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「若者は貯金や投資せず経験に金を使え」は間違っている

オレだ。尊師だ。

「若さは永遠に戻らない。若者は株や貯金ではなく経験に投資しろ!」

SNSを中心にこの意見が出回りまくってるよな。言わんとしていることはわからなくもない。けど待ってくれ。このセリフを言っているヤツらは、たいていフォロワー数が山ほどいるインフルエンサーだ。要するに「貯金や株なんて買わず、オレの作った情報商材かオンラインサロンに入ってね♥」と言っているんだ。

稼いだカネをすべて投資や貯金に回すやつもバカだし、有り金すべて経験や自己投資に使うやつもバカだと思う。ちょうどいい湯加減について語っていこう。

貯金ゼロだと人生の選択肢がなくなる

SNSインフルエンサーの言うことを思考停止して真に受け、貯金や投資を一切せずにせっせとヤツらにお布施をする。そうなるととんでもないリスクを抱えることになる。

若者はほとんどが会社員か、派遣やバイトなどの労働収入で稼いでいる。会社経営者のように仕組みで稼ぎ、自分が馬車馬のように働かなくてもカネが自動的に入ってくる立場のやつなんて実際にはほとんどいない。いうて、アマゾンアソシエイトとか、グーグルアドセンスで月数百円の小銭が入ってくるってレベルが関の山だろう。Twitterでドヤってる強者はトップ0.1%とかの例外か、収益報告を偽造してる詐欺師かどっちかだ。99%の若者には関係のない話。

貯金がなければ、今の仕事をやめられない。太い実家というパイプを持っている例外は別として、「今働くのを辞めたらネットカフェに直行になるぞ」という事実を突きつけられたら、とても貯金なしで自己投資なんてできない。

でも手元に一年分の生活費が貯金としてあるなら、心理的にかなり違う。「勤務先は本当にクソッタレな会社だから、とりあえず会社辞めて転職活動か強力な資格を取って無双する」という第2の選択肢を取れる。つまり、貯金は精神安定剤なんだ。昨今、円安がエグいといわれるけど、日本国民は日本円で生活をしている。キャベツ90円が100円に値上がりしても、直ちにピンチになるレベルでもないだろう。

だから若者はとりあえず、半年分の生活費くらいは貯金した方が良いとオレは思ってる。その上で余ったカネを自己投資にブチ込むとかでいいだろう。それに付け加えると、自己投資といっても成功率は100%じゃない、むしろ低い。自己投資は文字通り、自分自身への投資だ。投資なのだから、失敗リスクがある。よく考えてみてくれ。世の中にこれだけアホみたいに英会話スクールが乱立しまくってる日本で、英語できるやつの数はあらゆる統計でまったく増えてないことが明らかになってる。つまり、自己投資のほとんどは成功しない。そんなもののために貯金を犠牲にするのはバカだ。やるなら、ある程度蓄財して、余剰資金でやるべきだろう。

若者がのし上がるのに資金は要らない

「若者は自己投資しろ」の何が間違っているのか?それは若者が収入を上げたり、市場価値を高めるのに必要なのは巨額のマネーなんかではなく、意欲と行動力だからなんだ。

もはや、世の中はあらゆるものがフリーになってる。英語、プログラミングなんかも無料のYouTube動画でプロの講師が懇切丁寧にわかりやすく説明してくれているし、動画編集や画像加工技術なんかも同様だ。オレはYouTuberとして国内、海外あわせて6つのチャンネルもって収益化してるけど、動画編集はFinal Cut Proってソフトを3万円くらいで買って、編集についてはすべて無料の情報を見て身につけた。動画のサムネイル画像は、PhotoshopとIllustratorってソフトを使ってるけど、これも無料の講座動画を見ながら操作を覚えた。つまり、すべてゼロ円。別にすごくもなんともない。あなたも学びになりそうなチャンネルを探して、やればできる話。英語も独学でTOEIC900点以上取ったから英会話スクールとかに課金もしてない。今の時代、起業や投資の技術すらも無料でいくらでも転がってる。

「若者は自己投資しろ」って言われるけど、そもそも別に投資するカネは必要ないんだ。スタンフォード大学なんて、オンラインで無料で講義を見られるようにしてるから、英語ができれば世界トップ校の大学の授業すら無料。キチガイじみた世界線。

スキルを身につける上で必要なのは、お金ではなくスキルアップしてのし上がりたいという向上心や行動力、それから勉強する時間だろう。お金がないとスキルが身につかない、って言ってるやつは頭の中いつまで昭和なんだよw って思う。

