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クラスメイトを泣かせた日

だれかに何かをされて傷ついたこともあれば
自分が誰かを傷つけてしまったことも何度かあった。

小学校6年生のある金曜日に人物画を描く授業があった。
ある男子が描いていた絵に「サルみたいだね」と言ってしまった。
その子が少し固まって泣き始めクラスが何があった?という
空気になってしまった。

まさか泣かれると思っていなかった私は
「ごめん」と謝罪をしてその子がうなずいたのを
確認した後、足早に教室を飛び出し、校門を出たところで
いつも意地悪ばかりしてくる幼馴染が、
「おい!あいつ泣いとるで!」と正義感むき出しで追いかけてきた。

「もう謝ったし!!」とほぼ泣きながら叫んだ私に
何も言えなかったのかそれ以上は追いかけてこず、
学校に戻っていくのが分かった。

言葉が適切だったかと言われれば違うが
傷つける気も、泣かす気もなかったし
クラスの全員の視線を加害者という形で浴びたという
恥ずかしさで、逃げるように教室を飛び出してしまったことも
いつも意地悪をしてくる幼馴染が追いかけてきたことも、
これから家について母に話して怒られることも

今すぐなかったことにしてしまいたいけれど
悪いことを隠す罪悪感でいっぱいにくらいなら
いわなきゃいけないとそれはもう頭の中ぐるぐるにして
家につき、ことの詳細を母に伝えた。
家を出される・・・と思っていたけど以外にも母が冷静で
泣かせてしまった男子の母親に電話をして謝罪をしてくれた。
許してもらえなかったらどうしよう、なんてことをしてしまったんだ。
思いながら電話の様子をうかがっていたらどうやら許してもらえたようで
安心して泣いた。
母からは言葉には気をつけなさいときちんと叱られた。


来週登校したら改めて謝ることを決め、家で過ごしていたら
泣かせてしまった男の子のお母さんが家にフルーツポンチを
もって来てくれた。

「もう大丈夫だから、気にしなくていいからね」みたいな
言葉と優しい表情にほんとにホッとしたし、
なんかもう気をつかわせてしまって申し訳なかったけど
あの時は安心できた。もう人を傷つけるような言葉を使わないって
心から反省できた。

申し訳ない気持ちと、感謝の気持ちであふれた1日だった。
ゆるすって簡単なことじゃないけど、ゆるしてもらえた。


次の週の月曜日、もう一度きちんと「ごめん」を伝えて
「いいよ」を聞くことができた。

ゆるしてくれてありがとう。








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