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【マナーが悪いに隠された真実】スッキリ中国論/田中信彦 を読んで中国人の国民性を理解する

皆さんこんにちは。たっちです。

中国人はマナーが悪い… 依然そんな言葉を耳にしますが、なぜ日本人は中国人のマナーが悪いと感じるのか?この本に答えがありました。(書籍内にも山のように書いてありましたが、以下のような傾向にあるというだけで、中国国民全員が該当する訳ではありません。)

〜日本人はスジ、中国人は量 で判断する〜

そもそも日本人と中国人は根本的に考え方が異なります。

日本人は物事を【スジ】で判断します。物事を原則論、こうあるべきだ という視点で捉えるということです。「話にスジを通せ!」という話はメディア等でも時々見かける光景かと思います。

中国人はというと、物事を【量】で判断します。スジとは対照的な考え方で、現実的影響の有無, 大小, 強弱で判断します。ピンと来ないかと思いますので、量で判断するということを、以下具体的な例を使ってお話しします。

〜スジと量は大きく異なる〜

さて、スジと量は考え方が対照的ということを表すために、書籍で紹介されていた例を下記に紹介します。

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CASE①

中華料理屋でエビチリを注文したのち、会話を楽しみながら食べ進めていると、残り2個の海老が残ったまま時間が経過していました。

この時、日本人は2個残っているエビチリを、お金を出して購入した自分の所有物だと捉え、「私の所有物を勝手に下げるべきでない」とスジ的に考えます。店員もお客様の所有物(料理)を勝手に下げるべきでないと考えるので、「こちらお下げしてもよろしいですか?」と確認作業を行い、合意をとってから下げます。

では中国ではどうでしょう?結論から言うと、店員は2個残っているエビチリを確認作業なしでお構いなく下げますし、客側もそれに対して何か言うことはありません。

つまり、店員は「エビチリ2個を失ったところで、客側が受ける影響は大きくない」と判断し、料理を勝手に下げます。この時客側も「エビチリ2個くらいで自分には何ら影響もないだろう」と考えているのです。

CASE②

次に友人,知人間でのお金の貸し借り事情からスジと量の違いを考えます。

日本人の皆さんがお金を知人,友人から借りたとき、その金額の大小に限らず、そこには借りたお金は返すべきという共通認識をみんな持っていると思います。これがスジ的な考えです。私も借りた100円は必ず返すようにしています。

中国人はどうでしょう?中国人は量で物事を判断するので、借りた金額の大きさが貸借関係を持つ両者に与える影響力から返済有無を判断します。

例えば、中国人のAさんがBさんから100円を借りたとします。この時Aさんは借りた100円がBさんに与える影響を考え、100円がBさんに与える影響は限定的と判断すれば返す必要はなくなります。そもそも借りた行為自体がAさん, Bさんの頭の中から消えます。

これらの理論で考えると、なぜ中国人は行列に横入りするのか?マナーが悪いと感じられているのか? という疑問にも回答することができます。

〜なぜ中国人はマナーが悪いと思われているのか〜

さて本題に入ります。なぜ中国人はマナーが悪いと日本人から判断されがちなのか?

中国人は量をもとに判断をする特徴を持っています。例えば行列に横入りするという行為を実行したとき、後ろに並んでいる人に与える影響の大小を考え判断しているのです。つまり、自分一人が横入りしただけで後ろに並んでいる人への影響は限定的と考えていることになります。

確かに1人横入りしてきたくらいで、自分にそんなに影響がないというケースが大半だと思いますが、私たち日本人は「行列にはきちんと並ぶべき」という共通認識が社会に根付いているので、ちゃんと並ばない人はマナーが悪いと評価されるわけですね。

量で考えると、判断基準が各々異なるということになります。それぞれが自分で周囲への影響力を考えるからです。
逆にスジで考えると、各々の判断基準は同じになります。

自分で周囲への影響力を判断して、臨機応変に行動せよ。つまりルールが明確に存在しない中国人の行動は、スジ論で固められ、ルールを強く遵守する日本人にとっては理解しにくい側面があるのです。

これが日本人が中国人の行動を見たときにマナーが悪いと感じる根本の原因です。

どちらが良い, 悪いという話ではありませんが、
インバウンド事業者視点
訪日中国人旅行客が日本に年間2.5兆円を落としている今、日本は中国から多大な恩恵をもらっていることは事実です。

少子高齢化がもたらす経済の収縮が起きている中で、日本が生き残るためにも、中国人の国民性を理解して、適切な対応をしていくことが求められています。

そして日本と中国が互いの強みを活かし合って、相乗効果が生まれていくことを期待しております。



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