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命をかけて

毎週木曜日。
私は充電コードで首を絞める。
次の日の学校がどうしても嫌なのだ。
嫌だと言うと、甘えのように聞こえるが、甘えではない。
うつ病の私にとって、服を着替え、外に出て、人の目に触れ、電車に乗り、学校に行くことはとてつもない労力が必要で、体力と気力が削がれる行為なのだ。


道中では車を眺め「突っ込んできて死んじゃわないかな」とか、線路を眺めて「飛び込んだら死ねるのかな」とか物騒なことばかりが頭を支配する。

学校に着いて授業を受けるが、先生の言っていることは全く頭に入っていない。
いつ質問されるか、怯えながら授業を受ける。

親にも、病院の先生にも、🫖さんにも、「学校は命をかけて行くところじゃない」と何度も言われた。
私も、私がなぜここまでして学校に通い続けるのかわからない。
学校が苦痛でしかないのに、泣きながら、命を懸けながら、毎週金曜日、家を出るのが不思議でたまらない。

きっと、休んで家に居る自分を許せないからなのだろうと思う。
さぼっているようで、許せないからだ。
本当はさぼっているんじゃないと、🫖さんは言っていた。
「休んで、治療回復を頑張ってるんだよ 」と言ってくれた。
頭では理解していても、私の頭を支配する強迫観念は休むことを許してくれない。

いつかは、病気が良くなって学校に通えるようになるのだろうか。
いつかは、強迫観念からも解放されるのだろうか。
いつかは、治療回復に専念する自分を許し、大切にしてあげられるだろうか。

今は、そうなれるように努力するだけ。
それまでの、もう少しの間、私は命をかけて学校に行く。


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