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モーツァルトのレクイエムを歌う 1

モーツァルトのレクイエムに合唱参加した。このたび本番が終わったところだ。
本番が終わるといつも、興奮がしばらく抜けず、そしていわゆるロスになる。今は舞台の余韻が醒めやらぬ状態で、これを書いている。指揮者が西本智美さんだったことも、今回の参加を決めたきっかけになった。本当はヴェルディのレクイエムをやろうと思って探していたときに、ちょうどこの企画にヒットして、これだ、と思った。

12月の今回の舞台のための合唱練習が始まったのは、2月のことだった。初回の練習では、都内某市内の某施設に集まって、結成式と実際の練習を行った。その際、あまりにも団員が大勢いたことに驚いた記憶がある。まだコロナの影響も残っているさなかだったのに、すごい数の合唱参加者が集った。なにせ今回は、300人規模の合唱団で臨むと言うのだ(最終的には200人規模に落ち着いたようだが)。
そしてその日集まったのは、合唱団の人数の一部。人数が多いので、前期と後期に分けて団員の募集をかけるのだという。つまり実際にはもっと参加者がいるのだ。みんなコロナのあいだ、合唱がまともにできずに、このような機会を心待ちにしていたんだろうな、と私は思った。

そして初回の練習から、レベルが高いのに驚いた。初回はソプラノ(ちなみに私はソプラノを歌う)とバスだったかテノールだったかと、アルトともう一方の男性パートと、二つの組に分かれて、歌詞の読み方から音取りからやったのだが、経験者が半分くらいいるらしく、いきなりみんな歌えるのだ。私はオペラの合唱もやるし、プロのオケや著名指揮者と歌ったことも複数回あるので、いわゆる初心者ではないのだが、それでも、初見でいきなり周りの人たちが歌えるさまを見て、付いていけるかな? と思ったほどだった。でもまだ2月だし、本番は12月なんだから、慌てることないよね、といつもの調子で根拠のない自信を持ったのだった。

管弦楽を伴う合唱には、合唱指揮者という、縁の下の力持ちの象徴みたいな人がいて、本番までの地道で地味な合唱指導をしてくださるのが常だ。今回は合唱指導者がお二人いらして、その先生がたも素晴らしい感じのかただった。せっかく乗りかかった船だし頑張ろう、と思ったのが、まだ寒い2月のことだった。

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