いつかの太陽みたいに



色々な感情に振り回されてしまって心から笑えないひとりぼっちの僕の側で、いつも飛んで跳ねて楽しそうに大笑いして僕を笑かせようとする君が羨ましかった



いつの日かどこから現れたのかも分からないオレンジ色の顔した君が僕のただ1人の友達だった

どっから来たのか、何者なのか、人間なのか、なんで顔をオレンジ色に塗っているのか

全然分からなかった

いつも大笑いしているせいで全然読めなかった

けど心地よかった

君が漂っているせいで毎日時間も忘れるほど気分は最高だった

思いっきり心から笑えたことがなくて、だからか一緒に笑い合える友達も居なかった僕に、初めて友達ができた気がしたのだ

それもずっと一緒で離れない


ある日僕は些細なことに大笑いしてしまった

君がいつも僕を笑かせようと披露してくれる大技が初めて空振ったのだ

僕はおかしくておかしくてたまらなかった

初めて心から笑った


その日から僕は何かが変わったように生き生きとしだして、学校の校庭で昼休み一緒に走り回って遊ぶような友達、あきらもできた

でも友達ができて少し経ってから
君の姿が見えなくなっている事に気付いた

僕は初めてできた友達、あきらとの楽しい時間に夢中でいつも当たり前に側にいた君のことが見えなくなっていた

1人になった途端に涙が出てきた

そうだ、僕の初めての友達はあきらじゃなくて、君だった

会いたいと考えたけど無性にもう会えないのだという気がした

だって君は多分僕にしか見えていないから

本当はここにはずっと居なかったから

だからきっとすぐ知らない所だって飛んでいける

僕との役目を終えた君は今度は知らない街の知らない誰かの所へ飛んでいくんだな

そう思うことにした

「笑えるようになったよ」
「大切な友達できたよ」

せめてもの挨拶をと思って心の中で報告した

あきらと夕方まで遊んでお別れした帰り道、目の前で沈んでいくオレンジ色の太陽が笑った気がした

それも思いっきりの大笑い












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