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山田亮一に就いて

好きな四字熟語は『山田亮一』

山田亮一が刺さる人と友達になりたいが、もし「山田亮一が作る曲と歌詞が好き!!」という女性がいたら、友達になるのを少し躊躇ってしまうと思います。(なにそれ)

バズマザーズだと、私、「せっかちな人の為の簡易的な肯定」という曲が一番ぶっちぎりで好きでして。
もう曲名からしてかっこよすぎる…好き……あまりにも………
ハヌマーンの曲解釈ブログや、バズマザーズの曲解釈note(仮想現実のマリアなど)は見受けられるのですが、「せっかちな人の為の簡易的な肯定」についてはあんまり解釈がないなと思っていて、それならもう自分で書くぞ!!!!!!と思った次第です。

『劣情から迎合を経由した侮蔑で 赤茶羽めいて見える群衆』
●群衆がゴキブリに見えるよ~ってことですかね。
この曲を初めて聴いて衝撃を受けて歌詞を調べたとき、あまりに良すぎて何度も電撃死するかと思った。

『箕面のお猿さんと携える連絡手段 果たして人はどちらに類似している?
●ゴキブリと猿、人はどちらがより近いか、と私は解釈しましたが、猿とスマホ、つまり有機物/無機物、どちらに近いのかとも読めるなと。

『最低かい?不満かい?日常こそ地獄かい?
鼓膜に付けっぱなしの装置は 外敵から身を守る為の習性かい?
或いは君独自の現実MV化?』

●山田亮一さんのキレッキレのテレキャスを聴いていると、ポケットに手を突っ込んだ状態で颯爽と歩きたくなるのですが、そうやって聴いているところにこの歌詞。
イヤホンで誰しもこういう気分になったことあると思うのですが、一つ一つのワードセンスが凄すぎて…。


歌詞に出てくる『火星』は、なぜ惑星のなかでも火星でなければならなかったのか?

ここの部分についての考察を一番書きたい!!ちょっと長いのですが、良ければ読んでください。


『幽居先の宇宙で、火星生まれはどうも礼節がないなんて、往々に憤慨して形骸無き時代をママチャリで追えば、迷子になるのは道理、
邦楽見失って行く』
●はい、私がこの曲でぶっちぎりエモーショナルになる部分です。ずっとなんで火星なんだろうって思ってたんですよね。意識的にしろ、無意識で言葉を引っ張ってきたにしろ、何か理由があるはず。土星でも水星でもダメだった何かが。2年くらいずっと考えていたんですけど、もしかしたら…と思い至ったことがあって。谷川俊太郎さんの詩で、二十億光年の孤独という詩のなかに出てくるんですよ、火星。(以下掲載)

『二十億光年の孤独』

人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする

火星人は小さな球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(或いは ネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ

万有引力とは
ひき合う孤独の力である

宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う

宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である

二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした
谷川俊太郎『二十億光年の孤独』

…火星、ここから引用しているのでは??!!!!
そもそも曲タイトルの「せっかちな人」というのは時間に追われる現代人に対する批評や揶揄だとして、せっかち/二十億光年 って対比になっているのかもしれない(と、勝手に解釈している)。

惑星たち(冥王星は除外されましたが)

あと火星っていうのが絶妙。太陽から近い順に、水・金・地・火・木・土・天・海と続くわけですが、ガスばかりの星や熱すぎて住めない星があって。そのなかでも地球から幽居先として選ぶには、火星は行きやすいし別荘みたいな感じで住みやすそうなんですよね。東京から避暑地として熱海や御殿場行くみたいな距離感というか…(想像)
宇宙人がいる可能性が高いのは火星っていう話、以前どこかのネットニュースで読んだことがあります。海王星まで行っちゃうと地球人と断絶してしまうのだろうし、それはちょっと、でもお天道様からは背いて生きたい気分の時に山田亮一さんが選んだのが火星だったのでしょうか…。


『号砲、瞬いて白昼夢など論外 脳の歪みは鯨飲で供給
なぁ、少年よ青春とは単なる病さ 過ぎ去りし後は平熱の戦場』

●日々が目まぐるしく過ぎていく、疲れて、その疲れを流し込んで何とかしている。少年時代よりもその後の時代のほうが長く、冷静な戦場であると。
二十億光年の孤独の詩の影響を受けているなら、詩のなかに出てきているひずみという言葉ともまた歌詞が呼応しますね。

『旧型』=作者=山田亮一説、そしてニーチェの引用説

『旧型はかく語りき、云うに事欠いて 礼節がないなんて、往々に憤慨して
憂いは万葉集やピラミッドの天井、軽蔑を歌う事で耄碌を回避してる』

●直訳すれば、旧型はこう言った。古典の文法で言えば、「き」は作者が直接体験したときに使われるので、ここでいう旧型=作者=山田亮一。かく語りきの部分だけ毛色が違う言葉なのは、ニーチェのツァラトゥストラはかく語りき、から取っているからなのでしょうか。もしニーチェの哲学を引っ張ってきているのなら、勉強しなきゃだ~!!
旧型で時代遅れだって自称しているのかな。言わなくてもいいのにわざわざ言ってよく腹を立てると自己認識している。山田亮一さんってそういう、生きるの下手な感じすごくしますよね。人間臭いところ、大好きです。
そしてその憂いが…?万葉集とピラミッドの天井…???昔から地球上の各地で相手に対して文句ばっかり言ってるよね、ってことなのか、な…?
[追記]
火星に幽居して時間が経ち、その間に地球の人達からしたら自分は旧型になってしまった(?)。憂いを万葉集やピラミッドといった最古のものに向けることで自分と重ね合わせ、自分そのものを軽蔑することで耄碌することを回避しようとしている(?)
この歌詞についてはまだ嚙み砕けていないので、何かあればご教示ください…。

『ところで君は手錠の鍵をずっと捜している様に見受けるが
果たして何に繋がれてると云うの?
俺、悲しい程自由なビッグマフドランカー』

●ファズペダル依存症と取るのか、俺はまぬけだという歌詞か、あるいはその両方か。

『幽居先の宇宙で、火星生まれはどうも礼節がないなんて、往々に憤慨して
形骸無き時代をママチャリで追えば、迷子になるのは道理、邦楽見失って行く』

●俗世間を避けて、地球から宇宙へ。よほど人間関係で煩わしいことが山田亮一さんにあったのでしょうか。火星に幽居したから地元の火星生まれの宇宙人が多くてマナーがなってないということだと捉えていますが、もしくは他の星に居住していて、色んな星の人がいてその中の一つの火星生まれの宇宙人って礼節がないよねってこと…?
教えてくれ山田亮一

『いぇーい いいよそれでいいよ君は素晴らしいよ
いぇーい 君も俺もどうせ、邦楽見失って行く』

●山田亮一ィィィィ!!!!
せっかちな人の為の簡易的な肯定をしている。
ありがとう、わたしもあなたも全員地球で迷子です、答えなんかないよ!!!


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