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作り話のような本当の話 奇跡的なストーリーを持つワイナリー

人生なにがあるかわからない、そんな奇跡的なストーリーがあるワイナリーをご紹介します。

ワイナリーを訪れる際、ワイナリーのオーナーはだれで、いつからワイン造りを始めて、どんなこだわりでワインを造っているのかということは、ぜひ聞きたいポイントではないでしょうか。

イタリアのワイナリーのオーナーは、貴族か、ワイン好きの実業家か、代々土地を受け継いでワイン造りをしている農家か、という場合が多いです。

そんななかで、トスカーナ州モンタルチーノにあるチャッチ・ピッコローミニ・ダラゴーナのオーナーは、びっくりするようなストーリーの持ち主です。


ワイナリー、チャッチ・ピッコローミニ・ダラゴーナの歴史

チャッチ・ピッコローミニ・ダラゴーナという長い名前は、1900年代半ば、名門のチャッチ家と貴族のピッコローミニ・ダラゴーナ家の婚姻によって生まれました。
チャッチ・ピッコローミニ家は、伯爵ファミリーで、教皇のピウス二世の直系という有力な血筋です。

チャッチ・ピッコローミニ・ダラゴーナ家はワイン造りをしていましたが、後継ぎがいなかったため、従業員として働いていたジュゼッペ・ビアンキーニさんにすべてをゆずることにしました。一般人のジュゼッペ・ビアンキーニさんは、貴族の邸宅から土地、ワイン事業まですべてを継ぐことになったのです。

一般人が、貴族の財産を、さらにはワイン事業まで手に入れるなんて、そうそうある話ではありません。まさに奇跡。

権威あるファミリーの名前を継ぐなんて、ジュゼッペ・ビアンキーニさんも相当の覚悟だったことでしょう。

血筋は途絶えたものの、名前と紋章はそのまま残ったチャッチ・ピッコローミニ・ダラゴーナ。彼らのワインは、ジュゼッペさんの努力により、さらにすばらしいものになりました。

ワインをこよなく愛していたジュゼッペ・ビアンキーニさんは、2004年にこの世を去りましたが、ジュゼッペさんの息子さんと娘さんが後を継いでいます。

作り話みたいな本当の話。そんなストーリーを聞きながら、蔵の中を歩いているとなんだかワクワクします。

蔵の見学

蔵には、大きな樽と小さな樽が並んでいます。

メインのワインであるブルネッロ・ディ・モンタルチーノの品種、サンジョヴェーゼは大きな樽で熟成されます。一方、サンジョヴェーゼ以外の品種は、小さな樽で熟成されます。

イタリアでは伝統的に大きな樽が使われてきたため、チャッチ・ピッコローミニ・ダラゴーナでは、イタリアの品種サンジョヴェーゼは伝統手法にしたがい、大樽を使用しています。

チャッチ・ピッコローミニ・ダラゴーナの特異な土壌

6月ごろの畑の様子

チャッチ・ピッコローミニ・ダラゴーナは、ユニークなストーリーだけでなく、ユニークな土壌も持っています。

「赤い平地」という意味の「ピアンロッソ」と名付けられた畑は、鉄分、マグネシウムが多く含まれる赤い粘土質が混ざっている土壌で、このような特徴の畑はモンタルチーノでは大変珍しいです。

ピアンロッソの畑のブドウだけを使ったブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・ピアンロッソは、世界的にも評価が高いワインです。

ワインの試飲

蔵の見学のあとは、いよいよ試飲です。

イタリアの最も偉大なワインのひとつであるブルネッロ・ディ・モンタルチーノをたっぷり試飲できるという豪華なテイスティング。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、レギュラーのブルネッロ・ディ・モンタルチーノと、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・ピアンロッソが試飲できます。

レギュラーのブルネッロ・ディ・モンタルチーノもすばらしいのですが、ピアンロッソは惚れ惚れするおいしさです。

熟した赤い果実と多様なスパイス香、芳香高いアロマにうっとりしながら感じられる味わいは、濃厚で複雑。しっかりしたタンニンと長い余韻があります。力強いながら、優雅。
いつまでもこの優雅な味わいに酔いしれていたい気分になります。

トスカーナのワイナリーツアー

それぞれのワイナリーには、それぞれのストーリーがあります。フィレンツェ・イン・タスカでは、ストーリー、蔵の見学、そして試飲を楽しむワイナリーツアーをおこなっています。
ワイナリー体験をしてみたいというかた、ぜひサイトをご覧ください

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