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人生(一人の人間として)で大切なこと

現在、世界は産業時代から情報・知識時代への移行に伴い、劇的に変化していっている。私たちの生活ははるかに複雑になり、より多くのことが要求され、ストレスが増す一方である。私たちが抱えている問題、感じている痛みは普遍的なものであり、問題の数も、痛みの度合いも増している。しかし、解決方法は、歴史の中で長く繁栄した社会すべてに共通する原則、不変にしての普遍の原則、自明の原則に基づいている。どのように原則を適用するかは、個々人の強みや才能、独創性などによって大きく変わってるだろう。しかし突き詰めれば、いかなる成功も、その成功に結び付いている原則に従って行動することによって手にできる。

私たちが今直面している困難とは?

恐れや不安
多くの人は将来を恐れ、職場での自身の弱さを恐れ、職を失い家族を養えなくなるのではないかと恐れている。このような恐れを強く感じて、安定した生活を望み、職場や家庭でお互いにもたれあう共依存関係になりがちである。この状況から抜け出すには「自立」するほかない。さらに私たちの社会は相互依存で成り立っているため、自立という土台の上に相互依存の能力を身につけなければならない。
今すぐ欲しい
人はモノを今すぐに欲しがる傾向がある。もっと!もっと!もっと!と欲が出てしまう。クレジットカードが普及し、今手に入れて支払いは後回しの習慣がなりつつある。このような人はいずれ経済的な問題にあう恐れが高まる。テクノロジーがめまぐるしく変化し、市場や技術のグローバル化が激化する時代にあたっては、賢明に生活するだけではなく、常に自分を再教育し、自己改革していかなくてはならない。目の前のことで結果を残すことは大事であるが、もっと大切なことは結果を出す必要性と明日の成功に結び付く能力に投資する必要性のバランスをとることである。
非難と被害者意識
人は何か問題にぶつかると、他者に責任を押し付ける傾向がある。「もし~ならば」というように理想ばかり考えてしまう。謙虚な人は自分が置かれた状況を受け入れ、責任を取る。自ら選択することによって大きな力を手に入れ、成長する人の共通点である。
絶望
多くの人たちは今の社会で生き残るために、「何があった時に落胆しなくても済むように、人生に対して期待のハードルを最初から下げる」という態度をとっているが、これは人間の長い歴史を通して見出された成長と希望の原則「自分の人生は自分で創造する」とは正反対の態度である。
バランスの欠如
ますます仕事に追われ、健康・家族・誠実さなど、自分にとって最も大切なものを仕事のために犠牲にしなければならないのだろうか。現代社会の要求である「もっと早く出勤し、もっと遅くまで残業しなさい。もっと効率的に働きなさい。今は忍耐あるのみ」に応じていたら、心の平和やバランスの良い生活は得られない。自分にとってもっとも重要の事柄を明らかにし、それを誠実に実行して初めて得られるのである。
利己主義
現代社会は、「人生で何かを得たいなら、一番を目指さなければならない」と教えている。身近な仕事仲間を競争相手と捉えて、内心で他人の成功を妬んでいる。しかし、すべての人に成功が行きわたってなお余りあると考える「豊かさマインド」を持つ人、他者を尊重し、お互いの利益のために無私の気持ちで働く人によってこそ、真の優れた業績はなされる。
理解されたいという渇望
人が持つ欲求の中で、他人から理解されたという欲求ほど切実なものはないだろう。ほとんどの人は、影響力のカギはコミュニケーション能力にあると思っているが、自分が理解されていると感じたとき、相手が本心から真剣に話を聞いてくれているとき、自身が心を開いてくれたと相手が感じたときにはじめて、その人に影響を与えられるようになる。また人間は多くの共通点があるが、相違点もある。考え方が違うからと言って妥協せず、創造的協力という原則に従えば、双方が最初にもっていた考え方を上回る素晴らしい解決策を生み出せる。

人間の本質

人間の本質には四つの側面がある。肉体、知性、心情、精神である。これら四つの本質に対する現代社会と原則のアプローチの違いは以下である。 
①肉体
現代社会の傾向:生活習慣を改善せず、健康上の問題は手術や薬で治療する
原則:健康に関して、すでに確立され受け入れられている普遍的な原則に沿ったライフスタイルのよって、病気や健康上の問題を予防する。
②知性
現代社会の傾向:テレビを見ながら娯楽にふける。
原則:幅広く深く読書し、継続的に学ぶ。
③心情
現代社会の傾向:私利私欲のために、他人を利用する。
原則:敬意を払い、話を真剣に聴き、他者に仕えることが真の達成感と喜びをもたらす。
④精神
現代社会の傾向:世欲主義と皮肉が増長する風潮に身を任せる。
原則:人生を前向きにとらえることができるもの、人生に意味を見出そうとする基本的なニーズの源には原則があることを認識している。 

これら四つの人間本質を踏まえ、大切なことは何か。まず自身が死の床で自身の人生を振り返った時、最も多くの時間をオフィスで過ごせばよかった、あるいはテレビをもっと見ればよかったと悔やむ人は、果たしてどれぐらいいるだろうか。答えは簡単だ。一人としてそのようにはおもわず、家族や愛する人のことである。人は誰かのために生き、最後はその人たちのことを思うのである。

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