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【国連英検特A級#7】一次対策編②-2英作文 〜具体的な対策と結果・振り返り〜

 こんにちは。前回は基本を忠実に守りながら実践を重ねていく芸事の教え「守破離(しゅはり)」を実際の英作文対策に当てはめて考察してみました。今日はそれに沿ってお話ししたいと思います。そして最後に試験結果や振り返りにも触れたいと思います。

<参考>前回記事 
※本記事は前回記事を参照しなくても英作文対策がわかる構成になっています。

「守」・・・ライティングの「型」を習得し、守る

 英文ライティングには決まった「型」があります。これは英検、TOEFLなどライティングが問われる資格試験や大学などの論文作成のいずれにも共通するスキルで、詳細はここでは割愛しますが英文ライティングは基本的に以下のようなパラグラフ構成で書いていきます。

ライティングの基本型

序文:トピックに関する自分の考えを打ち出す
本文:わかりやすい具体例で上記の理由を説明
結論:本文を受けて、結論を書く(=序文の内容を言い換えればOK)

アカデミックライティングのすすめ

 もし、こうした「型」に慣れていない、けれど時間はあるという場合は、ライティング、特にアカデミックライティングの勉強をすることをお勧めいたします。一度この「型」さえ習得すれば後々の資格試験でのライティングや英語力向上そのものにも大変役立つスキルです。実際私もそうでした。

 英作文はボキャブラリーや表現を知っていることももちろん大事ですが、それ以上に重要なのが英語のロジックで最初に結論を打ち出し、具体例を挙げながら最後まで一貫性を持って書き上げるということです。日本語はどちらかと言うと前置きが長くなり、最後にやっと結論が出るというスタイルになりがちですが、英語は日本語とは真逆のロジックです。

 そのため、例え語彙・語句の知識が十分あったとしてもこうしたロジック抜きで書いてしまうとエッセイの論点が不明確で説得力も出ません。ですので、まずはこの「型」を押さえるのが基本中の基本になります。

独学でおすすめの英語ライティング本2冊

 また市販の英文ライティングの本で独学するのももちろん有効です。ご参考までに以前私がライティングの勉強をした際に非常に役立ち、なかでも国連英検特A級に向いていると私が感じる2冊をご紹介します。この2冊が特に優れているのは、どちらも日本語と英語のロジックの違いや説得力のあるエッセイの展開や表現を詳細かつ丁寧に解説している点です。

「破」・・・練習を重ねてスキルを改善&国連知識や活動の具体例をストックする

 型を習得した後は、ひたすら一次試験に向けて練習を重ねていきます。並行して国連に関する知識や活動の具体例をストックしていきます。この2つの目的のために今回私は独学とネイティブ添削受講の2本柱で対策をとる事にしました。

独学で実践したこと

 独学では国連知識や活動に関するトピックをリサーチして、試験本番に向けて具体例のストックを作るようにしました。この際に心掛けたのは、なるべく国連またはそれに近い組織が発信する一次情報から調べることです。昨今は様々な情報やニュースが溢れており、その正確性を確認したり選別するのがますます難しくなっています。そんな観点からリサーチでは以下のリソースを活用しました。

<特に参照したリソースと活用方法>

🟠UN News

 UN Newsでは国連の最新の活動やニュースを把握できます。特にポッドキャストでも配信されているDaily Briefingは毎日聴くようにしました。またトップページにあるTopicsのタブは、SDGs、和平、人道支援、人権などの項目に分かれています。英作文では国連の主要機関、組織の役割と活動が問われることが多いので、トピックのリサーチで特に心掛けたのはこのサイトで国連の主な活動をチェックし、それと合わせて関連する機関や組織を国連英検指定テキストなどで調べてノートにまとめていきました。

🟠国連広報センター

 国連広報センターのサイトもUN Newsと同様国連から直接発信される情報源なので信頼性があります。日本語ですが情報も豊富で背景知識の効率的な習得に役立ちました。組織や団体、活動などの名称の日本語訳の確認もまずこちらのサイトを利用しました。ここでは特にSDGsの内容を参考にしました。

🟠外務省WEBサイトの国連外交ページ

 外務省のサイトでは、日本の国連での貢献や活動の歴史・背景が詳細に解説されています。日本としての立場から記載されており、特に役立ったのは日本のPKOや経済・人道支援活動などの取り組み、国連安保理非常任理事国としての役割に関する情報でした。

🟠国連英検指定テキスト(新わかりやすい国連の活動と世界、三修社)

 国連知識対策の記事でも触れましたが、最初に調べ物をする際は必ずこの指定テキストを参照するようにしました。国連知識対策では丸暗記に陥りがちですが、英作文でも活用することで国連知識対策との相乗効果で記憶が定着するようにしました。

ネイティブによるオンライン添削を受けることにした理由

 今回はネイティブによる添削も活用しました。理由は、1) 受験まで3ヶ月を切っていたこと2) 国連の知識がまだまだ不十分3)ネイティブのフィードバックやアドバイスが欲しい、という3つです。

