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悔いの雫


傘やら
小川やら
木の葉やら
雨音の混沌に
降りこめられて
夕暮れの道
ひとり

丸めた背に
ひょいと乗っかり
じんわり溶け込むもの

雨季の感傷癖は
どこやらに置いてきたはず

こころの
窓を打つ雨が
斜めに流れ
赤い雫が
音もなく砕け
水滴が跳ねた

深く傷つけた
そのことに何年も気づかなかった
恨みを聞かされたわけではない
年月を経るうちに分かってきたのだ
今となってはもう償えない
今になっても謝罪する度胸がない
密かに許しを請い
悔やむだけだ
もう過ぎたことと
笑顔で許してくれるかもしれない
それを期待する
醜悪なエゴ
笑顔の仮面の下には般若
分かっている
いや
分かっていない
欺瞞に塗り固められた
この小心者には

せめて願う
幸せに暮らしていてほしいと

この願いとて
自己救済のため――
ではないのか







△▼ ▲▽ △▼ ▲▽ △▼ ▲▽

みなさん、いかがお過ごしですか。
今年も蒸し暑い日々がやってきました。
体調に気を付けて、お互いに夏を楽しみましょう。

今回のテーマは、雨の雫から触発された思いです。
悔いは、雫のようにいくつも湧いてきます。
どこにこんなにも蓄えられているのか。

来週も水曜日か木曜日に更新する予定です。
また見に来てください。
私もみなさんのページを訪ねます。


◆◆◆  ◇◇◇  ◆◆◆  ◇◇◇

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