悪口がどうしても嫌で友達ができない

　よく、
「女子は人の悪口を言い合って仲良くなる」
　とか言いますよね。

　私にはそれが全く理解できません。

　自分の悪口を言われるのも嫌だし、
　人の悪口を聞くのも耐えられません。
　悪口を聞くと、
　魂が汚染されたような気分になります。
　ひたすら不快なだけです。
　人の悪口を言ったら仲良くなれると思っている人が、全く理解できません。

　そもそも、言う必要ないじゃないですか、
　ネットにエンタメが溢れてる時代、
　他に話題はいくらでもあるんだから。

　悪口で盛り上がるどころかドン引きする私は、学生時代から友達が少なかったです。多数派の女子グループからは常に存在を無視されておりました。ま、うさんくさい恋の話と悪口しか取り柄のない人達なんて、関わりたくなかったから別にいいけど。
　幸い、少数ですが友達はいたので、決定的に孤独になるのは大人になるまで避けられたのですが、その、仲良くしてくれた友達も、かなりのオタク。変わり者。人の悪口よりは趣味や本の話をするほうが好きな人たち。
　学生時代は運が良かったと思います。本当に。

　他の人から、学生時代に悪口をあびせられたり、いじめられたりして不登校になったとか、病気になったとかいう話を聞く度に、
「そりゃ、そうだよなあ。当たり前だよ」
　と思いました。
　学校に意地悪な人が多かったので、誰かが病んだとか転校したとか聞く度に、
「あの子、まともだったんやなあ」
　と思っていたくらいです。

　心の強い（鈍感な）人にはわからないかもしれませんが、悪口というのは本当に怖いものです。私が学生時代に、運悪く口さがない人やいじめの標的になっていたら、不登校どころでは済まなかったと思います。ガチで死んでたかも。
　それでなくても悩みがちだったというのに。
　

　大人になると、学生時代と違って、「悪口を言う人」を避けるのが難しくなっていきます。

　昔、ある語学の教室に通っていたのですが、
　何回か行った後、
　同じ教室の人が帰りに追いかけてきて、
　他の人の悪口を言い始めました。
　とても楽しそうに。

　それ以来、
　私はその教室に行きませんでした。

　よく知りもしない人の悪口を聞かされるだけでも嫌なのに、
「悪口を言ってもいい人」
　だと思われたこともショックでした。
　そんな低レベルの人間に見られるなんて。

　その人はただ、悪口を言うことで仲良くしたかっただけなのかもしれませんが、
　私は嫌がらせとしか受け取れませんでした。

　私がもう少し普通で、
　悪口を聞き流せる強い人だったら、
　教室にも通えて、
　あの言語が身についていたかもしれない。

　そう思うともったいないですが、
　でも、
　悪口を言う人に毎回耐えるなんて、
　その頃の私には無理でした。
（たぶん、今も無理です）。

　悪口を言う人って、
　どこにでもいるんですよ。

　障害者向けの作業所にもいました。
　本来なら、そういうことがないように配慮するべき場所のはずですが、
　年配の女性が多かったせいか、
　職員の悪口がひどかった。
　特に、知的障害など重い障害のある人へのきつい当たり方、ほぼ暴言のような悪口は、傍で見ていて耐えられないものでした。
　その作業所も、やめました。

　今、一般企業の障害者雇用で働いていますが、
　若い人の悪口がきつくて、
　傍で聞いていると辛いです。

　障害者雇用自体気に入らないらしく、
「あんな奴いらねえよ」
「弱者の救済なんていらねえよ。そのへんで死なせとけばいいんだよ」
「こんな忙しい時に使えない事務雇うな」

　と、私に聞こえる場所で話していたりします。
　残念ながら想定内の出来事です。
　障害者雇用で一般の人に混じって働くと、こういう悪口はかならずついて回ります。

　そもそも障害者雇用は、国が決めているパーセンテージを埋めるために、やる気のない会社が「仕方なく」人数合わせで雇っている面があり、そもそも存在を真剣に受け止められていません。
　上の人の都合で「使えない人」を押し付けられて迷惑、というのが、現場の人の本音でしょう。
　制度にも、人の意識にも問題があるんです。

　しかし、
　世の中がいくら多様性を叫んでも、
　健常の会社員の意識は、
　差別だらけなんですね。


　日本、多様性と相性が悪い国ですね。
　特に会社員。企業。
　なんでも人と同じじゃないと責められる。
　なんとかならないかな、この遅れた意識。

　健常者の普段の話し方や内容は、
　私にとってはつらいことばかりです。
　なんであんなきつい話し方してるの？って、
　不思議です。


　今は仕事で生活費稼がなきゃいかんし、
　なるべく聞き流すようにはしていますが、
　いつまで耐えられるか、わかりません。

　悪口に弱い人って、
　本当に弱いんです。
　本当に傷つくんです。
　病気の原因にもなるんです。
　鈍感な人にはわからないかもしれませんが。

　女子数人がゲラゲラ笑いながら話している内容が、恐怖でしかないことがよくあります。
　実際、道で大きな声で話しながら歩いている人は、男女関係なく怖いです。
　他の、関係ない人に話を聞かれているという自覚はないのでしょうか。
　不思議です。

　こういう人間なので、
　悪口で人と仲良くなることはできません。
　むしろ縁が切れます。

　コミュニケーションが大事とか、
　コミュニティに属するのが大事とか、
　今さかんに言われていて、
　それはよくわかりますが。

　悪口ばかり言う人と、
　同じ空間に長くいるのは、
　生理的に不可能です。

　世の中にはそういう人もいます。
　なので、
　公共の空間では、
　悪口は控えるようお願いします。

　あと、
「弱者なんか死ねばいい」みたいなのも、
　心で思っていても、
　口にしないほうがいいですよ。

　通りすがりの当事者が聞いたら、
　ショックで精神を病んだり、
　外に出るのが怖くなったり、
　下手したら病気になって死にかねない。

　それくらい、
　差別的な悪口って凶悪で、
　罪なんですよ。

　社会人として常識を疑われたくなかったら、
　それくらいの自制はしてください。

　差別意識はなかなか消せないでしょうが。
　礼儀正しくするくらいなら、
　誰にでもできるはずでは？

　読んでくれてありがとう。