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岩屋観音の来歴 1


もこんもこんもっこん
大地を裂いて現れ出たような
ごつごつごっつん岩山の
頂きに立つ聖観音像
南東の旧東海道宿場方面を
見晴るかす

「かすむ日や
 海道一の たちほとけ」
  (近世 吉田の俳人
     古市木朶の句)

さらさら
若葉風に撫でられ
ぎらぎら
太陽に焼かれ
ざかざか
大雨に打たれ
きりりきりり
寒風に晒され

岩屋観音
豊橋市の東部
二川地区西端の
ランドマーク

天平2年(730)
諸国遍歴中の行基が
岩屋山の麓を通りかかったとき
ビビビッと霊気を得た
岩穴に手ずから彫った
1尺1寸の千手観音を
安置したという
この山は
亀がうずくまつているように見える
亀見山(きけんざん)と名づけよう
岩屋観音の由来だ
頂きの濡れ仏は
明和2年(1765)建立
今ではこちらの立像が
岩屋観音のシンボルになっている

岩山の麓には
巨大な手に抉られたくらいの洞がある
行基上人ほどではないが
この翳りに浸れば
私にもビビッとやってくる
生物を惹きつける何かを宿している

聖観音立像の直下の岩肌は
鏡石峯と呼ばれる
仏教の影響を受ける
さらに以前に遡れば
陽光に輝く岩山は
土地の人々に
目映く崇められていたのだろう

今日でも
例祭に参集する人々がある
鏡石峯の上の観音に祈願する人々がある
鐘を響かせて観音に呼びかける人々がある
遠くから観音を望み
手を合わせる人もある

       (続く)







△▼ ▲▽ △▼ ▲▽ △▼ ▲▽

猛暑続きのお盆休みに、
大型台風が関東から東北に影響を与えました。
16日は東海道新幹線もストップ。
みなさんの地域は大丈夫でしたか。

被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。


今回は、地域の文化、歴史をテーマに扱いました。
岩屋観音は岩山の頂きに立っており、
歴史のある文化財です。
このテーマを取り上げたことには、訳があります。
以前に紹介した、
私の住む地域に高架産業道路を通すという国土交通省の計画が、
住民への説明会開催の要求にすら応じないまま、
どんどん進められていて、
岩屋観音の辺りはインターチェンジ建設予定地になっています。
国の計画を実施する、愛知県の都市計画課などは、
先日「基本方針」と「評価方法書」を発表し、
やっと豊橋市で説明会を開きました。
が、この説明会はすでに計画に組み入れられたもので、
次の計画段階に入る「手続き」です。
それでも、説明会の質疑では、
私たちの地区を通るルートに反対の発言が多かったです。
今は、「基本方針案」と「評価方法」に対する「意見書」を県知事に
提出してもいい期間になっているので、
「道路を考える会」の仲間も知恵を絞って書いていると思います。
地域住民にきちんと知らせることもなく、
この地区に道路を通すのでよろしく、っていうのは、
ひどいやり方です。
というわけで、地域の人々に親しまれている岩屋観音とその景観を
あらためて見つめなおしてみたいと思ったのです。

関心のある方は覗いてみてください。


来週も水曜日か木曜日に更新する予定です。
また見に来てください。
私もみなさんのページを訪ねます。



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