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令和5年度 健康経営度調査票 改訂点の背景を知ろうシリーズ③ ~労働安全衛生に関する開示~

株式会社FiNC Technologies (以下、「FiNC」)のウェルビーイングビジネス本部​マーケティング&セールス部の赤羽です。

調査票の改訂点の背景を知ろうシリーズ第3弾です。

第1弾~特定健診・特定保健指導実施率~はこちら
第2弾~業務パフォーマンス指標の開示~はこちら

「令和5年度 健康経営度調査票」
今年の変更内容まとめや概要については、こちらのnoteをご覧ください。

今回は、変更ポイントの中の、「労働安全衛生に関する開示」について背景や狙いについてまとめていきます。

第9回健康投資WG資料 改訂ポイントについて

1.労働安全衛生とは

事業場における労働者の安全と健康を確保するための法律や対策のことです。
労働安全衛生法は、事業者に対して安全衛生管理体制の確立や危害防止基準の遵守などを義務付けています。
労働者は、自らの安全と健康を守るために、事業者や産業医などと協力して、職場の安全衛生対策に参加することができます。

2.今回の改訂の背景

健康診断等は進んでいる一方で、健康管理等の労働安全衛生が疎かになっているのではないか。産業医が健康管理を行うことが重要で、産業保健活動をしっかりと行うことが必要。
また今後、高齢者や女性の労働が益々増えていくので、ビジネスケアラーへの対応が重要。特に中小企業については産業医がおらず、どう支えていくのか検討が必要。
安全衛生に関する管理を健康経営の中でどうすべきか、を忘れず取り組まなければならないと再確認した。業種で状況が異なるものに関して、評価項目を再考する必要がある時期に来ている。開示については、第14次労働災害防止計画の中にも安全衛生の開示を国がサポートするという表現もあるので、整合性を取ることができているのではないか。

健康・医療新産業協議会 健康投資ワーキンググループ(第 8 回) 合同開催 日本健康会議 健康経営・健康宣言 10 万社WG(第 3 回) 議事要旨
健康経営の土台となる為、国際的な開示基準を踏まえ開示状況を問う

労働安全衛生(健康管理)・リスクマネジメントは健康経営の土台となる部分になります。しかし、従来の健康経営度調査票では特に問われておらず、今後の高齢者や女性の労働者が増えるなか、労働安全衛生の対応が重要になります。
従来の健康経営の推進目的・体制だけでなく、労働安全衛生の開示状況や内容も問われることになりました。

また、国際的な開示基準や人的資本経営・非財務情報の開示動向も踏まえた設問追加になっています。

国際的な開示基準比較
人的資本情報開示の義務化

3.開示方法事例

①ニチレイグループ様

統合レポート2022内に、健康経営と労働安全衛生を分けて掲載

ニチレイグループ統合レポート2022

②トヨタ自動車株式会社様

「統合報告書2022」内に、健康・安全衛生・社会貢献をまとめて掲載。

 健康・安全衛生・社会貢献ページ

③富士フイルムホールディングス様

「労働安全衛生の取組みページ」に活動一覧を掲載し、詳細については、別途PDFまたは、健康経営の主な取組みページへの導線をご用意。

富士フイルムホールディングス様「労働安全衛生の取り組み」ページより

4.まとめ

今年度の調査票では、必須項目ではないものの
「次年度以降、労働安全衛生の具体的開示内容や指標について精査した上で必須要件とすることも検討する」
という記載もありましたので、
労働安全衛生に関する開示は今後、開示が必須になることを見越し進めていくのが良さそうです。

「第14次労働災害防止計画」については、こちらに詳細がありますので、
気になる方はご確認ください。

第14次労働災害防止計画の概要

健康経営度調査票に関するご相談・お問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

<FiNC for BUSINESSついてのお問い合わせ先>
https://company.finc.com/contact/business

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