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フィンランドと日本は相思相愛、似ている感性

「フィンランドにおいて、日本人であることってすごいアドバンテージだよね。」
とフィンランドに住む中国人の友人に言われたことがあります。
確かに自己紹介で日本出身であることを言うと、日本に行ったことがある!、コロナ直前に行く予定だった、高校の頃日本語を習っていたんだよ、あの日本レストラン美味しいよね、などなど目をキラキラさせて話しかけてくれることが多くあります。
日本人に対するフィンランド人の興味の持ち方は特別なものかもしれません。
その中国人の彼女は同じような興味の持ち方をされたことがないと少し嫉妬をされました。

加えてよくフィンランドと日本は似ているよね、といろんな国の人から言われます。いざどこが似ているんだろう、何がそうさせているのかと考えるとパッと思いつくところがありません。日本は島国、フィンランドは大陸続き。人の見た目も歴史も人口も異なります。
よく言われている共通点は国土の70-80%を森が占めていること、
またフィンランドは10万個以上の湖があり、日本と同様水が豊富なことが挙げられます。

フィンランドの小川

もう少しこの共通点を深掘りしていくと、
フランス、ドイツ、クロアチアなどヨーロッパの森に入っても感じなかった、日本の森と似た神聖な感じをフィンランドの森で感じたことがあります。私の感覚での話になりますが森の精霊がいるような。何かその雰囲気が日本とフィンランドの似ているところのように思います。八百万の神を信じる日本人、現在はキリスト教が多いですが、キリスト教が伝わる12世紀まではアニミズムを信じていたフィンランド人。フィンランド、スェーデン、ノルウェー、ロシアの北部に住む先住民のサーミ人は18世紀まで改宗しないままだったそうです。キリスト教が古くから伝わっている南欧と北欧は文化が異なることを実感しました。
自然との親和性はフィンランドのデザインにも表れています。森や自然への感謝の気持ちがデザインに落とし込まれていて、有名なアルヴァ・アアルトの作品からも見ることができます。シンプルで実用性に富んだフィンランドのデザイン。日本も木材の良さをそのまま使ったデザインや日用品や建築が多くあります。森や自然の素材を生かしながら、共存していくそんな精神性が日本とフィンランドには共通しているところだと改めて思います。

Temppeliaukion教会

また水が豊富が故に清潔感のレベルやリラックス方法が似ていることもあります。サウナやお風呂で身を清める、リラックスする。サウナにも精霊がいると言われています。一方、フランス人の夫はあまりお風呂が好きではありません。お風呂は体を綺麗にする場所でリラックスしたり長く時間を過ごす習慣がこれまでなかったと言われました。日本、フィンランドに住んでいて、当たり前だった1日の終わりにゆっくりと入る、お風呂やサウナが国によっては当たり前じゃないことにハッとしました。
フィンランド人にとって欠かせないサウナ、日本人にとって欠かせないお風呂。体を綺麗にするだけではない、リラックス方法を共有していることがあります。

Sompa saunaからの景色

そして、ちょっと自虐的で皮肉な笑いが好きなところも似ているなと思います。私は勝手にしっけている笑いと呼んでいます。どこか自分たちの国のことを他国と比べながらも、自分の国が好きなところ。自虐ネタが痛い笑いにならないところがとても近いです。

あるアアルト大学の教授に日本とフィンランドはよく似ていると言われるけど、感性の観点からどこが似ていると思う?と聞かれたことがあります。感性は定義が時と場合により変化する概念であること、本質をついた質問で、その場ではすぐに答えることができませんでした。ただドイツに引っ越してきてヨーロッパの中での違いが見えていた今ならこう答えると思います。
「自然を支配しようとせず、共存しようとしているところ。言葉にせずとも共感を得ることができる風土。」
感性についてはまた別途書きますが、そんな数字では見えてこない共有点があるからフィンランド人は日本人を、日本人はフィンランド人を多く魅了しているのだと思います。

近所の森

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