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帰国の日

10ヶ月という留学生活は私の常識を簡単に覆し、
初めて経験することや感覚、趣味などを経験することができた。

1番私が学んだことは「ひとの話を聞くこと。」
これはホストブラザー(次男)から学んだこと。
今までは他人に興味がなくて、そのくせ一人にしてほしくなくて
妹からは「人間がきらいっていう空気だしてた」と言われるほどだった
私だからこそ「人の話を興味を持って聞く」ということはとても
大きくて、大切なまなびだった。

今でも人の話を聞くときは1本の映画を見るような感覚で
聞いているところがある。(意外と楽しい。感覚が入り込みすぎてたまにつらくなるけど。)


帰国当日は直前に仲良くなった子とファミリーが見送ってくれた。
最後の写真をできればホストファミリーと撮りたかったけど
はいりこまれてしまい何も言えないままだったのは秘密の話。
コーディネーター兼、サポートの人とも挨拶ができた。

成田空港に帰るまでにサンフランシスコでトランジットをする。
出発の時よりもなんとかなる気がしていて、
すこし自信がついた。

「ありがとう」、「また会いましょう」と感謝を伝えた。
愛のある家族に恵まれたこと、また会いにおいでと言ってもらえたことが
楽しいばかりではなかったこの生活をそれでも何とかくじけず、あきらめず
乗りこえた自分をほめようと思った。

長いフライトもトランジットの時間も、
時差ぼけも気にせず寝たり、起きたりを繰り返し
ようやくついた日本。

父さんが迎えに来てくれて、成田エクスプレスに乗った
初めて目にしたニュースはパク・ヨンハの自殺、
(今この文章を書いている私も32歳。6月。なにか意味があるのかな
こういう偶然をみつけるときになってしまう。)
AKB48というポニーテールにシュシュをつけてビキニで
踊っているアイドルがはやっていることだった。
(なにがあったんだ日本・・・)


今ほどインターネットが発展しておらず、自分が閉じれば
本当に日本のエンタメについては遮断された状態だったので
もう頭の中はぐるぐるだった。



ひとまず東京に1泊。日本に帰国して初めて食べたのはそば。

夜は父のいびきと時差ぼけにより
目はさえており、眠れなかった。

「東京観光でもするか?」と聞かれたけど
「家に帰る」と決め、あさ10時頃の新幹線にのって帰った。

久しぶりの広島。たった10ヶ月だったけど、とても懐かしく感じた。

Rも家にいる。再会を果たし、私は日本の高校生活に戻るのであった。



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