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交換留学の準備

驚きの合格発表のあと、試験前と同じ
オリエンテーションが1泊2日で行われた。
やっぱり自分が場違いという気持ちがぬぐえなくて、
馴染めなくて、周りと比べすぎてしんどかった。

(誰も、何も私に対していかなる感情も持たないでくれ。)
もう感情はぐちゃぐちゃだし、
早く終わってほしいと願うばかり。


経験者がボランティアで行っているこのオリエンテーション
交換留学経験者とその親もやってきてこれから交換留学をする
子、親に対してのオリエンテーション。

意気込みや心構えをたくさん考え、発表する場。
分からないのに手を挙げろと言わんばかりの声掛け。


私は本当にこの選択をしてよかったのだろうか。
なんて考えながらもオリエンテーションが終われば
アメリカ留学に向けての準備はとても楽しかった。(勉強を除く。)

初めての自分用の大きなスーツケース。
色はターコイズ。インターネットポシェット付きを母が
選んでくれた。
洋服や靴、日本お土産や眼鏡のスペア。

私の!というのがとてもうれしかった。


人生初のパスポートの申請は苦労した。
写真の貼り付けは数ミリの狂いも許されない。
母に何度も届けてもらった。今は感謝でしかない。
(当時は気にもとめなかった。)

できあがったパスポートを見て
嬉しさと、表紙のきれいさに小さな感動をした。

私これから本当にアメリカに行くんだ!
テレビで見ていたあの国にいくんだ。

何を感じるのだろうか。何を経験するんだろう。
10か月も行くのだから、親族の集まりも、
父母の説教も、姉妹けんかもぜーんぶ
休戦だ。


やった、自由だ、解放される。
やっと外の世界を知れる。

大げさだなと思うが本当に感じていた。

けれど浮かれたころにやってくる父の爆弾。


「3番目と遊ばないのなら留学にはいかせない」


もうめちゃくちゃである。
「なんじゃそりゃ」とあきれるのとこんなことで取り消されてたまるかといった怒りで何回も泣いた。

「お金を出したらなんでもいっていいのか」
「私は一体どうしたらいいのか」

この留学きっとは私の人生に深呼吸をさせてくれる。
私が幼いころから抱いていた、
家族、親族の在り方についての疑問に対するものが
分かるはず。


やっと、やっと
このおかしい世界から離れられる。

早く、はやく出発日が来てほしかった。

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