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「反抗期ではなく発展期である」というデンマークの教育を知る。


魔の2歳、第1反抗期は親子の戦い?

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Sue:日本には「魔の2歳」とか「第1反抗期」なんて言葉があります。

この時に、「いうことを聞きなさい。」「がまんしなさい」という言葉で子育てをするということがなんとなく、当たり前?な感じで
どんどん引き継いでいっている、今の世代
がありますよね。

Chiba:そう、日本ではイヤイヤ期の対応や、
言うこと聞かない、言われた通りにしない、ことを
「反抗期」と言いますよね


子育てにおいて「反抗期=大人への反抗」と捉えているでしょう?

デンマークでは、子どもが成長していく段階で、
この時期のことをなんというかと言いますと、
自身の心が成長する発展する時を意味して
「発展期」と呼んでいます。

国が違うと、とらえ方が大分違うから
同じ行動をとっている子どもにしては、
それに伴って大人の態度の慣習も違って、きっとジレンマですよね。

Sue:この時期って
「子どもの発展期が来た!!」と思うのか、
「なんていうことを聞かないの!!」と思うのか、で
子どもの態度が愛しく見えるのか、
怒りスイッチ押しにきているのか、
ずいぶんこちらの受け手側の気持ちも違います。

そもそも子育てってなんのために?

Chiba:たとえ、それを乗り越えていって、
第二反抗期にきても、
心の発展を伴わず、親の言うようにやってきてしまっていたら、
子育てって、なんのためにするのか
。と質問を投げたくなります。

Sue:それは、どういう意味ですか?

Chiba:自分の思うようになる子を大量育成することになるでしょう?
それって、どう思いますか?

Sue:みんないい子?
話が脱線しますが、この間某大学の生命倫理哲学の名誉教授が「日本の教育はおかしい。大人にとって、自分にとっていい子を育てるのであれば、なぜ人間でなければならないのか。ロボットで十分ではないか」と仰っていて。この話を聞いていたら、背中がゾクッとしました。
ただ、一方で、自分も子どもの頃に、されてきた教育を今、親になって繰り返しているのかも?とも思っています。

Chiba:この「自分が受けてきた教育を繰り返す」というスタンスが
日本の教育が時代に合わせてより良く発展できない一つの要因かもしれないですね。
学校は楽しいところでなければならない、これがデンマークの基本。
日本では、どこまで自由・楽しいということを、
大人が許容できるかが、本当に焦点ですよね。

Sue:そうですね。日本では「自由」という言葉は、時に、マイナスのイメージで表現する時があります。「あの人は自由だから」とかって使いますよね。自分勝手とか、他人を気にかけないとか、自己主張を通す傾向があるとか、きちんとしてない、とか。

自然の法則

Chiba:アメリカのハワード・ガードナーという学者が
「人間誰でも、どんな人でも、長所がある」と言っています。

Sue:はい、日本でもよく聞く言葉ですよ。

Chiba:いや、多分、国が違えば意味も違うものです。
例えば、発達障がいの子がいるとしますよね。
どうでしょうか、発達障がいがあるから、
多くの人は、ある程度しか発達しない、
と思っているんじゃないかな
、と思うのです。

でも、それは、誰でも当てはまることですよね。

全て完璧な人はいないでしょう。
また全て同じように成長していく人もいないでしょう。

例えば、発達障がいの子が持つ様々な資源の全てが
発達していなくても、
どこかが飛び抜けて発達している
というのは
よくある話です。

褒めることも、伸びることも楽しく思う。

プラスで引っ張られるとプラスで伸びる

マイナスで引っ張ればマイナスに伸びる。

自然の法則ですよ。

Sue:大人自身が、自分の価値観に基づく
コミュニケーションを習っていないと感じています。
自戒の念を込めて、ですが。

「この社会で生きるならば、こうしなければならない」
という思い込みがそこにあるのかな
、と。

Chiba:この社会、ねぇ。
このデンマーク社会では難民を受け入れていく際、
まず、自国文化を理解するためには、
フォルケホイスコーレ在学が好ましい場所とされています。

私の作ったフォルケにもたくさんきていますよ。

Sue:子供だけにフォーカスすることなく、
大人も、ヒューマニズムコミュニケーションを
実践する場所がやっぱり必要ですね。

なんでしょう、様々な多様な意見を交わす習慣というか。

Chiba:義務教育って、そもそもなんのためにあるのでしょう?
9年間の義務って、その国の教育をするのが義務教育ですよね。
その本質をしっかり教えるのが学校です。

Sue:私立もある意味で、文部省の規定はあっても、
その中で日本国民に必要なものは何かきちんと教えているのかな、と。

Chiba:反抗期として育てられてきた人たちは、
ありのままの自分に、本来の自分に気付いていなければ、
今、自分を生きていないんでしょうね。
それは、自分に不正直であることと一緒なのですよ。
残念ながら、教育自体が、子供に「正直に生きていいよ」と育てていない。

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もし、反抗期、いいえ、発展期の子どもと対峙した時に、
自分にとって不都合があったとして、
 子どもと向き合って、その心のありのままを蓋してしまう大人か、
 子どもと向き合って、いいところ発見、プラスをより伸ばす大人か、
あなたはどっちになりたいですか?

<次回に続く>



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