あっと驚くキュウの伏線回収祭り


ずっと楽しみにしていた。
単独だから、ずっとキュウのネタを観ていられるのが何より最高だったなあ。
過去の単独についての解説動画だったりDVDも発売されているので、これまでどんな公演があったのかは観ていて、そこで衝撃的な伏線回収の技に度肝抜かれて、これは次の単独行くしかないと確信した。

過去の作品の中でも、私が一番衝撃を受けて感動した作品が第6回公演の「トルマキハトオ」。
これ、ほんとに凄くて。
まず、公演のフライヤーにある題名の文字が少し歪んで書いてあり、ここでまずん?と思う。
本編は一貫して、「大人ってかっこいいけど、ほんとの大人とはどんな人か」みたいなテーマがあって、これにそってお二人が思う様々な「かっこいい大人像」についてネタを通して話していく。長くなりそう。笑
一番はじめのネタは大人とかは関係なく、ツッコミの清水さんが酷いことを言うネタ。
ここでは、かっこいい大人とはかけ離れているように見える。そこから二本目に入っていき話は進んでいき、二本目以降のネタを観ていくと、最初にやった酷いことを言うネタが違うく見えるというトリックがある。
それをお二人は、結果と過程とおっしゃってた。
「ちゃんと過程を経れば、知れば、ただの結果も見え方が変わる」と言うようなマッセージが詰まっていて、これがお二人の言いたい「かっこいい大人」の理想像になっている。
ちょっと、凄すぎるよ。トリック、くぅ〜!!
というかもうYouTubeにお二人からの解説が既出なので、もはやこんなん要らんかった。笑

そしてここから今回の感想。
「初期の告辞」っていう題名からして、若干の違和感を感じてて、何か隠れてそうだなあと思いながら当日を迎えた。
でも分からん!みたいなムズムズ感を抱きつつ。
いざ始まると、最初の導入の映像で、箸やフォークだったり食べかけのプリンだったり、なんか題名からは想像もできなかったようなテイストのデザインがたくさん流れてきて、ここで余計に予想がつかなくなって、ワクワクが最高潮になる。

初期の告辞だから、お二人が色々な事を発表していくという感じで始まった。
ここからはあんまり長くしたくないが、お互いに打ち明けていなかった自分の事を打ち明けていく中で、まず清水さんがある言葉の部分だけをサイレントで話したところが印象に残ってる。
なんか絶対ある!と思って観てた。
結果的に、ぴろさんは実はハングリーマンでありずっとお腹を空かせていて、ぴろさんが食べちゃった部分であったというトリックで、すごー!!としか思えなかった。
単独だから、一本一本の漫才も実は全て繋がっているという、一つの演劇を観にきたような気分になった。
やばすぎる。
ハングリーマンに関しても、いきなりハングリーマンが登場したのではなく終始ぴろさんがお腹減ったーって言う伏線があって、見事にその回収になっている。
あれやこれやとラストで全てが回収されていく様は凄すぎた。
静かに興奮した。

漫才か漫才じゃないか論争をよく聞く。
私はお二人の単独を観て、凄い漫才師だー!と感じる。
私が思う漫才師は、ステージに立って、その人達にしかできない話芸やステージングで人を笑わせる人。
だからキュウのお二人は私の中で誰よりも漫才師、表現者。
そして今回実感した事が、お二人は言葉にのせる表情と間が凄く魅力的だという事だった。
スタンドマイクから離れる事なくただただ会話を広げていくだけなのに、表情や言い方や間で色々伝わって、面白いのが凄い。
単独行くの初めてでしたが本当に行って良かった。

それでは。





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