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イタリア・トスカーナのワインイベント

トスカーナのキャンティ・クラシコ地方では、春と秋にワインイベントがおこなわれます。

地元の人と多くのツーリストが訪れ、おおいに盛り上がるイベントです。

ワインのエキスパートがテイスティングをする試飲会というより、ワインラヴァーが楽しくワインを飲むフェスティバルといった感じです。

秋のワイン祭りは、毎年9月。グレーヴェ・イン・キャンティとパンツァーノ・イン・キャンティでワインイベントがおこなわれます。
今年は、その両方に行ってきましたので、ご紹介します。


グレーヴェ・イン・キャンティのワインイベント

グレーヴェ・イン・キャンティのワインイベント名は、「エキスポ・デル・キャンティ・クラシコ」。
毎年9月の第2週の週末(金、土、日)におこなわれます。

グレーヴェ・イン・キャンティは、フィレンツェから30キロほど南にある村で、キャンティ・クラシコ地方のなかで一番大きな村です。

村の中心の広場が会場になり、生産者ブースが並びます。

受付でグラスを購入し(2023年は15ユーロ)、生産者ブースを回り、試飲をするというシステムです。

「エキスポ」と名前がついているだけに、キャンティ・クラシコ地方でおこなわれるワインイベントのなかで一番規模が大きく、今年は、64の生産者がブースを出していました。

地元のグレーヴェ・イン・キャンティ地区の生産者だけでなく、ラッダ・イン・キャンティやカステッリーナ・イン・キャンティなど、キャンティ・クラシコのほかの地区の生産者もブースを出していました。

この地方では、9月になると過ごしやすい気候になるのですが、今年は9月第2週でも暑く、ジリジリと照り付ける太陽の下で試飲するのは少々キツかったです。

それでも、多くの人がワインを飲みに村に訪れ、会場は人でいっぱい。
キャンティ・クラシコのワインの人気をうかがうことができる混雑ぶりでした。

暑かったので日なたには人がいなく、みんな日陰に避難するという状態でした。

ワインの試飲は、キャンティ・クラシコがメインですが、白ワインやロゼワイン、スーパータスカンも飲むことができます。

キャンティ・クラシコのシンボルマークの黒い鶏のTシャツがかわいい
オーガニックワインには酸化防止剤無添加のワインも

ワインを試飲するだけでなく、生産者と話すことができるのがイベントの最大のポイントです。普段、グラスやボトルを通してしかワインを見ることができない消費者も、生産者と話すことで、よりワインを知ることができ、そして、よりワインを好きになることができます。
(ワインの観光地としても有名なキャンティ・クラシコ地方なので、英語が通じます。英語が飛び交いすぎて「ここはイタリアか?」と思うくらい英語が通じます。)

広場の周りには、レストランやバールが並んでいるので、疲れたら休憩することもできます。

暑かったので、ジェラート売場は大繁盛。

私も休憩にジェラートを。

ピスタチオと伝統のブォンタレンティ味。あまり映えない色ですが。。

生産者の数が多いため、すべてのブースを回るのは、難しいです。適当に回るのもよし、空いているところを狙って回るのもよし、知っているワイナリーを回るのもよし、予習をして回りたいところを回るのもよし、とにかく楽しむことができるイベントです。

パンツァーノ・イン・キャンティのワインイベント

パンツァーノ・イン・キャンティは、グレーヴェ・イン・キャンティから車で15分ほど丘をのぼったところにある小さな村です。

パンツァーノ・イン・キャンティにあるワイナリーは22。それらが全部集まるのが、パンツァーノ・イン・キャンティのワインイベント「ヴィーノ・アル・ヴィーノ」です。

毎年、9月第3週の週末(金・土・日)におこなわれます。

グラスを購入し(2023年は30ユーロ。3日間有効)、生産者ブースを回るスタイル。

パンツァーノ・イン・キャンティは、人口1000人ほどの小さな村。村の中心の広場も小さく、イベントをおこなうには少々狭いですが、それがまた地元のお祭り感を出していて、なごやかな雰囲気です。

ブースの数も限られていますので、迷うことなく次から次へと試飲ができ、効率がよいともいえます。

パンツァーノ・イン・キャンティ地区のみのキャンティ・クラシコを一挙に飲み比べることができるので、比較しやすく、お気に入りのワインを見つけやすいです。

会場が狭いだけに大混雑。

パンツァーノ・イン・キャンティでは、9割の生産者がオーガニック農法をおこなっているというイタリアの中でもオーガニック率が高い地区です。

近年のオーガニック・ワイン・ブームで、パンツァーノ・イン・キャンティのワインも注目を集めています。

パンツァーノのビオディナミの先駆けカステッロ・ディ・ランポッラ
パンツァーノには意外と日本未入荷のキャンティクラシコも多い

会場内には、チーズやフォカッチャの屋台も出ていて、お祭り感があります。
会場の向かいのバールでは、ブドウを使ったパン菓子「スキアッチャータ・コンルーヴァ」も売られていました。スキアッチャータ・コンルーヴァは、ブドウの季節のときだけ作られるトスカーナの伝統菓子です。
通常は、黒ブドウで作られますが、これは白ブドウのものでした。

好きな分だけ切り売りしてくれます。おいしかった!

みんなをハッピーにしてくれるワインイベント

キャンティ・クラシコ地方でおこなわれるワインイベントは、いつもハッピーな雰囲気。ワインは人を幸せにしてくれるということが実感できるイベントです。

飲みすぎて騒ぐ人もいないですし、みんなマナーを守ってワインを楽しんでいます。
世界中から来るツーリストも数多くいるなか「ワインが好き」という共通項がこんなにも会場全体を幸せにしてくれるなんて、やっぱりワインはすばらしいです。

ワインが好きなかた、ワインイベントの日程に合わせてイタリア旅行するのも、おおいにありだと思います。

キャンティ・クラシコ地方は、なだらかな丘が連なる緑あふれる丘陵地帯。秋のワインイベントの時期は、色づいたサンジョヴェーゼがたわわになっているのも見ることができます。

パンツァーノ・イン・キャンティの眺め

ブドウ畑が横たわる美しい景色を眺め、秋の澄んだ空の下でキャンティ・クラシコ・ワインを飲めば、トスカーナの自然の豊かさが心に染みます。

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