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やめるだけ健康法

今回は、新潟大学名誉教授である安保徹(あぼ とおる)さんの著書、
「免疫力が上がる!やめるだけ健康法」という本の内容を紹介します。

突然体調を崩したり、病気になったりすると「運が悪かったな」と
思うかもしれませんが、身体は本来、運に左右されて間違いを
起こすようなことはありません。
私たちの身体は、免疫をはじめとする体内の防衛機能に守られて
いるはずなのに、日常生活の中に、それが崩れてしまう何かしらの
原因があって病気になったのですから、私たちが病気になって
しまうときは、必然と言える何かがあるのです。

健康のためにどうすればいいのか?
安保先生の話を聞いてみましょう。






本当に健康な血液の状態

血液サラサラが健康のキーワードになってから、ずいぶんと経ちました。

血液サラサラが推奨される一方で、血液ドロドロは悪者扱いされて
いますが、ここで著者の安保先生は「健康な人でも血液はドロドロに
なるので、こうした血流の善悪は間違いである!」と、
はっきり述べています。

赤血球同士は、ぎりぎりの距離感でぶつかり合いながら流れています。
それは、ここぞという時や瞬発力を発揮する時など、
必要に応じて血液の流れを止めなければいけないからです。
血液がずっとサラサラのままだと、力が入らないということが起こって
しまいますので、血液ドロドロが不健康だというのは間違いなのです。

人生の半分は血液ドロドロでOK、血流にはオンとオフがありますので、
とにかく血液はサラサラにしないといけないという思い込みは
やめましょう。






湿布やアイシングの間違い

腰痛などの痛みで病院へ行き、湿布をもらって使用している人も
いると思いますが、湿布は「消炎鎮痛剤」という薬です。
湿布の効果によって痛みが和らぎ、スッとして気持ちいいかも
しれませんが、腰痛を早く治すには湿布の使用は避けた方が
良いのです。

消炎鎮痛剤として使われている「アスピリン」「インドメタシン」
などの成分は、体内で分泌される生理活性物質の
「プロスタグランジン」を抑制してしまう作用があります。

プロスタグランジンは、さまざまな要因による血流障害を回復させる
効果があり、その治癒反応によって身体に痛み、熱、腫れ、かゆみと
いった症状を起こす物質です。

腰痛の原因は、腰の筋力低下や精神的なストレスによる血流障害で
ある場合がほとんどですから、そこに湿布を貼ってしまうと
プロスタグランジンの分泌が抑制されてしまい、痛みの原因である
血流障害が改善せず、腰痛が慢性化してしまうかもしれません。

さらに、湿布は吸収率100%の経皮吸収なので、飲み薬の消炎鎮痛剤
以上に副作用が起こることも考えられます。

貼るだけで楽になるからと気軽に湿布を使うのは良くありません。


また、捻挫や打撲をした時に、患部を冷却スプレーや氷水で
冷すのも止めるべきです。

腫れや熱は、身体が負傷した部位を治すため、血液を集中させる
ことによって起こる現象なので、回復に向けて起きている反応を
アイシングで邪魔することになってしまいます。

患部を冷やして痛みを慢性化させたり、さらなる関節痛や
重い怪我に繋げないようにしなければいけません。






体にいいものだけ食べる間違い

栄養バランスが良く、無添加の食品を使っての手作り料理、
毎食腹八分目で抑えているという生活の人は、日頃の健康状態も
間違いなく安定しているでしょう。

しかし、そんな人にモノ申すというのが今回のお話です。

食事や生活習慣について、健康にいいことばかりをストイックに
実践する必要は無いと思います。
からだにいいものしか食べないという食生活だと、
心配になることがあるのです。それは・・・・



①腸管の軟弱化

毎日消化のいいモノや野菜しか食べないという生活を送っていると、
腸管の働きが軟弱化する可能性があります。
たまには消化、吸収、排泄に多少の負荷がかかるものを経験しないと、
副交感神経が支配する腸管の機能が鍛えられません。

もし不測の事態が起きて、栄養バランスの悪い出来合いのものを
食べる日が続いてしまったとしたら、体がその食事についていけず、
不測の事態を乗り越える前に体調を崩してしまうかもしれません。



②自律神経のメリハリに欠ける

体に負荷をかけないものしか食べない食生活だと、副交感神経に
偏り過ぎてしまうかもしれません。
そうなると、気迫のない打たれ弱い体質になってしまうことが
考えられます。

例えば、冠婚葬祭やパーティーの席での食事では、初めて食べる
高級食材などイレギュラーな食べ物を口にしたとき、
お腹を壊してしまうかもしれません。

腹痛に苦しんでいては、楽しいはずの宴会が台無しです。




③解毒機能の低下

ヒトの体は飢餓に備えて、何でも食べられるように解毒機能が
備わっています。
解毒のためには、肝臓で解毒作用を行う酵素(シトクロムP450)が
働かなければなりませんが、この酵素が必要ない状態が長く続くと、
解毒機能が弱くなることが考えられます。

そうなると、添加物が入ったものを食べたときに本来の解毒能力が
発揮されず、下痢や嘔吐といった症状に苦しむことになります。





好き嫌いは直さなくていい

子供のためを思って、バランスの良い食事を作るように心掛けているが、
ピーマンだけはどうしても食べてくれない・・・・
そんな自分も、昔はピーマンが嫌いで、体のために食べなさいと
よく怒られていただけに、どうしたらいいだろうか?

そんな悩みを抱えるお母さんに聞いてほしいのです。

子供が好き嫌いをするのは一見わがままに見えますが、
それは誤解です。
ピーマンの他にも、セロリ、ゴーヤ、人参など、ポリフェノールを
多く含むクセの強い野菜は子供には敬遠されがちですが、
それはポリフェノールの代謝が上手にできないからです。
代謝できないものは体に入れたくないというのは、
いたって自然な反応です。

子供はわがままで好き嫌いをしているのではなく、代謝に必要な
ミトコンドリアが少ないので、ピーマンや人参を
「食べたくない」という反応をしているのです。

例外もありますが、大人になるとミトコンドリアで代謝
(エネルギー変換)するようになり、ポリフェノールの処理も
できるようになるので、ピーマンやゴーヤなどの苦味やクセの
ある野菜もだんだんと食べられるようになってきます。

苦味やクセのあるおいしさを「大人の味」と表現しますが、
まさにそれは大人になって味覚が変化して好むようになる、
大人向けの味なのです。






泣くことは体にいい

無理をしたり、ストレスを抱え込んだりしていると、交感神経が
緊張して病気を招いてしまう原因になりますが、泣くことによって
交感神経の緊張をその場で取ることができ、自律神経の偏りが
改善し、副交感神経の反応で体温が上がって血流も良くなります。

泣くということはマイナスの感情だと思っている人もいるかも
しれませんが、そうではありません。
悲しんだり、怖くて泣くということは、人類が嫌なことから逃れる
ために身につけた副交感神経の反応です。

泣くことによって出てくる涙や鼻水は副交感神経の分泌現象です。
涙や鼻水で顔がぐちゃぐちゃになるほど泣いた後は、
体温が上がり、血流が良くなって気分がすっきりしたと
感じることでしょう。

泣くのは弱さの現れと勘違いして、我慢することはありません。
泣きたいときは思いっきり泣いて、その原因から吹っ切れる方が、
最終的には強くなれるのです。




終わり












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