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リーダー発達過程における自己概念の変容についての社会心理学考察

vol.0016

https://core.ac.uk/download/pdf/293139316.pdf

▶︎目的、RQ(リサーチクエッション)
われわれの前にリーダーとして存在する人々は、いつ頃から”リーダー”的な人物となったのであろうか。

▶︎リーダー発達過程に関する研究動向
リーダーのせいchc追う過程に関連するこれまでの研究(Day,2002)
a)リーダーとしての潜在的な対人関係能力向上を視野に入れたリーダーシップ開発(leadership development)
b)自己の気づきや特定の課題遂行スキルなどに焦点を当て、リーダーの個々の発達に注目したリーダー発達(leader development)

▶︎リーダー発達
リーダー発達は”リーダーの役割やプロセスの中で効果的になっていく能力の発展(p2)”と定義される。(Van Velsor & McCauley,2004)
1、自己管理能力
(a)自己知覚(self-awarencess:自己の個人的長所・弱点を理解すること)
(b)欲求の葛藤の両立を図る能力
(c)学ぶ能力(新しい行動、スキル、態度が求められていることを認識する、自分の貼ったschyにともなう責任を受け入れる、他)
(d)リーダーシップの価値(リーダーシップの役割に効果的な価値を受け入れる)
2、社会的能力
リーダーにとっての対人的・社会的スキルに相当する
(a)人間関係を構築し、維持する能力
(b)効果的な職場集団を作り上げる能力
(c)コミュニケーション・スキル
(d)他者を発展させる能力
3、職務促進能力
(a)マネジメントスキル

(b)戦略的に考え行動する能力
(c)創造的に考える能力
(d)変革に着手し実行する能力

▶︎リーダー発達とリーダーシップ開発はどう違うか
リーダーシップ開発:どうすれば優れたリーダーを育てることができるのか
リーダー発達:リーダーの成長過程のメカニズムであり機序

▶︎リーダー発達のカギ:リーダーアイデンティティ
Hall(2005)はリーダーにおける自己概念の3水準
個人的自己概念、関係的自己概念、集合的自己概念(Sedikides & Brewer,2001)を援用し、リーダー・アイデンティティの発達過程を考察しLoad & Hall(2005)によるリーダー・アイデンティティの観点から見た発達過程は、自己概念の包含性(inclusiveness)の水準を変化させることに他ならない。
リーダーは自分をある集団や組織に所属した生粋の構成員として理解する、すなわち彼が所属する集団の代表者としての自己概念(集合的自己概念)を持つようになる。その結果、リーダーはいつの間にか自分のことを”われわれは”と表現するようになるだろう。

さらにDay,Harrison,& Halpin(2009)は、そうしたリーダー発達の過程は現場でリーダーシップの経験を通した学習の中でリーダー・アイデンティティの変化と形成が発達的軌道(developmental trajectories)を描いて螺旋的に進行するのではないかと仮定した。

▶︎リーダー・アイデンティティの階層構造
リーダー発達は役割アイデンティティの多様化の過程と考えることもできるだろう。

▶︎リーダー・アイデンティティの統合
リーダーの地位が高くなる、あるいは権限が広がるほど、自分の所属している集団や組織領域だけに通用するリーダーシップではなく、それらを超えたリーダーシップが求められる。Pittinsky & Simon(2007)はこうしたリーダーシップを集団間リーダーシップ(intergroup leadership)と呼んだ。

▶︎リーダー・アイデンティティの変容が生ずることの意義
リーダーの有効性はリーダーがどれだけ社会的アイデンティティのいう集合的自己概念を確立していてリーダー自身を(自分が所属する)集団や組織のプロトタイプに近づけられるかにかかっている。
リーダー・アイデンティティ変容によるもう一つの意義は、リーダーの視点の移行(shifts in perpective)である。

▶︎リーダーにおける自己の機能
自己知覚:注意の焦点が自己に向けられれている状態

リーダー発達は、リーダーの役割として他者から求められることと、リーダー自身のアイデンティティとが適合していくプロセスとして捉えることができるが、Day & Lance (2004)によれば、その適合のためにはリーダーの自己知覚(self-awareness)の役割が欠かせないと言う。見られている自分(客我:me)が行動のルールとして機能するために、人々は社会規範やさまざまな慣習に従って行動できると仮定した。

▶︎自己の多元性に対するリーダーの耐性
リーダーとして多様なアイデンティティに戸惑うことのない心理的な耐性を持つことが、リーダー発達の過程には必要とされるだろう。

今日の私の面白Point:リーダー発達
リーダーシップ開発とリーダー発達は違う。リーダー発達に興味がある。リーダーのアイデンティティや心理的な耐性は自分でも研究したいテーマだ。


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