女性の社会進出が増加した理由の根幹を探る(Ⅰ)~男女雇用機会均等法~

■女性の社会進出を後押ししたもの

未婚化・晩婚化・少子化の要因として、バブル崩壊後に手を打たなかった政府にも原因はあると思っている。
職場環境などが整っていないのもそれらの一因だろう。
何より、経済的不安という要素はかなり大きいと思う。
だが、原因は他にも様々あると思っている。


初婚の平均年齢上昇の要因の一つとして挙げられている「女性の社会進出」を、強烈にプッシュする事になったのは何なのか?

その一つが「男女雇用機会均等法」だろうと思う。


■男女雇用機会均等法の歴史

(1)勤労婦人福祉法 <佐藤内閣>

◎1972年03月14日
「勤労婦人福祉法案」を提出。(閣法68-81)
◎1972年06月14日
「勤労婦人福祉法案」が成立。
◎1972年07月01日
「勤労婦人福祉法」を公布・施行。

勤労婦人の福祉の増進と地位の向上を図る事が目的。


(2)男女雇用機会均等法の改正 <中曽根内閣>

◎1985年05月14日
「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律案」を提出。(閣法101-83)
◎1985年05月17日
「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律案」が成立。

法律名が、
『雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律』(男女雇用機会均等法)に改題。

◎1986年04月01日
「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律」を施行。

「結婚退職制」や「男女別定年制」は禁止!
他多数。


(3)男女雇用機会均等法の改正 <橋龍内閣>

◎1997年02月07日
「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等のための労働省関係法律の整備に関する法律案」を提出。(閣法140-29)
◎1997年6月11日
「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等のための労働省関係法律の整備に関する法律案」が成立。

◎1998年04月01日
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律案」を施行。(一部)
法律名が、『雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女性労働者の福祉の増進に関する法律』に改題。

◎1999年04月01日
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律案」を施行。(上記以外)
法律名が、『雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律』に改題。

・配置、昇進及び教育訓練において、労働者が女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをしてはならない。(努力義務から禁止規定へ)
・職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の配慮。

「労働基準法改正案」の施行。
・女性保護規定の撤廃。(残業・深夜労働・休日労働)


(4)男女雇用機会均等法の改正 <小泉内閣>

◎2006年03月07日
「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案」を提出。(閣法164-68)
◎2006年06月15日
「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案」が成立。

◎2007年04月01日
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」を施行。
「労働基準法の一部を改正する法律案」を施行。

・労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。
・性別以外の事由を要件とする措置。
・婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等。
・職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置
・妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置


(5)男女雇用機会均等法の改正 <安倍内閣>

◎2016年01月29日
「雇用保険法等の一部を改正する法律案」を提出。(閣法190-9)
◎2016年03月29日
「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が成立。

◎2017年01月01日
「雇用保険法等の一部を改正する法律案」を施行。

「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」において、第11条の2に「職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置」を追加。


男女雇用機会均等法に関する成立・改正の経緯を掘り下げていったら、かなりのボリュームになってしまった。



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