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【認知症介護メモ】気圧が影響?水頭症の認知機能、良くなったり悪くなったり

この1カ月間のはなし

なかなか新規記事がアップできずの約1カ月間。仕事が忙しかったことはもちろん、認知症の母も総合病院に通ってMRI,CTの撮影と診断を行ったため、休日がなくなってしまいました。やっと落ち着いたので、そこで得たことをまとめておきます。なお、以下に書き記す内容は、主治医からの説明や、実際の母の症状、行動、家族の実体験です。医療的・専門的な観点では説明が不十分なところもあるかと思いますが、1つの例として、「SaitoLeeの母の場合は」という前提で読み進めていただければ幸いです。

突然、姿勢がおかしくなった

母は、私のプロフィルでもお知らせしているとおり、くも膜下出血の後遺症で、水頭症(※①)となり、シャント(※②)をいれて生活しています。(※①=脳にたまった脳脊髄液が脳を圧迫することで歩行障害、認知機能低下などがおこる病気)(※②手術でカテーテル・管を入れ、脳にたまった脳脊髄液を排出し、脳の圧迫をなくしてさまざまな症状を改善する方法)

6月初旬、急に母は、左肩を下げて歩くようになりました。主治医からは「足を引きずって歩くようになったら、水頭症が悪化しているサインだから、すぐに病院に来てね」と言われています。ただ、足は引きずっていません。本人に聞いてみると「肩は下がっているけど、肩を上げてといわれてもあがらない」とのこと。痛みはどこもないといいます。

それから1週間は様子を見ていましたが、歩き方は変わりません。認知機能の低下(自宅なのに「自分の家ではない」と言って部屋の荷物を一カ所にまとめる、洗濯物が乾いていなくても畳んでしまうなどの異常行動)が続いていました。ただ、認知機能の低下は、短期間で2度の引っ越しによるパニックが続いているという見方をしていました。

主治医の元へ シャント調整行う

その状態でもデイサービスには通っていましたが、スタッフさんから「左への傾きが気になる。頭の中がなんともなっていなければいいけど」と不安の声が寄せられ、私も「不安は取り除けるうちに取り除こう」と、総合病院の主治医の元へ連れて行きました。

早速CTを撮影したところ、液が脳の中にたまりすぎていることが分かりました。シャントは機能しているのですが、液を流しやすくしたり、流しにくくしたりする調整がうまくいってない状態だったのです。これは、シャントの装置のダイヤルを遠隔(たしか磁力)で調整することで改善しました。「調整してすぐに効果はでないので、2週間様子をみたい」と言われ、病院を後にしました。

認知機能 ”乱高下”

ただ、すぐに効果が出たのです。調整後3日間、認知機能が改善しました。数字でシャント調整前の認知機能の悪さを100と表現すると、30くらいに軽減したのです。具体的には「家に帰る」という一連の行動がなくなりました。1度言えば、物事を覚えてくれるようにもなったのです。

ところが、4日目の夜に突然、認知機能の悪さが100に戻りました。まるでスイッチがOFFになったかのように。突然の変化は「病院にきてね」と言われていたので、調整から1週間後、再び総合病院へ行きました。MRIで新たな脳梗塞や出血がないかを調べましたが、異常はありませんでした。

”乱高下”は気圧の影響か

これらのことで、私の中で仮説が立ちました。それは「水頭症の認知機能は、気圧が影響する」ということです。以前から、晴れて気圧が高くなると認知機能が改善し、くもりや雨になって気圧が低くなると、認知機能が低下する傾向がみられたのです。

これに気づいたのは、私の趣味の腕時計。最近、スマートウォッチにはまっていて、気圧計が内蔵されているタイプを使っています。その記録を見ると、シャント調整した日から3日間はよく晴れて、気圧も安定していました。ところが4日目の午後、雨が降りました。その日の夜に、認知機能が低下し「そろそろ家に帰る」と荷物をまとめだしたのです。

水頭症と気圧と認知機能の関係。インターネットで調べても納得できる回答がありません。シャント調整から2週間後、3度目の主治医の診察で聞いたところ「装置の機構上、気圧の影響を受けることは考えられる」とのことでした。ただ、気圧の変化で水頭症が一時的に悪化し、認知機能の低下が起こるかについては、わからないという回答。そもそも、水頭症が悪化したとしても、さまざまな影響が出るのは、ある程度日数がたってからで、スイッチのON・OFFのようには出現しないとのことでした。この日はCTを撮影して、シャントの調整がうまくいっていることを確認し、帰宅しました。

理由があると、割り切れる

現状、認知機能の悪さは、気圧の変化で40から70の間を行ったりきたり。歩き方は、前よりも少し改善したようにみえます。つまり、今回の件では、母の水頭症は今が一番いいあんばいで、これより変な動きになったら、水頭症の悪化を疑えばいいという基準ができました。気圧の件も、医学的・専門的な観点では明確な答えがありませんが、「今日は気圧が低い(または、乱れ気味だ)」と、認知機能低下の理由としてみると、介護する家族も「仕方ないなぁ」と思いながら、母と接することができます。何か理由があれば、物事を割り切って考えられるので、結果、ストレス軽減につながっていることは確かです。もちろん、晴れたら気分がいいし、雨が降ったら気分が下がるという一般的な心理の面が、認知機能に関係しているという見方もありますが、認知症は百人百様。うちの母にあった介護・対処方法をこれからも続けていきます。


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