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【自己紹介】ANAの失敗をマナー講師で活かす

皆様初めまして。FINEST株式会社 代表の徳永美佳です。noteに記事を書かせていただくにあたり、私の簡単な経歴とnoteで皆様にお伝えしたい思いを記します。


JALさんを呼び捨て出来ない理由

私が最初入社した会社は、ANA全日本空輸です。私の入社当時はまだ「JALに追いつけ追い越せ」をスローガンに掲げていたころで、入社したての私は、どこか中小企業のイメージが強い会社だと感じていました。その頃はANAが国内線のシェアを50%以上持っていましたが、国際線ではJALの規模に足元にも及ばず、便数もデイリーではなく、1便あたりのお客様の数も圧倒的にJALにはかないませんでした。

JALの圧倒的を示す事例としてこんなことがありました。

JALのクルーがイミグレーション(入国審査)に来ると、先に並んでいた私達のキャプテンが「お先にどうぞ」と順番を譲り、私たちに向かって「向うは満席だからね」と言ったのです。何かANAの肩身の狭さを感じる出来事でした。

またある時お客様からこんな言葉をいただいたと先輩から教えてもらいました。それは中国線でのこと。搭乗して来てANAの少ない旅客数を見て、

「全日空って、全日(ぜんじつ)空(から)っていう意味なんだね~」とおっしゃったとのこと。

こんな時期に入社した私は、JALさんは凄い!という思いが植え付けられ、未だにJALを呼び捨てできずに、さん付けで呼んでしまうことがしばしばです。もちろん皆様を、さんや様付けでお呼びしますが、JAL’さん’はANA時代に追いかけ続ける立場として感じた、一歩先を行く者への敬意のような特別な感情があります。

ANAの成功の時代(フライト時代)

さて、私のANAのフライト時代(後に出るオフィス勤務時代と分けてこう書きます)は順調に昇進し、班フライト(自分の班員メンバーでフライトを一緒する)際のチーフパーサーにもなる班長の役職、グループスーパーバイザーの昇進訓練も一つ上の先輩方と一緒に受けました。

決して人より何かが優れていたわけではないと思いますが、社内の飲み会は誘われたら断らない精神を実践しているうちに、社内の事情やフライトでの様々なアクシデントをよく知ることになり、事例対応力や何よりも様々な方との対人対応力が身に着いたと思っています。もしかしたらその点を評価してもらったのかもしれません。

国際線のチープパーサーの責任は飛行機の入国の為の書類を提出する必要があり、責任重大ですし場合によっては罰金もあります。ここに関してはまたお話する機会をいただくとして、この経験を数年したところで、社内チャレンジ制度で本部でのオフィス勤務を希望する機会を得ました。何とか関門をクリアし本部勤務となるのですが、ここからが私の転落人生です。

ANAでの失敗時代(オフィス勤務時代)

フライトではキャプテンとクルーと「楽しく」コミュニケーションを取ることで、チームワークを図ってきました。クルーの雰囲気がそのままお客様に伝わります。お客様にもこのフライトで何かしらのプラスのエネルギーを持って降機していただきたいと思い10年弱勤務してきました。

しかしオフィスで求められることは違いました。もちろん楽しさは大切ですが、それより前に、先ずは着ている服、靴、いわゆる身だしなみによって、話す前から人となりを判断されるということを経験しました。その点でオフィス勤務がなかった私はバブル時代を経験したCAとしてはかなり派手な格好で出社していたと思います。

まさにマナー講師としてこんな身だしなみはNGです!と伝える事例のままの自分でした。自分勝手な判断と、いわゆるビジネスマナを知らないって恐ろしいことですね。

私が何よりも悔しいかったことは、指摘がなかったことです。その場で、何がダメでどうしたら良いのか教えてもらっていたら、すぐに直したのに・・・という思いが残ります。実は私のNGを教えてもらったのはマナー講師になってからです。マナー講師になったことを報告した時の当時のANAの上司との会話です。間違いのないようにお伝えしますと、この上司とは今でも仲良しで良い関係性を築いています。

上司「お前がマナー講師か!あの時のお前は本当に恥ずかしいやつだったのにな~」

私「え!どうして当時それを言ってくれなかったんですか?」

上司「いやあ~、本人に直接は言いにくいよね。でも周囲ではお前のことを言ってたよ」

それはとてもショックでした。CA時代はコメント期間というものがあって、1か月間同乗した先輩方から存分にコメントを頂きます。そこで修正すべき点を指摘してもらえるのです。しかし、当時の私のビジネスシーンにおいて、これは自己で気付き修正すべきものでした。

