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Aalto University, 大学院の授業スタイル

日本の大学院に行ったことがないので完全な比較はできませんが、こちらの全ての授業が日本の大学のゼミに近いなと感じています。

今感じているAalto Universityの大学院授業の大きな特徴は、生徒の少なさ、ディスカッションの多さ、先生の生徒に対する真摯な姿勢です。

■授業のやり方
授業は知識の詰め込みではなく、課題について深く考えること、それを様々なバックグラウンドを持つクラスメイトとディスカッションすることにとても時間をかけているなと思います。
また生徒の状況にも柔軟に対応してくれます。子供のお迎えがあるお母さんは早く授業を退席でき、仕事をしながら大学に通っている人は、授業受けられない時は、事前に教授に言えば授業を録画をしてくれ、動画をもらえます。いろんな形で生徒に合わせてくれるので、授業について行けなくなることもないです。
人数が少ないからこそできることなのかなと思います。

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Zoomの授業の様子です。少し見た目が怪しくなってしまうのですが、念のため顔を隠したものを載せます。みんなのお洒落な家を見れるのも楽しいです。

■先生の生徒に対する姿勢
先生が絶対ではなく、先生も生徒と一緒に考える、生徒の疑問に思っていることや、やりたいことにヒントを与える役割に徹している様に思います。また、教授も生徒から質問でわからないことがあると、わからないから調べてみるといったこともあります。みんなからしたら初歩的な質問でも私は図々しく質問をしています。それに対して教授はいやな顔をすることなく丁寧に答えてくれます。ありがたい・・・!
授業中の疑問はZoomのチャットに投げかけたり、講義途中でも質問できます。むしろ面白い質問や議論を活性化する視点は喜ばれます。教授もたとえ自分の論文であっても、正解を押し付けるのではなく、むしろ生徒からの疑問・批判を聞き、とても寛容です。
また授業の進行は生徒に聞きながら進め、必要であれば修正をするという教授もいます。
ちなみに、教授の名前はProfessor ではなく、下の名前で呼ぶため距離がとても近く感じます。

■授業を受けてみて思うこと
ベースになる知識はもちろん必要ですが、そこから議論をどう発展させるか、独自の気づきを見つけて、それを深く学んでいくかを常に考えるのは、日本での学習スタイルと異なり、思考のトレーニングになります。
ネットで調べるプロセスや、気にするポイントがこれまでとは変わったように思います。
これまでは調べた事実を学んで満足していましたが、今はさらにその事実から何が言えるのかを考え、関連する事項を調べるようになりました。(当たり前にできている人もいると思いますが・・・)
また様々なバックグラウンドを持つクラスメイトとディスカッションをすることで、考慮する範囲、興味の幅が増えました。ただ自分の意見を言うだけではなくて、その子だから思う意見を引き出したり、調べてみたり・・・。例えば、Camp(アートのスタイル)とCamping(キャンプ)について議論をしたときに、日本人である私はCampingのイメージは森に行って、自然の中でゆっくりとしたり、キャンプファイアーで語り合い楽しい時間のイメージでした。しかし、ギリシャ人で移民を支援する活動をしている子にとってCampingは避難所のテントや夜を凌ぐためのキャンプファイアーのイメージがあると言っていました。

課題の締め切りや内容で不安なことがあるとクラスメイトとWhatsAppで確かめ合ったり、みんなで助け合いながら授業を受けています。


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