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絵のない俳画「トマト」俳句+

包丁を当てればトマトなお赤し

 まだ産毛が残っている表皮は艶やかで輝いている。
 刃物を手に反対の手で軽く押さえると、はちきれんばかりの弾力と生命力を感じる。

 でも、ごめんね。

 ぷつり、と、よく研がれた刃はその表面を苦もなく切り裂き、切り分ける。

 白い樹脂製のまな板に鮮やかに赤いトマト。

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