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FIRE達成者の多くが老害化する理由

オレだ。尊師だ。

「FIREを達成すれば、精神的安定を得て気持ちは穏やか他人にも優しくなれるはず」。あなたはきっとそう思うだろう。残念ながら、それは幻想でありファンタジーに過ぎない。実際はこの逆の現象が起きる。

実際に自分の目で見てきたのは、FIRE達成者の多くが老害化するという現象なんだ。オレ自身FIREしている立場で、それがよくわかっているからかなり気をつけている。よく見るパターンとしてはキレやすくなり、精神が不安定になる。さらに重症化すると、現実から目をそらすために昼間から酒を浴びるように飲み、「さっさとお迎えが来てほしい」とビジネスホテルのベッドの上で泣き出すようになる。だからこれからFIREしたいやつは覚悟してほしい。FIREしたら会社員時代以上に自分自身を律して生きがいを見つけ、規則正しい生活を送る必要がある。そうしなければ、永遠に続く夏休みの途中で人間はあっさりバグる。しかも恐ろしいことにFIRE後はおかしくなっていく自分を誰も止めてはくれないんだ。

なぜそうなってしまうのか?この記事でその論理的根拠を述べていこう。

孤独感と満たされない承認欲求

FIREという言葉には「Retire」という文言が含まれている。どこから引退するか?多くの人が望むのは勤務先だろう。これは会社員の人にとって、窮屈な生活を送っている人にとっては脳からよだれが出るくらいに甘美な響きに聞こえるはずだ。クソッタレな上司に中指を立て、ゴミのようにつまらない仕事はもうしなくていい。面倒な愚痴不満を垂れ流す同僚ともオサラバし、晴れて自由の身になれる。会社の最終出勤日は、最高の笑みとともに帰途につくはずだ。

ああ、オレ自身そうだった。会社内では一応、寂しそうな顔をしておいた(演技だけどな)。花束とワインを上司から受け取り、チームのみんなで会社のロゴの前で記念写真を撮った。送り出してくれる同僚は「寂しくなります」「応援しています」と言ってくれたが、内心では「どうかこいつが不幸になりますように」とか「会社を裏切りやがって」みたいな嫉妬と怨嗟の感情が渦巻いていたかもしれない。めちゃめちゃ仲が悪かったK氏からは、確実にそう思われていたと思う。オレはエスパーじゃないからその真相は分からないが、FIREして会社からイチ抜けたってのはそういうことだ。まあ別にいいと思う。人間関係なんてこんなもんだ。二度と会うこともないから気にしてもしゃーない。

しかし、問題はここからだ。FIREを考える人は会社だけでなく、社会からもRetireしてしまいがちだ。そして人間は社会とつながっていないと簡単にバグる。無人島に住むやつは、律儀にヒゲソリなんてしないだろうし、スーツも絶対に着ず腹もドンドン前に出る。外界の人間に当たりは強くなり、みっともない行動や格好をしても気に留めなくなる。誰にも必要とされず、感謝の言葉も受け取ることがない。そんな生活を送れば、確実に心が不安定になる。仲のいい友人も最初の頃は「FIRE!なんて羨ましい!」みたいな対応をしてくれるかもしれないが、そのうち代わり映えしない話題と薄っぺらい人生に飽きて疎遠になっていく。

元々ボッチ気質で孤独への耐性があるオレみたいなクレイジーな人間なら問題はないんだが、長い間会社員をしていた普通の人間はおかしくなる。

お金だけでは幸せになれない

人間はお金だけで幸せになれない。おっと勘違いしないでくれ。オレはキレイゴトなんて言うつもりはない。でも冷静に考えてくれ。これは当たり前のことだ。

これを読んでいるあなたが何者か?そんなことオレは知らない。だけど、「お金欲しいよ!頭おかしくなるくらいにほしいよ!」と思っていることだけは確実にわかる。さて、そんなあなたに問う。「100億円上げる。その代わりに今すぐ90歳になってもいいか?」と。99.9%の人の答えはNOだろう。では質問を変えよう。「100億円上げる。その代わりに末期がんと失明と糖尿病になるけどいい?」と。これも答えはNOだ。決まってる。じゃあこれは?「100億円上げる。その代わり、永遠に無人島送り。食べ物とネット接続はしていいけど、一切人間と関わるな」これならどうだ?やっぱりNOだ。んなこと100億年前からわかってる。

つまり人生はお金だけでは幸せになれない。健康で、愛されたり必要とされたり、やりがいのある何かを持っていなければ人間は幸せになれない。お金なんてしょせんは紙切れ。デジタル上の記号にすぎない。あくまでこの紙切れorデジタル上の記号を有効に使ってその先にある幸福につながる活動をして初めて幸せになれるという話だ。

FIREしてしまうことの問題点は、人から愛されたり、必要とされる要素をブッ壊してしまうことにある。その結果として待っているのが老害化という現象だ。定年退職したジジイが駅員に絡んだり、店員にキレるのは単なる老化現象ってだけじゃないと思う。だからFIREしたいやつは、絶対にこのことを忘れずに社会とのつながりまではぶっちぎらない方がいいと思う。

FIREしても仕事は続けるべき

オレからの結論は「FIREしても仕事は続けるべき」ということだ。仕事といっても、オレは会社員とかバイトのことを言っていいるわけじゃない。フリーランスとかブロガーとかYouTuberとかそのあたりの話だ。

オレは本業でビジネスを持っていたり、YouTuberをしてる。「温かいご飯を食べ食べするために、本音ではやりたくないけどしゃーなしで」というより、他にやることがないから。それに社会とのつながりを捨てることで、マッハで老害化してしまうおそろしさを知っているからやめてはいけないという若干の強迫観念もある。

それにガリガリ稼ぐ必要のない仕事は楽しい。お金のために他人の靴を舐める屈辱もないし、鬱陶しい人はブロックするだけでいい。他人を騙すようなゴリゴリセールスもしなくていい。視聴者やお客さんから感謝の声や、応援のメッセージは本当に励みになる。喜んでくれる相手を裏切りたくないから、老害チックな発言や行動も慎むし、ちゃんとヒゲを剃り、太らないよう体型も維持しようと思える。

ファンからの声が嬉しいから、ビジネスやYouTubeをもっと伸ばしたくなる。伸ばしたくなるから、必死にデータを分析したり市場ニーズを探って自分のスキルをもっと高めたいという意欲が生まれる。その結果として忙しくなってしまうわけだけど、この忙しさは健全なものなんだ。自分がやりたいことを集めた結果、勝手に忙しくなっている状態だし、漫然とアマプラで映画を見ている時間と違ってスキルや経験は資産化するのでムダもない。

FIRE後も人生は続いていく。孤独感と将来不安で酒しか友達がいなくなり、外界の人に当たり散らす迷惑な老害になってしまわないよう、仕事は絶対やめずに継続しよう。

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