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目標(古典語で日記を書く・第三者が見てもわからない自分だけの秘密の記録をつくる)方法(単語を覚える→簡単な例文を暗誦する→練習問題をこなす・並行して文を創作する) 古文作文 その1 (助動詞篇①)今回おぼえてほしい例文① サクラ 咲き き ② サクラ 咲き けり ③ 今夜は 十五夜 なり けり ④ サクラ 切り つ ⑤ サクラ 散り ぬ ⑥ サクラ 咲き たり⑦ サクラ 咲け り 

目標(古典語で日記を書く・第三者が見てもわからない自分だけの秘密の記録をつくる)

方法(単語を覚える→簡単な例文を暗誦する→練習問題をこなす・並行して文を創作する)

古文作文 その1 (助動詞篇①)

今回おぼえてほしい例文
① サクラ 咲き き ② サクラ 咲き けり 
③ 今夜は 十五夜 なり けり ④ サクラ 切り つ 
⑤ サクラ 散り ぬ ⑥ サクラ 咲き たり
⑦ サクラ 咲け り 

外国語の学習で、動詞が原形、現在形、過去形と活用するのはご存じですね。古語も同じように「活用」が考えられています。日本で「活用」という用語が使用されたのは江戸時代で国学という学問を説いた「本居宣長」という人が最初のようです。

「咲く」という言葉は「花が開く」という動作をあらわしています。こういう 動作や存在を表す言葉(詞) を動詞と言います。

「動」は動作で、「詞」はコトバという意味です。動作をあらわす言葉が、動詞です。
動詞の例をあげてみます。咲く・見る・起く(起きるの古文での形)・蹴る・受く(受けるの古文の形)来(く・来るの古文の形)為(す・するの古文の形)・死ぬ・あり(あるの古文の形)などです。
存在をあらわす動詞「あり」の「り」をのばすと「りーイ」となりますが、これ以外の動詞は言い切りの形が咲くなら「く~ウ」となり「ウ」の音で終わるという特徴があります。

これらの動詞は、その語の後に続く言葉に合わせて 語尾が変化 します。意味や機能によって変身するわけです。

例えば、動詞の「読む」という単語であれば、その後に「ず・たり・ば」などが続くと「読 ま ず」「読 み たり」「読 め ば」などと、同一の動詞であるにもかかわらず語の後ろの形が変化します。
読む プラス ず →  よま  ず
読む プラス たり →  よみ  たり
読む プラス ば →  よま  ば・ よめ  ば このことを活用といいます。このとき、「読・よ」の部分は常に変化していません。
変わらない語句 を「語幹・ごかん」といいます。また、活用によって 変化している、「ま」「み」「め」の部分 を「活用語尾・かつようごび」と呼びます。   

「第一回目の必覚事項」 以下の言葉を五回以上音読してください。すらすら言えるまで何回もくりかえしてください。
★「 みぜん・れんよう・しゅうし・れんたい・いぜん・めいれい 」

教室で「咲く」という「動詞を活用させよ」と言われたら、

・未然形→ず につながる形
・連用形→たり につながる形
・終止形→文末の「句点 。」で終わる形
・連体形→名詞につながる形
・已然形→ど につながる形
・命令形→「れ・へ・め・け・ね」の形

を作れと言うことです。まとめると「ず・たり・。マル・名詞・ど・命令でレヘメケネに続く形を考える」ということです。
         
    咲か →ず
    咲き →たり
咲く  咲く →マル 。
    咲く →トキ
    咲け →ど
    咲け
   

さて、今日の例文について考えます。

① 「桜の花が咲く」「さくら咲く」という文があります。この文を「桜が咲いた」という文に変えると「今日でなく、昨日桜が咲いた」という形になります。
外国語風に言うと過去の時制に変えるということです。「ed」を付加して過去にする英語と違い、日本語では助動詞と呼ばれる語句を用いて過去であることを表現します。使用する語句は「き・けり」です。実はこの「き・けり」も活用するのですが、今は考えないでください。

さて「き」を付けてみます。「桜咲くき」となります。何かおさまりが悪い感じがするでしょう。現代語でも「咲くた」とは言わず「咲いた」です。そう、ここで活用が必要となるのです。「き・けり」は動詞の連用形に接続するというルールがあるのです。咲くの連用形は何でしょう。「咲き」です。結果は「咲きき」です。「桜が咲いた」は「サクラ咲きき」なのです。

