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一周回って持久走を増やしてみたら、win-win-winだった(ような気がする)
体育主任の皆さん、もう持久走の提案はお済みですか?
今回は、少し前(4年前)に前任校で体育主任をしていたときの取り組みとその思いをまとめてみました。
この実践が(と呼べるかどうか怪しいですが)何らかのお役に立てたら幸いです。
前任校の簡単な紹介
さて、実践の前にその学校の実態を少しだけ紹介しておきます。
1~6年生までが単学級でだいたい20人程度、全校120人程度の小規模校です。子どもたちはとても素直ですが、少し打たれ弱いイメージ。教員は担任に若手が多く、ベテランが特別支援や管理職という学校でした。
私は数少ない30代中堅として6年生を担任していました。
私が学校に来る前は、学校を出て、神社の周りを走る屋外のマラソン大会的な行事として行われていました。
私が赴任する数年前に、校内での持久走大会に変わったと聞いています。
校内持久走大会の難点
しかし、この校内での持久走は、経験された方ならおわかりの通りとてもやっかいです。ぱっと考えるだけでも数点の課題が列挙できます。
1つ目は、コースの問題です。狭い学校の運動場では周回せざるをえないので、運動場の大外にラインを引いたり、雑草を刈って道を整備したり等々・・・そして、最後にゴールに向けて曲がるところでの誘導ミスなど、本当にいやな思い出がたくさんです。
2つ目は、周回間違いの問題です。そもそも見慣れたグラウンドを複数回回るので、大人でも「今何周だっけ?」となるのを120人分、間違えずに実施するのはとても困難でした。
また、持久走に対する子どもたちのモチベーションは見事に二分していて、楽しみな子と、当日欠席、見学を繰り返す子とに分かれていました。
欠席、見学する子は、中休みの5分間走や試走は頑張れても、大勢の保護者が見に来る大会本番は耐えられないのです。
もちろん嫌だけれども頑張る子も大勢いました。
思案した結果
ここで、この持久走を改革しようと思案した結果、持久走大会を2回に増やすというアイデアにたどり着きました。
どういうことか説明します。
持久走大会その①
まず、持久走大会そのもののあり方を変えました。
具体的には、
低学年1000m、中学年1500m、高学年2000mだったものを、
低学年3分、中学年4分、高学年5分の時間走に変更しました。
(学習指導要領を参考に)
使用するコースは、校内の周回コースから、グラウンドの200mトラックの周回に変更しました。
このことにより、今まで本番との繋がりの薄かった中休みの5分間走にも本番につながる一つのモチベーションが生まれました。
また、どんなに遅い子でも5分間走ってさえいれば、速い子と同時に走り終わり、一人で走り続けることもなくなりました。
結果として、持久走大会そのものの盛り上がりには欠けたものの(盛り上がりが必要かどうかも個人的には疑問だが・・・)欠席、見学者の数は大幅に減り、何より昨年欠席したクラスの子の「時間内に4周走れた!」という笑顔の報告が嬉しかったです。
マラソン大会②
さて、持久走大会そのものは無事に終わり、今までのコースをラインカーで何度も引いたりすることもなく働き方の面からも、児童の満足度の面からも良かったのですが、一つ心残りがありました。
それは、先ほど6年生担任と書いたのですが、この持久走大会で1位になることを目標にしていた子の存在です。毎年、1位を争っている子の心には、「先生余計なことしてくれたぜ」という思いが募っていたことと思います。(実際にそうでした。)
そこで、持久走大会の数日後に、体育委員会主催(担当若手教諭に根回し)で4~6年生対象の「○○小最速はだれだ!?○○小マラソン大会」なるものを企画してもらいました。
主催:体育委員会
実況:放送委員会
賞状:運営委員会
ライン引き:体育主任の私(線を引くのは大会の1回だけ。過去の大会のコースを使用)
ここで見せた児童の姿は、まさにレース・競争でした。スタートからお互いに牽制しあい、勝負所でスパートをかけるなど、とても白熱しました。
本来、持久走大会では望ましくない、極端に人を意識した走りや、体力を温存してゴール前にスパートをするなどもこのレースでは勝つための手段としてとても潔く私の目には映りました。
結果として優勝した6年生のタイムは昨年よりも遅かったのですが、レースとしての見応えは、今年の方があったなと思いました。
スポーツをする、見る、支えるのバランス
最後の大会は、担任を通して
参加者:スポーツをする
各委員会:スポーツを支える
応援者:スポーツを見る
の存在を伝えてもらいました。
以上が、私が数年前に行った持久走の改革です。
この翌年に転勤したので、もしかしたら前のものに戻っているのかな・・・とも思ったのですが、持久走シーズンに後任の体育主任から連絡をもらい、取り組みの詳細を伝えたところそのまま実施されていたということで安心しました。
初めての長文で、実践を述べました。ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
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