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恵みの島、奄美 11

黒潮の森マングローブパークを出ると、あとは一路空港に向かう予定だった。しかしこのままいくと、いくらなんでも早く着きすぎるので(フライトは夜の6時15分発だが、空港には2時ごろ着きそうだった)、時間調整することにする。

この日は朝、雨が降っていなかったのでヨガクラスを受けることもできたし、マングローブパークに行った時にも、降ってはいなかった。
しかしマングローブパークを出発してほどなくすると、雨が落ちはじめる。マングローブ生息地のあたりは、もともと雨が多いと聞いていたし、その向こう側の空は明るかったので、そのうちやむのではないかと思った。事実途中で雨は上がったのだが、空港に近づいてくるあたりで、また雨が落ちてくる。
それでも、あやまる岬はガイドブックなどでもよく紹介されているスポットだし、なにせ空港から近いので、行ってみることにした。

あやまる岬は奄美十景に数えられるという名所で、要するに海の綺麗なところであるようだ。雨が降るなか行くのには、本来向かない場所であろうが、そうも言っていられない。
ナビに従って行くと、駐車場に到着するので、そこで車を停める。駐車場から下を見ると、綺麗な色の海のところに、桟橋のようなものが浮き出ていて、しかもそこに人がいるので、どうやら渡れるようだ。私たちも行ってみることにする。

桟橋にたどり着くためには、岩に足を掛けなくてはならず、雨の中では滑りやすく不安定だ。そして桟橋の上に乗っても、ツルツルと滑る。おそらく満潮の時は、この桟橋は海の底に沈んでいるのだ。潮が引いている時だけ登場するので、コンクリートなのに、苔がなにかでツルツルしているに違いない。
そんな思いをしてせっかく登ったのだから、海の中を見てやろう、と思う。しかし、魚はいない。天気がよくないとはいえ、水の透明度は高いので、魚が見えてもおかしくないと思うのに、水深が30センチくらいしかなさそうなので、浅すぎるのだろうか? 
なんとか魚を探したいと目を凝らしていると、ようやく青くて小さな熱帯魚を3匹見つける。見つけた喜びに浸ってしばらく見ていると、別な種類の熱帯魚も居るのに気づいた。なにせ水は綺麗なのだが、風が強くて水面が揺れるので、水中を見通しにくいのだ。
それでもなんとか熱帯魚を発見することができた私は、すっかり満足して、あやまる岬を後にすることができた。

天気はよくないが、海は綺麗なところだった

あやまる岬から引き返すと、給油をしてレンタカーを返しに行く。まだ3時過ぎのことだ。フライトにはちょっと早すぎるが、遅すぎるよりはずっといいということで、空港に向かう。

空港では、スカイマークのチェックインカウンターの係員に、搭乗手続きは出発2時間前の4時15分からだと言われる。仕方がないので、空港内を探検したり、売店を見て回ったりしたが、限界がある。なにせ売店は出発ゲートに四つ、到着ゲートに一つしかなく、ゆっくり見るのにも限度があるからだ。
なんとか時間を潰し、チェックインが開始になると同時にチェックインする。特に鹿児島羽田間は、すでに埋まっていてほとんどまともな座席は残っていないが、その中から2人で並んで座れる座席をなんとか選んで、搭乗手続きを終える。
そのあとは出発ロビーに唯一あった飲食店で時間を潰す。ジョイフルという、ファミレスみたいな店だ。九州由来の店か何かだろうか。
5時を過ぎると、ラストオーダーだと言われて驚く。ちょっと早すぎるのではないかと思うが、どうしようもない。夫はすかさず追加でオリオンビールを注文していた。〈12へ続く〉

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