 昨今はネットやSNSで様々な学習方法が紹介され、特に最近ではChatGPTの登場により英作文も独学である程度のことはカバーができる時代になってきました。ですが、独学だとついつい自己流に陥りがちです。そうしたことから私は資格試験以外でも普段からネイティブによるオンライン添削を時折利用しています。

 今回の受験では、国連英検に特化し世界情勢に詳しいネイティブによる添削が受けられるテソーラスハウスのオンライン添削コースを受講しました。またオンライン添削は自分に合うものであればどのサービスでも良いと思いますが、国連英検の場合は1)国際情勢や国連に精通しているか、2)指導歴や添削歴が豊富かの2点をクリアした講師であるかどうかは事前にチェックした方が良いと思います。

オンライン添削の活用方法

 受講した国連英検英作文コースは10回まで添削指導を受けることができます。申し込み後、指定のトピックが入ったワードファイルが10本メールで送られてくるので、以下の要領で進めました。

英作文添削で回したプロセス

①指定のトピックについてリサーチし、要点を箇条書きしてノートにまとめる
②上記の作業と並行して、エッセイの骨子を書き出す+英語表現もチェック
③週末にまとまった時間を確保して、課題提出用のエッセイを仕上げてメールで提出
④数日後に添削が入ったファイルがメールで返ってくるので、文法や表現の違いを見直し
⑤もしエッセイに説得力がない場合は、講師が丁寧にアドバイスをしてくれるのでそれに従ってリサーチして要点をまとめておく

※2回目以降は①〜④を繰り返す

 また、指定トピックに関しては私はPKOや気候変動、食料安全保障など全て学校指定のものに従ってエッセイを書き上げましたが、自分の好きなトピックに変更して課題を提出するのもOKです。それに加えて課題の提出期限もなく、自分の学習目的やスケジュールに併せての受講が可能なので今回時間が限られていた自分にとっては大変助かりました。

 と言いつつも、トピックのリサーチに時間がかかったり、他の分野の学習も並行していたこともあり実際に課題を提出できたのは5回分だけでした。そのため数が少ないながらも毎回練習(課題作成)、添削、見直し、改善のサイクルをちゃんと回すように努めました。

 ちなみに未消化の残り5回分については、また再挑戦の時に利用するか、あるいは自分の好きな時事トピックで利用するかはまだ考え中です笑

「離」・・・スキル、知識、ストックを総動員して自力でエッセイを書く 〜試験当日〜

試験当日の時間配分

 そしていよいよ試験当日です。今まで習得した型、および練習を重ねて積み上げた知識と具体例のストックを総動員して英作文に臨みます。

 試験では、英作文は最後の設問で出題されます。私は事前に過去問を解いて時間配分を確認し、全て順番通りに解答していくと決めていました。

 但し、もし直前の設問まですでに解けない場合でも試験時間120分のうち最後の20分間は英作文に充てることも決めておきました。

試験本番での英作文作成プロセス

 当日は以下のプロセスで英作文問題を書き上げました。

①トピックについてまず自分の意見(序文と結論)を箇条書きにして問題冊子に書き出す
②上記①について本文で説明する具体例を2つ、同じく試験冊子に書き出す
③上記①と②の内容に沿って、解答用紙にエッセイを記入

 以下は実際の試験で問題冊子に先に書き出したアウトラインです。この時は「WHOの機能(役割)を直近の事例で説明する」という趣旨のお題だったので、まず役割については「世界の人々の健康を実現すること」と結論を打ち出し、具体例として新型コロナ対策での 1)警告、2)状況のモニタリングの2点を挙げることにして時間ギリギリまで肉付けして書き上げました。

私が実際の試験で事前に問題冊子に書き出したアウトライン

 なお「具体例2つ」としてますが、これはあくまでも私見になります。その根拠は、目安として指定されている語数が250語前後なのでそれを満たすためには具体例を2つ本文に入れるぐらいがちょうどいいと事前の練習で感じたためです。そのため日頃の練習を通じて、具体例を1つあるいは3つ入れたほうがいいのかなど自分でやりやすい「型」をあらかじめ決めておくと良いと思います。

 また余談ですが、TOEICと違って国連英検は問題冊子にメモを入れたり、持ち帰ることができるので試験中は英作文に限らず必要であればどんどん線を引いたりメモを取ることをすることをお勧めします。

試験の結果と反省点

 試験の結果、英作文は20点中17点のスコアを獲得することができました。トピックがWHOという最近ではコロナ対策など比較的具体例を出しやすい機関だったことにも十分助けられた面はありますが、それでも前回10年前に受験した時はここまでのスコアを出せなかったので良かったと思いました。

 それと同時にもちろん反省点もあります。中でも特に盲点だったのが、普段はPCやスマホ、タブレットで文字を入力することがほとんどで手書きで書くという作業に慣れていなかったということです。本番では中身を固めても制限時間内に手書きで書いていて意外ともたついてしまいました。そのためリサーチはPCなどデジタルデバイスで良いとしても実際にエッセイを書く際は手書きで練習をするべきだったと反省しました。

 今回で英作文の記事は以上になります。次回は語彙&リーディング対策についてお届けします。かなり長文になってしまいまして恐縮ですが、本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

【参考】国連英検特A級シリーズ:下記マガジンに全11回分の記事をまとめています

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