失敗経験がある講師だからこそ痛みが分かる

弊社の研修事例の多くは私の失敗談です。マナー知らずと言われる人の多くは、相手を不快にさせようと思ってその行動をとっていません。私のように、これで良いと思っていた。知らなかった。そんな人ばかりです。全力でやったのにそれが違っていたという経験程辛いことはありません。

悩んでいる受講者の方々を見て、心はきれいなのに、そのように評価されていないことが多いと感じます。どうか私の失敗談を繰り返さないように、つまらないことで評価を落とさないようにという思いで研修に臨んでいます。

また、評価されないと悩む人の中には、知識はあるけれど練習が足りなかった、正しく直してくれる人がいなかったという人もいます。その場合には、トライ&エラーの場所が必要でそれが研修だと思っています。研修で失敗しておけば、本番で自信を持って対応出来ます。失敗は是非研修の中で沢山してしまいましょう。

ANAとJALとみずほ証券(CA以外の経験)

研修講師として更に良い経験をしたこととして2つあります。まず一つ目はJALさん系の研修会社での講師経験です。

ANAで研修講師をしている先輩、同僚も多く居ましたが、私の中にはやはりJALさんは凄い!という思いがありました。そこでJALさん系の会社講師の訓練を受け活動しました。JALさんとANAは全くカラーが違い、両方を見れたことはとても良い経験でした。

当時の2社の違いを次の様に感じました。

●ANAはマインド重視です。思いを伝えるので、寄り添って気持ちの変化に導こうとします。そのため言葉が抽象的で、エモーショナルな人でなければ伝わらないこともあります。

●JALさんはロジック重視です。メソッドで伝え曖昧な言葉がありません。つまり誰にでも理解できます。余計な言葉はないので一見冷たく感じがちですが、実は実用性があって真の親切な対応はこちらなのかもしれないと感じました。

研修を実施するにあたり、ロジックがないと伝わりません。しかしながら心のフォローも大切です。ANAとJALさんの強みをそれぞれ手に入れたことは今の研修に活かされています。

2つ目の経験はみずほ証券での秘書業です。金融のマナーは厳しいと言われます。実際自分のことを「小職は~」と話される姿を見て、ANAのオフィス勤務とは違う緊張感を持ちました。ここでも様々な失敗を経て多くの研修事例となっています。

離婚と子育て(働くママへ)

11年半ANAで勤務し、結婚退職しました。年子で男女二人の子どもを授かり、幸せに暮らしました~という夢物語にはならず、離婚という選択をします。離婚は結婚以上にパワーがいると言いますが、私の場合も5年の別居生活を経てようやく離婚に至りました。このお話も機会があればお伝えします。

片親で二人の子どもを育てるのは、金銭的にも時間的にも大変です。でもこの子たちがいるから頑張れてこれました。自分ひとりだったら我慢して離婚もせずに毎日愚痴だけの人生だったかもしれません。

頑張る姿を子ども達にみせることも大切だと感じます。実際頑張れば何とか食べていけるまでになります。食事にいっても食べたいものを食べさせられない時代から、「好きなのを食べていいよ」と言える今が本当に幸せに感じます。

余談ですが、我が家では伝説のもやし三色炒めというものがあり、(と言っても子供たちはうろ覚えでしたが)、一番安いお野菜でもあるもやしを、しょうゆ味、カレー味、中華あじの三種類の味付けにして、まんまと種類が多いようにごまかします。もし食費が厳しい時は是非お試しくださいませ。

最後になりましたが、人生様々ですが、失敗が今に繋がるものだとこの歳になって感じます。今の辛さは、将来の財産です。是非私の失敗を踏み台に、皆様には成功の日を夢見てお過ごしいただきたいと思います!


【FINESTと関連するnoteページのご紹介です】

●お局CA@FINEST

元CA達が、フライト時代のお話を楽しく紹介しています。

https://note.com/ca_deluxe_note


●一般社団法人ビジネスカラー検定協会

カラーをビジネスシーンで活かす方法、カラーをより身近に感じていただける記事をご紹介しています。

https://note.com/bizcolor

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