先ほど、触れた助動詞の活用も書いておきます。ざっと見て「ふ~ん」程度で結構です。参考(咲きせば・○・咲きき・咲きし時・咲きしかども・○)

② 「き」がわかれば「けり」は楽勝です。同じく連用形接続ですから「サクラ咲きけり」です。

    参考(咲きけらず・○・咲きけり・咲きける時・咲きけれど・○)
  「咲きけらず」ではなく「咲きにけらず」という形がほとんどです。

③ 「けり」には別の用法があります。

物事に深く感動すると「わあ~だなあ・すばらしいなあ~ことよ」と思わず言葉に出ることがあります。この用法を「詠嘆・えいたん」と言います。この用法は主として俳句や短歌で使われます。普通の文であっても、今まで忘れていたのに「はっ」と気がついたときなどに「なりけり」と言う形で「詠嘆・けり」が使われることがあります。「なり」は現代でも、よく耳にします。「である」という意味です。接続は「名詞・連体形」です。「十五夜なり」は十五夜であるという意味です。

「なり」も活用します。
(なら・なり・なり・なる・なれ・なれ)と活用しますので連用形は「なり」です。

結果は、今まで忘れていたが気がつけば「今夜は十五夜なりけり」です。 →デアッタコトダナア

④ 次は完了の「つ・ぬ・たり・り」です。

「過去」と「完了」では何が違うのかは生徒からよく聞かれる質問です。英語では現在完了と過去は、そもそも「have プラス 過去分詞」というように形が違いますし、同時に用いられる副詞alreadyなどで判別は容易かと思われます。
現代語で① 課題はもう終了した。(完了) ②課題は昨日終了した。(過去・誰かに報告している文)である
と説明しても「よくわからない」でしょう。

過去(き・けり)は「物語あるいは回想の中」で使われています。

その回想、物語を執筆している「作者の今の時間」との違いを明確にしている表現だと言えるでしょう。

では、完了は、どういう表現か。

作者が執筆する前が「過去」であり、執筆中が「現在」、執筆以後が「未来」です。

「過去」「現在」「未来」この三つの空間・時間を念頭に置きながら、これらの状況がどういう関係を持っているかを表現するために考え出されたのが「完了」という用法かと思います。


この三つをA・B・Cという容器・箱だと考えて、AがBより以前に起こり終了してしまったという判断が「つ・人為的な動作に使われる」、Aに始まり、引き続いてBで継続して起こっている状況が「たり・り」Aでその事態が始まってしまった、その結果がBを支配しているという確認が「ぬ・自然現象・秋の到来という動作が終了し、これから秋という季節の状況が始まる。」実は現役の高校の先生もよくわかっていない、うまく説明出来ないのではと思います。

閑話休題 

「つ・ぬ・たり」は連用形接続です。「り」はサ変動詞には未然形、四段活用動詞には已然形に接続します。サ変動詞と四段活用の動詞にだけ接続します。

★「リカ」ちゃん「さみしい・サ未四已」と覚えます。

「桜を切ってしまった」は「さくら 切る つ」ではなく、連用形接続ですから「切りつ」です。
 参考
(散りてば・散りてけり・散りつ・散りつる時・散りつれども・散りてよ)

⑤ 次は「ぬ」です。

同じく連用形接続ですから「サクラ 散り ぬ」になります。
参考
(散りなば・散りにけり・散りぬ・散りぬる時・散りぬれども・散りね)

ちなみに「連用形」を考える場合、★すぐ次に続く形は「て・テン・き・けり・つ・ぬ・たり」または「デス・マス」であると覚えます。

⑥ 次は「たり」です。

「てあり・咲きて あり」から変化したと言われています。連用形接続です。桜が咲いている。「サクラ 咲き たり」

参考
(咲きたらば・咲きたりけり・咲きたり・咲きたる時・咲きたれども・咲きたれ)

⑦ 「り」です。

これは「あり」の変化したものだとされます。接続が変わっています。思ふ・あり→ 思ひ あり→ 思へ り

桜が咲いている。「桜 咲け り」★已然形の見つけ方(命令の形で叫んでみる。 咲く→ 花よ  咲け~。

参考
(咲けらば・咲けりけり・咲けり・咲ける時・咲けれども・咲けれ)

 

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