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精神障害者だけど、作家になれなかったらどうしよう?

 僕の夢は作家になることだった。それ以外には一切興味が無いと言い切って良い。

 なぜそんなに目指しているのかというと。「精神病でこんなに苦しんできたのだから、特別な人生であって欲しい!」というのが根底にある気がする。
特別な人生であるには、特別な職業……つまり作家(クリエイター)を志望するのは当然の動機でしょう。

 一昔前のネットなら「ワナビ」と呼ばれていた状態に陥っている。昔から普通のサラリーマンの人生には何の魅力も感じられなかった。

 何者にもなれない人間なんて、何の価値も無いから生きている価値がない。自分を追い詰めてしまうような精神的な自傷行為が辞められない。心理的な葛藤から逃れることが出来ない。作家として認められなければ苦しいままで終わってしまう。強迫観念のようなものがあって自殺することも出来ない。

 その最たる例が京アニ放火事件の青葉真司容疑者でしょう。彼はどうやら自作の小説をコンクールに送っていたらしいのだが、自分の生写しを見ているようで心が苦しくなってくる。

 彼もまた精神病を抱えているからこそ、「特別な存在」を目指した者の一人だったのでしょう。「特別でありたい」と願い、闇へと堕ちていく……。
 放火殺人という形で願い事を叶えた……という見方もあるのかもしれないけど、彼が本当に望んだ人生は「作家になること」だったはず。

 もし、当初の目的通り、受賞して賞賛されていれば、彼はこんなことをしなくて済んだのだ。本当にただそれだけだった……。

 僕はゆとり世代にしては珍しく、周囲の大人達から「『夢』を追うことは素晴らしいことだよ」と教え込まれてきたけど。今まさに最悪な形で歪んでしまった気がする。

 僕は有名なアニメ会社を燃やしても報われない。
たった一つでも受賞すれば気が済むだけの承認欲求モンスターに成り果ててしまったのだ。最近思うのは「作家になれなかったらどうしよう?」という問い。今日も一人、白紙に向かって文章を書き込み続ける。

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