ハワイで日本人に英語で話しかけられた話
あなたは日本人から英語で話しかけられたことはありますか?
前作「顔に書いてある⁉」(クリックで記事へ)では訪日客からよく英語で話しかけられるお話をしましたが、なぜか、僕は表題の経験があります。なかなか忘れ難い出来事だったので、今日はそのお話をしましょう。
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僕は20年ほど昔、ハワイに1年ほど住んでいた。当時は円高1ドル=100円だったし、今と比べて物価も全然安かったので(ビックマックが2ドルで買えた)、切り詰めればなんとか生活はできた。懐が寂しいときは、とりあえずビーチに行けば満足できるのがハワイの良いところである。果てしなく真っ青な空とエメラルドグリーンの海を眺めながら、甘い匂いのする風に吹かれているだけで、僕はとても幸せな気持ちになれた。
ある日、ビーチからの帰り道、アラモアナ・ショッピングセンターから裏道を抜けて、昼下がりのカラカウア通りを僕はぶらぶらと歩いていた。今日の晩飯は何にしようかなぁ?マヒマヒ(白身魚)を焼いて、さっぱりとしたカリフォルニアワインと一緒に合わせるのもええなあ、なんてことを考えながら。
すると突然、「エ、エクスキューズミー・・・?」と声をかけられた。
僕は反射的にMay I help you?と返すと、日本人のカップルがそこにいた。2人は旅行会社からもらったガイドブックを片手にした、いかにも典型的なハネムーン・カップルであった
えっ、どういうこと??こっちも日本人やねんけど・・・と僕は面食らっていると、おどおどしながら男性が質問してきた。
「ホ、ホエアー イズ、タワーレコード???」
Oh my gosh! 彼らは、ホンマに僕を日本人だとは思っていない!!
ちなみに当時の僕の風貌はと言うと身長178cm、体重98kg、ムキムキの筋肉質で真っ黒に日焼けしており、髪の毛は肩まで伸ばしたウェービーロングヘアーだった(今は見る影もない・・・)。良く言えば、和製ランボーといったところだ。日本人=華奢と歪曲されたアメリカ人が持つイ日本人イメージと僕は全く違っており、お陰で見た目でなめられることはなかった。「何でお前は日本人なのに、そんなにゴツいんだ?」とアメリカ人から訊かれたことは1度や2度ではなく、その都度、僕は答えに困った。ええっと・・・。
さて、せっかく英語で話しかけられたことだし、英語で返すのが礼儀と僕は思い、英語で返した。
Ok, please go down this street, and turn left the second corner, and soon you can see the Tower Record.
この通りを真っ直ぐ行って、2つ目の角を右に曲がってください。そしたらすぐにタワーレコードが見えますよ。
S, second corner?
ふ、2つ目の角ですか?
Yes, second cornerと僕はそっちの方を指さしながら言った。
OK. OK!
とカップルは二人でうんうんと頷き、欲しかった回答が得られたようだった。
Thank you very much!
My pleasure!have a nice trip!
どういたしまして!良き旅を!
僕はそう告げて、彼らと別れた。
ま、ええかあ・・・、とちょっと複雑な感情を抱きながら。
*
その夜、当時住んでいたオンボロ学生寮で、僕は隣の部屋のカール(ドイツ人)とビールを飲んでいた。今日の出来事を話すと彼は「僕にとって、さいとうくんの見た目はティピカルジャパニーズ(典型的な日本人)なんですけどねえ」と笑いながら話してくれた。
「ホンマに⁉」と僕は苦笑した。
僕が典型的な日本人像の日本ってどんな感じなんでしょうね。見たいような見たくないような・・・。
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