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Real Clothesはすごいマンガだ。人生変わる。

人は見た目が全てです。
その人の内面の全てが
外見に出ているのよ

槇村さとる 『Real Clothes』


 1巻でいきなり主人公がかなりディスられるんですよ。ちょっと読むの辛いなと思いましたが、面白くて最終巻まで一気に読んでしまいました。お勧めのマンガです。

 十年以上前のマンガで、ドラマ化もされたそうですが、私は全然知りませんでした。マンガ自体二十代で読むのやめてたので気づかなかったんですね(やめた理由は、大人が読むものじゃないと思っていたことと、活字の本を読むほうが好きだったから)。
 でも、たまにはマンガもいいですね。

 Real Clothesの内容に話を戻します。

 主人公は百貨店のふとん売り場で働いていたのですが、なぜか婦人服売り場に異動させられます。そして、ファッションの意識高い系の人に服装を馬鹿にされ、偉い人にも見た目や体型を非難されて、太ってるだのおサルさんだの散々(今だったらパワハラかも)言われてしまうのです。
 主人公は「見た目より中身が大事」と最初は言っていて、当然腹を立てるんですが、そのうち気づくんですね、

「私、思ったよりイケてない!」

 って。

 それからは服を買い付けるバイヤーとして大活躍して成長して、ネタバレですが、ちゃんと結婚相手も見つけて話は終わります。


 見た目について、考えさせられましたね。
 特に、冒頭で引用した、

「人は見た目が全てです」

「内面の全てが外見に出ているのよ」

 というセリフ。ぐさっときます。

 個人的な話ですか、私は障害があり、貧乏で、ずっと生活がギリギリで、見た目なんかにかまっていられない生活をしていました。
 リアルに、服を買う予算を確保できないんです。月10万とかで暮らそうとすると。
 
 で、服装がかなりいいかげんになっていました。仕事はしていたしジャージは嫌いなので、ギリギリ外に出れる格好は保持していましたが、
 中古で買った地味なパンツと、
 そこそこの値段の無難な襟付きのシャツ。
 みたいな服でずっと暮らしていたんですね。
 メイクはもちろん、なし。
 コスメ代もないから。

 障害も、
「いくらオシャレしても、どうせ障害者って知られたら嫌われるからやる意味ないし」
 という、いじける原因になっていました。

 ほんとは、障害があっても、インスタでメイク動画をやるくらいオシャレで意識高い人はいくらでもいるし、女性であれば(いや、男性もか)オシャレをするのは一種の「権利」「表現」なので、それを制限するのは差別なのですが。

 とにかく、メイクとかオシャレとか、そういうことをする気力を私は無くしていました。

 でも、このマンガ読んだら、
 考えさせられましたね。

 今まで、私は、
 地味な服装で、外に何を発していたのか、と。

 外見に内面が出る。
 つまり、私の格好は、

「私はなにもかも諦めた、物事に興味も関心もない人間です」
「とにかくめんどくさいです、なにもかも」

 という内面を、
 まわりに発していたのかもしれない。

 それは良くないなと思いました。

 それと同時に、グループホームに住んでいる障害者や、福祉の職員が、身なりにほとんど気を使っていないように見えることにも気づいてしまいました。
 みんな、人生をどこか諦めたような地味な服装で、メイクも、一部の意識高い若い子を除いて、してなさそうな感じ。
 職員さんも、外部の人と会うときはきちんとした格好をするけど、障害者相手だとオシャレする気もしないのかな、と思うようなラフな普段着(仕事柄、動きやすいほうがいいとか、いろいろ事情があるのかもしれないけど)。

 服装は相手への敬意でもある、とどこかで読んだことがあります。
 

 

 見た目、変えたいなあ。
 と、Real Clothesを読んで思いました。

 私は元々アクセサリーは好きだし、かわいいものもだいたい好き。ファッションだって嫌いなわけではない。単に余裕が(心にも)なかっただけなのです。

 といっても、それで予算が空から降ってくるわけではありません。月10万で生活しなければいけないことに変わりはない。

 でも、何かを変えたい。

 なので、まず、図書館で、近藤麻理恵さんの片付けの本(マンガ版、面白かったのでこれもお勧め)と、40代向けのメイクの本を借りました。

 手持ちの服を整理したら、持っているのを忘れていたもう着ない服が出てきたので処分しました。冬用の新しいパンツも買いました(ユニクロですが)。

 メイクの本は、残念ながら「お金持ち向け?」だったのか、

「美容液は五千円くらいのものを使うこと」
「ファンデーションと口紅は三千円以上を」

 とか、非正規には無理すぎる内容だったので、ちょっとヘコみました。

 そうなんですよ。
 年齢化粧品は高いんです。
 ある程度キャリアがある、高収入の人がターゲットなんです。

 でも、今は年齢が高いからってみんなが裕福な時代じゃないですよね……。
 非正規の人とか……。
 病気や障害の人とか……。
 いろいろ事情があって、収入が少ない人は、
 どの年齢にもたくさんいますよね。

 低い収入の人でも買えるエイジングケア商品があればいいのに……と思っていたら、ちふれ(たぶん)がそういうラインを出していました。確か無印にもありますよね。
 でもやはり、値段が若干、私にはきついです。

 でも、そのうち、
 口紅だけでも買ってみようかな。



 このマンガに影響を受けて、最近、地元の百貨店に行ってみたんですよ。少しだけですけど。

 そしたら、
 やっぱり置いてあるものがみんな、
 綺麗で、質が良くて、キラキラしてるんです。

 もちろん値段も二桁くらい違いますが(手袋って、ちゃんとしたものは一万円超えるのね……)、
 ものの品質なんて詳しく知らない私でも、パッと見でわかるくらい、いいものが並んでる。

「百貨店、レベル違うな〜」
「やっぱり、いいものは高いんだ」

 と、ちょっと見ただけで実感しました。
 千円のきれいなハンカチを買って帰りました。

「変わりたいなあ」と思いながら。

 なんていうか、40年近くいじけて過ごしたから、もう自分にうんざりしちゃってたんですね。

 見た目は、一番自信がないカテゴリだった。

 見た目がさえない奴に限って「人間は中身が大事だ!」とか言うけど、そういう人ってたいがい中身もカラッポ(私のことです)。


 これから、少しずつできることをやって、
 いい女目指そうかな。

 まずは、コロナ禍のせいで存在を忘れてしまったコスメを買い直そう(プチプラで……)。
 なんでもメルカリで安く買おうとするのも、もうやめた方がいいかな……(でも、低収入の人には便利なんですよね、メルカリって)。




 しかしやっぱり、
 女はお金かかるよ!

 お金欲しい〜!!笑






 読んでくれてありがとう。


 


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