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美食の街ボローニャでグルメツアー

ボローニャといえば、イタリアでも「美食の街」として知られています。

ボローニャはエミリア・ロマーニャ州の州都で、エミリア・ロマーニャ州といえば食材の宝庫。モルタデッラ(ボローニャソーセージ)、パルマの生ハム、パルミジャーノ・レッジャーノ、モデナのバルサミコ酢はすべてエミリア・ロマーニャ州が産地です。

フィレンツェから、エミリア・ロマーニャ州のグルメを求めて、ボローニャに行ってきました。


ボローニャとは

ボローニャは、フィレンツェの北110キロほどのところにある街で、エミリア・ロマーニャ州の州都です。
フィレンツェからだと特急列車で約40分とアクセスも便利。ちなみに、フィレンツェのあるトスカーナ州と、ボローニャのあるエミリア・ロマーニャ州の州境にはアペニン山脈が走っていて、フィレンツェ~ボローニャ間の電車はほぼトンネルの中です。フィレンツェを出発すると10分もしないうちにトンネルに入り、地下にあるボローニャ駅に着くまではずっとトンネルの中ですので、電車の窓から景色を楽しむことはできません。

ボローニャの街なかは、建物の軒にポルティコという柱廊が続いているのが特徴。ポルティコは歩道についた屋根という感じで、雨の日でもこの下を通れば傘なしでも濡れません。広い道も狭い道もいたるところにポルティコがあり、質素なポルティコから豪華なポルティコまで、雰囲気があります。

ポルティコが巡るボローニャの道

街のシンボルといえば、「ボローニャの斜塔」。一般公開されていて、のぼれるようになっていましたが、傾きがひどくなってきて危険があるということで、先月閉鎖されました。

「ボローニャの斜塔(トッリ・ペンデンティ)」

中世の街の観光に訪れても楽しむことができるのですが、ボローニャといえば、なんといってもグルメ。モルタデッラ、生ハム、パルミジャーノ・レッジャーノといった食材のほかにも、ボロネーゼソースのパスタ、ラザニア、トルテッリーニ(詰め物パスタ)、そしてランブルスコ・ワインなど、とにかく名産物、郷土料理がいっぱい。美食家にはたまらない街なのです。

ボローニャでグルメツアー

フィレンツェからも便利で、おいしいものがそろっているボローニャ。ランチに行くだけでも価値のある街!ということで、グルメ目的で行ってきました。

フィレンツェからボローニャ行きの特急列車は、1時間に3~4本あり、とても便利。朝10時ごろフィレンツェを出て、ボローニャへ行きました。

ネックなのは、ボローニャ駅から中心街まで徒歩20分くらいかかるということ。歩くのに慣れていないかただとタクシーを利用したほうがベターだと思います。

駅を背にして、とにかくまっすぐ進むと街の中心地マッジョーレ広場に出ます。

マッジョーレ広場にあるサン・ペトロニオ聖堂

ハム・サラミ屋さんでおつまみ&ワイン

ランチの前に、まずはおつまみとワインを、ということで、ハム・サラミ屋さんに行きました。

ボローニャには、ハム・サラミ屋さんがいたるところにあり、イートインできるところもたくさんあります。

ボローニャといえば、なんといってもモルタデッラ。ボローニャソーセージとも呼ばれるモルタデッラは、豚ひき肉にスパイスを混ぜ、筒状にして蒸したハムです。
モルタデッラは、なんとイタリアで最も消費されているハム。直径10センチ前後の小さいものもありますが、クラシックなサイズは直径25~30センチ。ピンク色の生地に白い脂肪が練りこまれていて、しっとりした食感。使われるスパイスは、胡椒、ナツメグ、コリアンダー、ニンニクなどです。

ハム・サラミ屋さんに置いてあるモルタデッラ(中央左)

モルタデッラの起源は、古代ローマに遡るそう。中世になるとイタリア各地でモルタデッラ作りがおこなわれるようになり、ボローニャでは15世紀にモルタデッラ作りが盛んになりました。そして、ボローニャがモルタデッラ作りの主要な産地になったという歴史があります。

現在、ボローニャ周辺で作られるモルタデッラには、IGP(地理表示保護)に指定されている「モルタデッラ・ボローニャ」があります。

ボローニャに行ってモルタデッラを食べないで帰ることはできない、といってもいいくらいボローニャといったらモルタデッラなのです。

さて、ハム・サラミ屋さんでは、前菜の盛り合わせを注文しました。

盛りかたもさすが!映える盛り合わせ

モルタデッラ2種、パルマ産生ハム、サラミ、パンチェッタに、パルミジャーノ・レッジャーノ、ペコリーノ・チーズ2種、クリームチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノ・クリーム、ドライトマトのオイル漬けという豪華な盛り合わせ。

ハム・サラミ類は、スライスしたてが一番。スライスしたてだと、より芳醇で、しっとりとした食感を楽しむことができます。

フィレンツェでもモルタデッラは食べることができますが、やはり本場はおいしい。特に、モルタデッラの生産者が経営するイートインで食べるモルタデッラは格別です。なめらかで、お肉のあまみが感じられました。

