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伝え方と受け止め方

ちょっと話題になった健康茶の話。

私もこれ、実は購入して飲んだ。
実際に量はさほど飲んでおらず、最近は全く手を付けていなかったので、健康被害というほどのものはない。
幸か不幸か大病の影響で定期的な通院もしているし検査もしている。
人間ドックも毎年受けているので(3月に受けたばかり)異変があればすぐに、という体制は取れていた。

発端は、某炎上系インフルエンサーが実際に飲んで効いた、というのを見て商品を知ったことだった。購入するまではかなり慎重だった。
Amazonでのレビューや商品ページでの成分表示を読んで「美味しくはない」「かなり薄めて飲んでいる」「〇〇と混ぜると飲みやすい」など意見がある中で、ニュースで取り上げられたパッケージではないタイプ(甘味が全くないもの。私は甘い飲み物が苦手)を購入した。
花粉症に効くという話で、私はくしゃみ鼻水が酷くて耳鼻科でも薬を処方してもらっていたが、大病をしたこともあり、薬以前にお茶で少しでもマシになるなら…と自己責任の上で購入した。健康食品という意識はなく、そもそもお茶を飲むのが好きなので(ジュースをほぼ飲まない生活なので)普通に紅茶を買った、というような感覚で。
劇的な効果を期待したわけではなく、お茶飲んで少しずつでも改善されるといいな、という期待。
そう、自己責任で購入したので、インフルエンサーのせいにするつもりも毛頭なかった。

そしたらこのニュース。
結構いろいろな著名人が飲んで、話題にしていたらしい。
各所で謝罪のコメントが多数出た。
件のインフルエンサーも謝罪していた。
あまり謝罪するタイプではないので、本当に飲んでいたんだろうなと思った。

ところが、Twitterでは炎上系インフルエンサーが広げたこともあり「やっぱり〇〇はクソ」という風潮に。
私が購入したきっかけがそのインフルエンサーだったと知った友人から「インターネットの使い方考えた方がいい」と言われた。

私はもやもやした。

インターネットの使い方?
え、そこまで言われる?責められてる?全否定?
私なりに割と慎重だった。実際に口にするのも、パッチテストみたいに日をあけて慣らそうと思ったりとか。おかげで頻度も量も飲んでいないので良かったのだが。それでも失敗したなーとは思った。
プロセスはさておき結果はマイナスだ。
失敗したなとは思ったが、インターネットの使い方まで否定されるとは思っていなかった。というかプロセスまで掘り下げて伝えてはいないけれど。
ある程度こういう人だと理解している友人ではあるので、まぁ仕方ないかと思うところもあった。
ただ、その言われようにショックを受けたのも事実だった。
「責めているつもりはない」とは返されたが、私はそう受け止めることはできなかった。
私はそれ以上の反論をやめた。
自分にとっての「あら」が見えてしまったからだ。

伝え方と受け止め方、特にネットで、文字だけで伝えるとなると、相手がどう受け止めるかまでを考えるのは難しい。
私は仕事柄、電話で相手とコミュニケーションをとることが多いので、相手がどう受け止めるか、リアクションを想定して発言することをなるべく心掛けていて、ある程度脳内でシミュレーションを行ってから発信する。勢いで発言するのは控えるように(してしまうこともあるけど)している。
でも、どれだけ配慮しても、相手は他人だ。自分と同じではない。
想定外の受け止め方をされ、結局ダメージになってしまうこともあると、自分がそう思うことで気づいた。
相手は傷つける意図はなく、責めているつもりもないが、私は上から責められているように受け止めてしまったし、ショックも受けた。
でもそれに気づけたことで、今後は距離感を考えようとも思えたし、自分が発言していることにも同じ可能性があるなとさらなる覚悟をもつことができたので、結果良かったのかもしれない。

相手に自分なりの「あら」をひとつでも感じてしまうと、別の部分も悪く見えてしまい、良いところが見えなくなってしまう時がある。
それはとてももったいないことで、自分にとっての「あら」に目をつぶったり、うまく回避したりして、良いところを感じていくのも、コミュニケーションのひとつだと思う。
自分は完璧ではない。相手だってそうなのだ。
だったら、距離を変えて付き合っていけばいい。
耐えられなくなったらさすがに付き合いをやめたほうがいいが、大抵は些細なことだったりする。
その判断は自分だ。

ショックだったことまでは本人に伝えてはいないが、責められているようだったとは伝えた。
やはり他人とのコミュニケーションは難しい。
今後もこうしてもやもやすることはあるのだろう。
特に文字だけのコミュニケーションならなおさら。
こんなことまで考えなくても、と思われるかもしれないが、性分なので仕方ない。

自分の気付かないところで、知らない誰かを傷つけて生きているのかもしれないな、と思うと、人間って面倒くさいなと改めて思う。
そんな自分も人間なので、同じように面倒くさがられていることもあるだろう。
大病のおかげで面倒くさい体の構造にもなってしまったし、そんな面倒くささともうまくやっていかなくてはいけないなぁと思いながら床に就く。

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