「経験」よりも重要なこと

「大学生のうちにインドに旅行して、ガンジス川から流れる死体を見て価値観が変わった」
「ヨーロッパ一周してハングリー精神がついた」

この手の話はめちゃめちゃ聞く。要するに若い時に経験に投資してよかったーってことだ。まあ誰が何をしてもオレには関係ないんで好きにすればいいと思ってるし、否定はしないよ。だけど、本質的なことを語っちゃうと「こんな経験しました」ってのはもう大して価値はないと思ってる。

自分自身を商品にする、ブロガーとかYouTubeを見てくれ。たしかにYouTuberやりながら世界を旅してます、みたいなチャンネルも伸びてるものはあるけど、伸びている理由の本質は「海外にいるから」じゃないんだ。本人の目線で語る世界観に視聴者はひかれているんだよな。それに海外YouTuberって伸びてるチャンネルばかりに見えるけど、フィルター機能付けて検索すれば分かるが、99%のチャンネルは失敗してる。登録者10人にも満たないうちにやめてるんだ。「海外現地から情報をお届けします!」みたいにやってるチャンネルだって厳しい。もうライバルが多すぎて情報のコンビニ状態。セブンとファミマとローソンのコーヒーみたいなもので、どれも一緒。コモディティ化しちゃってるんだ。

その一方で、地味な生活を送る中で等身大で語ってるチャンネルでも、伸びているものはたくさんある。何がウケてるか?って他人がしない経験ではなく他の人ができない言語化とか、ユニークな視点とか、面白い語り口なんだよな。ちなみにオレの持ってるチャンネルの中には平凡な日常レベルを配信してるけど、トークがウケて伸びてくれているので経費はほぼゼロだ。部屋で一人しゃべってるだけのもある。

「若者の内に経験に投資しろ」って言われてるけど、形だけユニークな行動をするだけでは意味がない。ずっと薄っぺらく生ききたやつは、何を経験しても永遠に薄っぺらい。現代人はくっそ忙しいから、薄っぺらい話をわざわざ足を止めて貴重な時間を使って聞くヤツなんて誰もいない。サラリーマンや起業家として生きる上でも何の役にも立たない。そんな経験にカネを使うのはムダでしかないんだ。貯金か投資したほうが100億倍有益だろう。

若者がやるべきは自己投資よりフルコミット経験

オレからの結論として、若者がやるべきは貯金や投資をおざなりにしてまで自己投資をするのではなく、なにかにフルコミットした経験だろう。それは後に、人生を大きく変えるほどの強烈な力になる。大きな仕事やプロジェクトを必死に頑張って成功させたとか、死にものぐるいで資格の勉強をして独学で取得したとかそういうフルコミットした経験だ。その過程で自信を得たり、技術や知識はめちゃめちゃつく。

オレは昔、とあるベンチャー企業で働いていたんだけど入社してすぐに、システムトラブルが起きた。不眠不休でトラブル対応に追われた。入社して翌日には夜中3時まで働いていたよw 会社も資金に余裕がなかったので、ホテルを用意してくれるようなことはしてくれず、暗黙のルールで会議室に寝泊まりした。昼飯はオフィスの目の前のコンビニに買いに行くヒマすらなかった。

オレはある時は、サーバールームでエンジニアに混じって作業をしたり、経理財務部門で仕訳の入力の手伝いもやらされたよw 1ヶ月1日も休みなく連勤で働き、なんでこんなクソみたいなことを入社してオレはやらされているんだと毎日腹を立てていた。

だけど、数カ月後にトラブルが鎮火した後にオレは大きく成長していた。数年間のジョブローテーションを経て身につくような知識やスキルは、たったの数ヶ月ですべて深く身についていたんだ。ドラゴンボールで例えると、まさしく精神と時の部屋から出てきた状態に近い。ベンチャー企業で会社の規模も小さかったというのもあって、各部署とのコミュニケーションや、システムの流れなども経営者レベルに把握できた。

この経験はその後、働く上でも死ぬほど役に立ってくれたし、何なら起業した後も役に立ってる。ITシステムや経理財務関係もカバーできるようになった。これはお金では買えない価値であり、ジジイになってからは到底やれる気力も体力もないだろうから若い内に経験していてよかったと思ってる。今いった話は、別に自己投資してスクールとか情報商材屋にお布施してない。給料もらいながら、へーこら必死に頑張った結果スキルと経験になったって話。経験を積むのにカネは要らない。

若者は無理に自己投資にお金を使わなくてもいい。「珍しい経験(笑)」なんてありふれてしまってる今、経験にお金を使うって価値観がすでにオワコンだ。無駄金を情報商材屋にお布施するくらいなら、その代わりに仕事で死ぬほど頑張るフルコミットする経験を積むほうがいい。これにはお金はいらない。なんならお金を使うヒマもないので、死ぬほどカネは貯まる。その溜まったカネは将来、投資をする上で力になってくれるはずだ。時代は変わった。いつまでも昭和脳では令和の荒波は生き延びることはできない。


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