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渋谷のクラブで出会った男

とあるアーティストがDJをするというので、夜の渋谷へ繰り出した。
私は中学の時から「音楽が聴ける場所」に通っている。
当時はスクールバックに私服を詰め込み、放課後は渋谷に直行した。
そして現在ははルミネで購入した紙袋を片手に出勤。
退勤後「オフィスカジュアル」という謎の服装を脱ぎ捨てる。
クラブにつくとハイボールを注文しゆらゆら揺れていた。
深夜2時、DJブースの前も人が少なくなり、後ろのソファーでは
力尽きてダラダラする人たち。
私はたまたま好きな曲が流れていたので元気に踊っていると、
隣からぬるっと声をかけられるた。話しているとその男は「自称ラッパー」らしい。見た目は背が高くてやけに肌がつやつやしていて澄んだ目をしていた。
音楽の話をした。私はSUSHIBOYS(ラップユニット)が好きだと伝えると、
DJのビートに合わせてその曲を歌ってくれた。
これはドキっとする。。。
そんなこんなで来週高尾山に上る約束をして別れた。

次の週、駅で高尾山口駅で待ち合わせ。
明るいところでみると肌の白さと瞳澄んだ目がより一層際立って見えた。
好きなゲームの話とかしながら歩いた。
登山が終わり、夕飯を食べ終えた私たちはカラオケにいった。
好きな音楽をラップしてくれるのでめっちゃ楽しい。
男はつらいよのテーマソングを歌い終えたあたりで良い雰囲気になってきた。(曲のチョイス謎だよね。)
彼は煙草を吸うために外へでた。もどってくると明らかに違法な匂いがした。が気が付かないふり。
外へでて帰ろうかせとぎわを楽しんでいる。
人気のない大道りをしばらく歩いていると、横に歩いていたはずの彼か消えた。突然いなくなった。
道の後ろにも前もよく見渡せる場所なので、唐突に走り去ったとしても
私がいる場所からは見えるはずなので一瞬のうちで色々な思考がめぐった。
高尾駅近くの道を散歩していたので、両脇には山がある。
その脇の小道の億に彼はいた。とあるものを片手にもって。
肌の白さといい、澄んだ目と言いこれは依存症だなっと悟った。
なんかめっちゃどうでもよくなった。
勝手に一人で気持ち良くなられるのってすごい疎外感だし。
家の中でしてほしい。しらんと帰りの電車にのった。
彼との会話や出来事の中ではなんとなく密度の濃い時間が流れていた気がする。だからといって私が彼に興味をもつことはないけれど。


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