無力で、思考も停止していました。モチベーションはかなり限界だったと思います。

そんな中、長谷川がある時、「別に売上という概念で自分を縛らなくてもええんやで。かっちゃん(私のあだ名です)がどんなお店にしたいかが、一番大事なんや。」と言ってくれました。店長として数値目標を達成することばかり考えていた私は、その一言に救われたんです。

売上や集客のことばかり考えて、自分自身が「どんなお店にしたいのか」、お店を運営する目的を言語化できていないことに気付かされました。売上や集客はあくまで、お店が存在する目的を達成する、「手段」であるはずなのに。

「私はこのお店をどうしたいんだろう」そんなことを考えていく中で、私は、北海道を旅してようやくやりたいことが見つかったあの時の、原点を思い出すことができました。

それは、多様な価値観に触れることで、自分らしさとは何か向き合うきっかけが生まれる瞬間。27歳の外国人と話すことで頭の蓋が外れた、あの体験のことです。

「多様な生き方・価値観と出会うきっかけを創ることで、自分らしさ・やりたいことと向き合う人を増やしたい」私が北海道のゲストハウスでやりたいことが見つかったように、「私のお店でもそうしたきっかけを提供できるのではないか」

早速、その想いを実現するために行動に移しました。自分らしい人生を歩んでいる人とつながり、店舗に来ていただく。そして、多様な価値観との出会いをロックヒルズガーデンで提供する。近郊の生産者さんに、直接電話で「生産者と消費者をつなぐイベントをしたいんです。」と連絡したり、近くのカフェの経営者に「一緒にイベントを開いてください。」と挨拶に行ったり、異なる価値観がつながるための行動ばかりをするようになりました。

相変わらずお店の予約は入りません。けれども、何かと何かがつながるきっかけを創り続けていたら、徐々に人がお店に集まるようになりました。人が集い始めると、活気が生まれます。活気があると磁力のようなものが発生し、人が人を連れてきてくださるようになります。いつしかあの時のゲストハウスのように、ロックヒルズガーデンは多様な価値観が集まる場になっていきました。

「ゲストハウスをやりたい!」と思っていた中で出会った、ロックヒルズガーデン。姿、形は違えど「多様な価値観と出会うきっかけを提供すること」、この想いだけは、軸をブラさず継続できている気がします。

やりたいことに挑戦した先にあったもの

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​​私は今、ビギニングプレイスというコミュニティ活動をしています。ビギニングプレイスとは、「やりたいことが見つかるきっかけを創る」学生向けのコミュニティです。

やりたいことが見つからない学生と、やりたいことを見つけた大人が対話するオンラインイベントを企画したり、やりたいことが見つかった学生が自身のアウトプットの場としてロックヒルズガーデンを使うイベントを支援したり、「多様な価値観とつながる」場づくりを通じて、「やりたいことが見つかるきっかけ」を提供できるよう、挑戦中です。

嬉しいことに、ビギニングプレイスに参加して価値を感じてくれた学生が、「次はこういう企画どうかな?」「私も運営側で協力したい!」と、活動(アウトプット)を継続するにつれ、協力者が次々と現れてくれるようになりました。


サッカー引退後、やりたいことが見つからなかった私は、ゲストハウスという新たにやりたいことを見つけました。けれども、やりたいことというのは、やってみて(アウトプットを出して)初めて価値が生まれるのだと、こうした体験を通じて強く実感しています。

アウトプットをすると人の目に触れる。発信するから受信してくれた人が連絡してくれる。一緒に企画を考えてくれる。やりたいことを見つけ、目的を言語化し、アウトプットを継続するとこうした循環が生まれ、関わる人も増えていき人生がどんどん豊かになっていく。ビギニングプレイスに参加してくれた学生には、いつも、「小さくても良いから、何か新しい一歩を踏み出してみようよ」と伝えています。

「やりたいことはなんだろう?」

全ては、学生時代に抱いたこの疑問から始まりました。

心の中のモヤモヤを無視せず、向き合って、行動して、悩み続けたからこそ、今こうして自身の活動を言語化することが出来ているのだと思います。

「場」を通して、きっかけを創る

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今現在、学生店長の座は卒業し、次の世代へとバトンパスしました。そして私は大学を卒業後、ファイアープレイスに入社予定です。入社後は、同社が運営する全ての「現場統括リーダー」に就任します。

学生店長として様々な「場」を運営していく中で分かったことは、「良質なつながりが生まれる場には磁力が発生する」ということです。私は北海道のゲストハウスで27歳の外国人とつながることで人生が変わっていきました。このゲストハウスに泊まって良かった、この場所があって良かった、私のように感じる人が増えると、人が自然に集まる磁力のようなものが生まれる気がしています。

コロナで運営スタッフもお客さまもいなくなった時、ロックヒルズガーデンは店舗ですらなく、ただの空間でした。お客さまが来てくださるから空間が店舗になり、そこでつながりが生まれるから、良質な場になっていく。

私は現在、コミュニティデザイナーとして、ファイアープレイスが運営する一つひとつの現場を「多様な価値観がつながる場」にデザインする役割を担っています。

行動すると、誰かに出会い、時につながりが生まれます。何かをアウトプットすると、誰かが受信してくれて、そうした繰り返しが人生を変えていく気がします。今の私の目標は、北海道のゲストハウスや、ロックヒルズガーデンのような場を数多くデザインすること。

ぜひ店舗に足を運んでみてください。
私がそうだったように、何かが変わる、何かを始めるきっかけになるかもしれません。

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■ロックヒルズガーデン
「ヒトとヒト、ヒトとコトが境界線を越えてつながる場」。 ロックヒルズガーデンは、築30年を越える商業ビルの屋上と最上階をリノベーションしてできたコミュニティスペースです。 
https://upbbq.com/

■株式会社ファイアープレイス
ファイアープレイスは「つながりを創出し しあわせの総量を増やす」のミッションの下、「ネイバーフッド」という概念を起点に、地方創生(まちづくり)、不動産価値向上(場づくり)、チーム力深化(チームづくり)、以上3つの事業に挑戦している企業です。

■メンバーインタビューvol.2はこちらから


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