奇跡のインド8
インド到着3日目。この日からは本格的に滞在メニューが始まる。アシュラムには合計5泊する。いったいどんな滞在になるのだろうか。
まず朝5時に、各自ホールに集まるように指示される。よくわからないまま、辺りが暗い中、同室のSさんと一緒にホールに向かう。
ホールの中は、正面の祭壇みたいなところだけが明るくて、私たちが座るところは、照明がないので暗い。時間になるとまず、偉い人がキールタンという歌の音頭を取り、参加者たちも、それに続いて歌うということが繰り広げられる。ジャヤガネーシャという、私も予習したことのあるキールタンで、なにせ偉い人の声が素晴らしい。声がいいから音頭を取る係に選ばれたのかな、と思ったりする。節はついているものの、お経みたいにも聞こえる。
しかし、私はキールタンがどこでどのように使用されるのか、事前に知らなかったので、ちゃんとさらってきていない。したがって、全然唱えることができない。まじめに予習しなかったことを、心底後悔したが、あとの祭りだ。
キールタンが20分くらい続いたあと、沈黙となる。次の係の人に変わるのかな、と体育座りで待っていると、いつまで経っても誰も来ない。それでようやく、瞑想の時間になったのだと気づく。仕方ないので私も瞑想するが、唐突過ぎて集中はできない。
それでも、この儀式の澄んだ空気感は、高野山の雰囲気によく似ているな、と思う。高野山でもたしか、朝は早く起きてお経をあげて瞑想する。そして今も生きておられる弘法大師に、毎朝お食事をお届けするのだ。
そんなことを考えているうちに、瞑想の時間は終わったようで、またキールタンが始まる。少し続いたところで会が終わる。6時ころになっているので、外は少し明るんでいる。
いったん宿舎にみんなで戻り、部屋に戻って各々ヨガマットを持参すると、今度は宿舎内のホールに向かう。そこでアーサナ、いわゆるヨガをやる。
このホールというのが、実に気持ちのいいところで、眼下にガンジス川や山が見える。ヨガを教えてくださるのは、現地の偉い人ではなく、院長先生だ。
私はふだん、オンラインでしかレッスンを受けないので、リアルの院長のレッスンを受けるのはこれが初めてだ。やっていること自体は、いつも受講している内容と変わらないが、生で受けるのは感慨深い。
アーサナが終わると7時半ごろから食堂で朝食をいただき、そのあとは部屋に戻って少し休憩する。
11時になると今日は、朝キールタンをやったホールで、スワミジ(偉い人)のお話を聞くのだという。
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