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風鈴の歴史
暑い夏、日本には音で涼を感じる
『風鈴』があります。
しかし、もともと風鈴は
涼を得るための
道具ではありませんでした。
その起源は中国で、
竹林に下げて
風の向き、音の鳴り方で、
物事の吉凶を占う
占風鐸(せんふうたく)と呼ばれた
道具が起源です。
日本には仏教などと一緒に渡来した、
お寺の四隅に吊り下げられている
風鐸というものがその起源です。
![](https://assets.st-note.com/img/1720659232098-d1Du5C7y99.png)
風鐸のガランガランと鳴る音が
厄除けとして使われ、
その音が聞こえる範囲の住民には
災いが起こらないと
考えられていたのです。
時代は流れて江戸時代、
夏ともなると気温や湿度が上がり、
細菌が繁殖しやすくなって
毎年のように疫病も広まりました。
そこで人々は
お寺の風鐸を真似て、
魔除け道具として、
作ったのが風鈴でした。
しかし、風鈴は魔除けから
次第にその音を利用して
夏を涼しく過ごすための
暑気払いの道具としても進化していったのです。
江戸の終わり頃になると、ガラス細工が発展し、
ガラスで出来た江戸風鈴が誕生、
大流行したのでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1720659853711-skUHHtP01w.jpg)
吊りしのぶを付けた江戸風鈴などは、
見た目の涼しさも追求していますが、
ところで、風鈴の音色で、
どうして涼が得られるのでしょうか?
風鈴の音には、小川のせせらぎや
小鳥のさえずりなど、
自然界にある癒しの音と同じ、
3000Hz以上の高周波音が
含まれています。
このゆらぎ(リズム)が、
人間が特にここちよく感じるゆらぎで、
「1/fのゆらぎ」と、呼ばれるものです。
これが、風鈴の音の心地よさの正体のようです。
実はモーツアルトの曲にも、
この「1/fのゆらぎ」をもつ作品が多く、
曲を聴くと、
脳からアルファ波が出て
リラックスできるそうです。
何故、江戸風鈴から
そんな「ゆらぎ」が出るのか?
その秘密は切り口のギザギザにあります。
やすりで磨きはしても、
あえてギザギザは残してます。
ツルツルにしてしまうと、
平坦な音たけになり
「ゆらぎ」が消えてしまうのだそうです。
ですから機械作りの風鈴と
手作りでは、
その心地よさも違うのだそうです。
近年、夜も風鈴を出しっぱなしにして、
音を巡るトラブルが増えていますが
粋でいなせな江戸庶民は、
眠りにつく前きちんと屋内に
風鈴を仕舞ったといいます。
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