一人でもいいから、結婚式の友人代表スピーチを任される人間でありたかった。
僕は結婚式が好きです。
みんなが幸せそうな表情をしていて、それを隠す必要がないところが良いです。
新郎新婦に思い入れが強いほど、幸せそうな二人とその家族を見て、こちらも嬉しくなります。
結婚式が大好きな僕ですが、その翌日にふっと寂しくなる瞬間が訪れます。
友人代表スピーチを頼まれない問題が、僕の心を締め付けるのです。
趣味:頼まれていない友人代表スピーチを考えること
僕は結婚式に参列するとき、頼まれていなくても友人代表スピーチの内容を考えていきます。
そうすることでより結婚式に没入できるからです。
多くの友人代表スピーチは、大まかに以下の構成で成り立っています。
①広く知られている今の新郎/新婦のこと
↓
②自分だけが知っている昔の新郎/新婦のこと
具体的なエピソードを添えて
↓
③この先新郎/新婦と生活する上で、新婦/新郎に伝えたいこと
この構成で組み立てていくと、大滑りすることなく芯を喰ったスピーチが書けるはずです。
例えば、普段クールで落ち着いている新郎の友人代表スピーチをする場合はこんな感じ。
①新郎はいつも冷静沈着で、落ち着いて仕事をこなす頼れる男です。
どんなイレギュラーが起きても、慌てるそぶりを見せることなくクールに問題を解決し、何も言わず去っていく。そんな男です。
②そんなクールな新郎ですが、胸の奥に熱い思いを秘めていることをみなさんご存知でしょうか。
高校時代、始業前にグラウンドへ行くと必ず新郎の姿がありました。
ある日の帰り道、たまたま二人で帰ることになったので、僕は新郎に言いました。
「お前、毎朝グラウンドに一番乗りで練習してるけどしんどくないの?」
すると彼は前を向きながらこう答えたのです。
「俺が一日サボったことでお前たちに悔しい思いをさせるほうが、俺はしんどい。」
③新婦の〇〇さん、彼はきっとあなたを幸せにするという熱い想いを、胸の奥に燃やし続けていくのだと思います。
彼は苦労や努力をクールな仮面で隠す傾向にあります。だからこそ、〇〇さんにはいつも彼のそばにいてその仮面をそっと剥がしてあげてください。
〇〇さんならきっと彼と幸せな家庭を築いていけるはずです、、、
スピーチする人のキャラによってユーモアを入れたり、よりエモに振ったりするとその人らしさが増しますね。
少し話が逸れました。
このように友人代表スピーチを考えると過去-現在-未来の全てに想いを馳せるので、必然的に新郎新婦への想いが強くなるのです。
受付任される率100%の男
高校時代の同級生が結婚ラッシュを迎えています。
これまで自分を含めて3人の結婚式があり、うち2回受付を依頼されました。どの式も愛に溢れた良い式でした。
僕は招待されるたびに、頼まれてもいない友人代表スピーチを懐に携えて式場に向かいます。
会場では久しぶりに会う友人もいて、思い出話に花が咲き、幸せな空気に包まれます。
そんな記憶を振り返りながら、翌日にふと思うのです。
いろんな人から受付を頼まれるよりも、1人の友だちから友人代表スピーチを任される人間でありたかった
高校時代の同級生とは年末年始やお盆に飲み会が開かれて、誕生日が来るとLINEでおめでとうと言い合う仲です。
でもそのタイミング以外で遊ぶ相手はいません、
一方で、結婚式の二次会や飲み会で話を聞いていると、僕以外のメンバーは日常的に遊んだりしているようです。
友達がいないわけではありません。
彼らのことは大切な友達だと思っています。
彼らからの僕の評価は
・真面目でしっかりもの。
・仕事を頼めば確実に遂行してくれる。
というものです。
だからこそ、結婚式の受付を頼んでもらえるのです。
その点については、本当にありがたいと思っています。
でも。
だからこそ、ふとした瞬間胸の内に潜む寂しさに気づくのです。
僕には親友がいない。
僕のことを親友と呼んでくれる人はいない。
考えすぎかもしれないし、贅沢な悩みなのかもしれません。
自分の結婚式で誰にもスピーチを頼めなかった僕自身への報いなのかもしれません。
自分の周りにいる人たちを、嘘偽りなく大切な友だちだと言い切れない限り、僕に親友はできないのだとおもいます。
来週末、また同級生の結婚式があります。
また僕は読むことのないスピーチを考えて、みんなよりも1時間早く式場に着く予定です。
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