📕オリジナル超短編脚本『💌巡詩💌MAWASHI』 課題:忘れ物
シナリオ・センター基礎科146期卒業生、現在は研修科受講生です。
オリジナルの脚本です。
基礎科の初期の時に書いた「忘れ物」の課題の「巡詩〜まわし〜」を掲載します。
ぜひご高覧ください。
今後も、随時オリジナル脚本を掲載していきますので「スキ」や「シェア」どうぞよろしくお願いします!コメントには必ずお返し致します。
あらすじ
当時はそこまでインスタ等SNSでブームではなかった「短歌」による交換ラブレターがテーマです。
舞台は青山にあるシナリオセンター。
夜シナリオ養成講座基礎科が終わった後の男女の異なる環境・個性の男女がひとつの忘れ物である「詩」ラブレターのように巡していくストーリー。
前書き
僕は俳句が大好きで得意。伊藤園のお〜いお茶にも3年連続佳作特別賞受賞し、ペットボトルにも3年連続載っています。
まだ、書き始めて間もない僕の身近でありながら老若男女がシナリオの技術を夜に学びにくる不思議な環境「シナリオセンター」で当時一度だけ経験した「連歌」と「恋歌」を連想して書いた超短編脚本。
ただ、この寒い季節に読んだらあの当時を思い出し、結構好きな脚本だなと思い載せます。是非ご覧ください!!
『💌巡詩💌MAWASHI』
人 物
渡辺学(35)弁護士
南ナナ(17)パンクロッカー
本文
○シナリオセンター(夜)
渡辺学(弁護士バッジをつけ、分厚いメガネをかけている)は、南ナナ(17)(金髪刈り上げ銀色のコンタクト)と一緒に同じテーブルで授業を終えた。テーブルには渡辺が忘れた白い封筒の手紙が置かれている。
南「ちょ、あんた忘れ物……」
渡辺に声を掛けようとするも既に渡辺は帰ってしまっていた。
◯南の自宅(夜)
オーディオからパンクロックが流れている。タバコに火を付け咥えながら、
南は封のされていない手紙を読む。
渡辺の声でナレーション
「まだ湿る髪に秋風 火照る頬 歩幅知らずに君の香を嗅ぐ」
南はニヤニヤしながらタバコを灰皿に押し付けて、手紙の続きを書く。
南の声でナレーション
「言いかけて沈んだ言葉の色彩は 秋の夜空の黒を織り成す」
◯シナリオセンター(夜)
渡辺と南は同じテーブルに座っている。
授業が終わり帰り際に南はニヤニヤしながら手紙を渡辺に乱雑に投げて渡す。
南「おい、これ、忘れ物」
◯渡辺宅(夜)
クラシック音楽が流れている。ベッドの上で渡辺は手紙を開ける。自分の手紙の続きが書いてあることに驚き分厚いメガネを外しベッドから勢いよく起きて、テーブルに向かい手紙の続きを書く。
渡辺の声のナレーション
「自分で紡いだはずの音は どれも音に出すと違くて」
◯立ち飲み居酒屋(夜)
南はタバコを吸いながらハイボールを飲みながら手紙の続きを書いている。
南の声のナレーション
「だから100万回言おう。言葉が私を満たすまで。言葉が君を満たすまで。」
◯渡辺の自宅書斎(夜)
渡辺はテーブルに向かい手紙の裏面いっぱいに「愛しています。」と赤いペンでひたすら書いている。
終
最後まで読んでいただきありがとうございました!!!!
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是非ご覧ください!ひとつは気になる作品が見つかるはず!!
https://note.com/fine_macaw394/n/n82e77e810373
粕谷 経 OSAMU KA|SUYA
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