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経年マンションの注意点

投資物件としてのマンション

前回は、投資物件としてのマンションの魅力』について話した。会社員が投資を考える場合、購入金額の手ごろさと利回り、時間的制約において、中古分譲マンションは魅力的である。
しかし、どのような投資にもリスクが存在する。重要なのは、あらかじめリスクを知り、対策を講じることである。
今回は、マンションの経年劣化によるリスクに着目してみよう。

マンションの寿命は?

まず、鉄筋コンクリート造のマンションの寿命は何年あるのだろうか?
答えは、メンテナンスによる、である。
国土交通省によると、鉄筋コンクリート造の建物としての耐用年数は120年、外装仕上げによっては150年まで延命可能である。しかし、それにもかかわらず、実際には平均68年しか使用されていない。

なぜか。マンションには、鉄筋コンクリートの構造体以外に、給排水設備やガス、電気などさまざまな設備があり、それらの寿命が数十年だからである。そのため、少なくとも数十年ごとのメンテナンスが必要である。この設備のメンテナンスを行わない場合、構造体の寿命まで建物を使い切ることができないのである。したがって、マンションの寿命は、メンテナンスによるのである。
投資物件として購入するのであれば、寿命の長い物件を選びたいものである。では、物件のメンテナンス状況を知るにはどうすればよいのだろうか。

マンションのメンテナンス状況を知るには?

購入前にメンテナンス状態の確認をする方法のひとつは、不動産会社に問い合わせて、管理規約等を確認することである。これにより、管理会社が入っているのか、管理組合による自治管理なのか、仕組みが分かる。また、修繕積立金や使途、修繕計画などがわかる場合もある。入手できた情報から、金額の妥当性について自身で検討し、適切なメンテナンスが実施できそうか、判断することが必要だ。なぜなら、修繕費不足で危機に陥るマンションが近年増加しているからだ。

もう一つの方法は、実際に現地に足を運んで、管理状況を自分の目で見ることである。敷地の手入れや清掃が行き届いているか、外観に目立つ損傷がないかを確認することで、実際の管理状況でわかる部分がある。例えば、計画上では行き届いた管理をうたっていても、ゴミが散乱し、雑草が伸び放題で、外壁にヒビが走り、塗装が剥がれ落ちたままでは、実行されていないことが明白だ。

経年劣化の兆候

経年劣化は、どの建物にも平等に訪れる。その兆候は、外観では、外壁のヒビや、塗装の剥がれ、色あせ、タイルの剥がれなどである。室内では、内壁塗装や壁紙などの仕上げはすぐに劣化が進む。
外壁の劣化は、大きさと同時に深さに注意すると良いだろう。深いひび割れから内部まで雨水が浸透すると、構造体など他の部分にまで影響を及ぼす場合があるので注意が必要だ。
しかし、これらはそれほど恐ろしくはない。なぜなら、目に見えているため、その物件の購入を中止したり、写真で記録して修繕を要求したりすることが可能だからだ。

本当に恐ろしい劣化とは

では、経年劣化で本当に恐ろしいのは何か。それは、目に見えない部分の劣化である。マンション建物内の壁や床、天井には、さまざまな配管や配線が張り巡らされている。それらの見えない部分の劣化を、マンション購入前に知ることが困難なことこそが、本当に恐ろしいのである。
見えないところを走る給水管や排水管の状態を確認するには、天井や壁をはがす必要があるが、果たして、購入を検討中にそんなことをしてまで対応してくれる売主はいるだろうか。
「大丈夫ですよ」の一言に、安心してはいけない。

次回は、マンションの管理について話そうと思う。ぜひ、こちらも併せてお読みいただきたい。

この記事は、辻監修の元、YoshikoGPTにて作成しました。

マンションeコネクト株式会社

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