さらに、生ハムの代表ともいえるパルマ産生ハム「プロシュート・ディ・パルマ」はDOP(原産地呼称保護)に指定されています。プロシュートとは生ハムのこと。パルマはボローニャの北西約100キロのところに位置し、プロシュート・ディ・パルマはパルマ周辺で作られます。イタリアでも、プロシュート・ディ・パルマは、ブランド力があります。塩気が控えめでやわらかいのが特徴。

このパルマ産生ハムはお肉のうまみが凝縮されていて、とろけるような味わいでした。

日本でもおなじみパルミジャーノ・レッジャーノは、ボローニャの西に広がる地域(モデナ、レッジョ・エミリア、パルマ周辺)で作られるDOPチーズ。ミルクのコクとうまみが感じられる味わいです。

ハム・サラミ屋さんでは、1個約40キロあるホールのパルミジャーノ・レッジャーノを切ってくれます。カットしたてのパルミジャーノ・レッジャーノはミルクの香りいっぱいで、これまたおいしい。

壁に並べられた生ハムとパルミジャーノ・レッジャーノ

合わせるワインは、迷うことなくランブルスコ。ランブルスコは、赤の微発泡ワインで、この泡がモルタデッラやパルミジャーノ・レッジャーノの脂肪分と完璧にマリアージュするのです。

オーガニックのランブルスコ

ランブルスコは、イチゴやアマレーナ・チェリーのような香りで、軽やかなタンニンでフレッシュな味わい。やわらかさも感じられ、飲みやすく、モルタデッラやパルミジャーノ・レッジャーノと飲んでいると、どんどんグラスが進みます。

そして、パン。エミリア・ロマーニャ州ではパンもおいしい。

これで1人前。パンだけでもおなかいっぱいになる充分な量。

外はカリカリ、中はふわふわで、塩気があるパン(写真奥)と、ハム&チーズ入りの風味豊かなパン(写真手前)の2種。ホカホカと温かく、買って帰りたくなるおいしさのパンでした。

ランチで郷土料理

前菜の盛り合わせとランブルスコだけでもランチになる量でしたが、次はレストランへ。

レストランでは、地元の人が食べているような郷土料理を食べようということで、やっぱりボロネーゼのパスタ。
ボロネーゼは、いわゆるミートソースですが、「ラグー・アッラ・ボロニェーゼ」と呼ばれるボローニャ風ミートソースは、ミートソースのなかのミートソース。イタリアでも各地でミートソースは作られますが、イタリア人にとっても、ボローニャ風のミートソースはトップなのです。

長時間煮込まれたミートソース。お肉たっぷり。

ラグー・アッラ・ボロニェーゼに使われるパスタの種類は、必ず平打ち麺のタリアテッレ。小麦粉と卵で作られるタリアテッレは、パスタ自体の味を楽しむことができます。

手打ちのタリアテッレに、濃厚なミートソース。ミートソースは肉たっぷりで食べごたえがありました。本場のミートソースと聞くと、ヘビーな印象がありましたが、脂っぽくなく、ジューシーなお肉の味わいを堪能できました。

ワインは、サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャを。

エミリア・ロマーニャ州の赤ワインといえば、サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ。ロマーニャ地方のサンジョヴェーゼのワインで、トスカーナ州のサンジョヴェーゼよりライトなボディで、酸味がしっかりしています。

サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャのフレッシュ感のある酸味と、ミートソースのジューシー感がこれまたとっても合いました。

甘いものは別腹ということで、デザートにはティラミス。

卵たっぷり黄色いティラミス

ハム・サラミやチーズ、パスタが有名すぎて、あまりぱっとした銘菓がないのか、ティラミスがデザートメニューの一番上にありました。
ティラミスはエミリア・ロマーニャ州のお隣ヴェネト州のデザートで、「地理的に近いので本場の味に近い?」「美食のエミリア・ロマーニャ人が作るティラミスだからおいしいのでは?」と思いながら、注文しました。

卵がふんだんに使われている黄色いクリームは濃厚で、エスプレッソの味もしっかり。まさに元気になる味わいでした(「ティラミス」の意味は「私を元気にさせて」)。

ボローニャのお土産

ランチを楽しんだら、最後は市場で食材をお土産にゲット。

ハム・サラミ、チーズをはじめ、野菜、果物、肉、魚となんでもそろう市場メルカート・デッレ・エルベは、ボローニャを代表する市場。

帰りの電車の時刻が迫っていて、急いでいたので、写真を撮るのを忘れましたが、パルミジャーノ・レッジャーノなどチーズを購入しました。

時間があったら、ぶらぶらするのも楽しいと思います。

ハム・サラミ類は日本に持ち帰ることができませんが、滞在中にホテルでワインを飲みながらハム・サラミのおつまみを楽しむのは、全然アリ。
チーズは日本への持ち込みが可能です。ショップでは真空パックにしてくれますので、パルミジャーノ・レッジャーノなどハードタイプのチーズでしたら、腐敗する心配もなく、持ち帰ることができます。
チーズ類は、日本で買うよりかなり安いので、お土産におすすめです。

ボローニャにおいしいものを食べに行こう

イタリアは、どこに行っても、その地方のおいしいものがたくさんありますが、特にボローニャはおいしいものがそろっている街。
食べることが好きなかたには、ぜひぜひおすすめしたい場所です。

フィレンツェ・イン・タスカでは、同行もおこなっています。
限られた時間で、効率よく街をご案内する同行サービス。ご希望のかたはぜひお問い合わせください。

同行サービスはこちらから。

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