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社員300人を超えても「みんなで人事2.0」Finatextの組織のあり方と、フィードバック&評価報酬制度

こんにちは。Finatextホールディングス CHROの 岩本恵子です。2022年2月に入社して人事労務、採用、育成評価など人事業務を幅広く担当しつつ、2024年1月からCHROとして人事領域を管掌しています。

私がFinatextに入社を決めたのは、以下の3つのnoteを読み、中でも林のnoteにある「みんなで人事2.0」を一緒にやりたいと強く思ったからです。

林のnoteが書かれてから2年以上経ち、グループ社員数が300人を超え人事制度も当時からアップデートされていますが、「みんなで人事2.0」というコンセプトは変わっていないと感じます。今回は、そんなFinatextの現在の組織体制やフィードバック・評価報酬制度をご紹介したいと思います。


組織体制

FinatextグループにはFinatextホールディングスのほかに7社のグループ会社があり、フィンテックソリューション事業、証券事業、保険事業、データ事業、クレジット事業を主体としています。(事業は、社内ではDomainとも呼んでいます。)

以前は1組織内に部門や部署は設けずとしていました。現在は、社員数の増加とともにコミュニケーションロスなどが生じたり、事業ごとの専門知識の習得難易度が高いという課題解決のために、担当する事業領域にフォーカスをして組織を分けています。なお、ミドルバックオフィスと呼ばれるような機能は横断組織として位置付けています。クレジット事業は新規事業のため、今年度は横断組織としております。

組織体制図

もう1つ、Finatextグループにはスキルサークルという存在があります。職種のくくりととらえていただけるとわかりやすいと思います。

スキルサークル

Engineering、Project Management、Product、Marketing、Brokerage Operation、Insurance Operation、Research、Business Development、HR、
Corporate、Design

各サークルにはリーダーがおりますが(リーダーの役割は評価制度のパートで紹介します)、グループ全体として「上司・部下」という関係はあまりなく、取締役や「ドメインリーダー」と呼ばれる事業責任者以外に、社内での役職はありません。ピラミッド型組織に長く勤めていた私は、入社直後こそ戸惑いましたが、慣れてしまえば各自が裁量を持って決断し進めていくスピード感が心地よいと感じています。

フィードバック&評価報酬制度

最初にお伝えしたいのですが、社内では、グレードと報酬とプライバシーに関わる内容以外は基本的にオープンにしています。評価制度を含む人事施策を決めていく際も、トップダウンで決定事項だけ共有するという進め方ではなく、検討の段階から社員へ共有を行ったり、全社フォーラムで疑問点を解消しながら決めていくようにしています。

また、Slackのtimes(社員個人のパブリックチャンネル)では、「週末の過ごし方」や「お子様の成長報告」「入籍しました!」など自分のプライベートを共有しているやりとりが多くあります。入社直後は驚きましたが、これも様々な年代や多様な属性の方が集まる中での働きやすさの醸成につながっていると思っています。

グレード

昨年より、社員の成長スピードを加速する目的と、役割の明確化による評価の透明性のためにグレードを設けることにしました。グレードは6段階あり、任せる役割のインパクト・スコープ・専門性から構成しています。

グレード

フィードバック

半期に1度、フィードバックの機会があります。フィードバックのプロセスは主に以下の4段階です。

  1. 自己振り返り(セルフマネジメントシートで自分の成果を振り返る)

  2. P2P Feedback (業務で関わりが深い人に自分から申し込んで実施)

  3. Domain 1on1(今期の実績と来期の役割について評価者とすり合わせ)

  4. Domain Feedback(グレードや報酬の通知)

もう少し詳細にお伝えすると、以下のような流れでフィードバックが進みます。

フィードバックのプロセス

フィードバック時に使用する各自のセルフマネジメントシートは、Kibela(情報共有ツール)で全社にオープンにしてあります。自分のUpdateのために実施するP2P Feedbackにて業務で関わりのある人からもらうフィードバックコメントも見ることができます。
 
例として、私へのフィードバックを一部ご紹介します。

「エンジニアリングを身につけたら」とおススメしてくれたCTOからのフィードバック
私の入社時メンター中田さんからのフィードバック

フィードバック期間には、このようなやりとりが行き交うのが楽しみでもあります。

もちろん、P2P Feedbackでは、厳しい内容や改善の提案をいただくこともあります。コメントは全社に共有されているというモラルのもと、例えば厳しめのコメントは互いのダイレクトメッセージで記録されていたり、自主性にお任せすることで問題なく運用できています。Updateが目的ということをみんなが理解し実践してくれているからです。

自己振り返りとP2P Feedbackは任意としていますが、その後のDomain 1on1は評価のすり合わせが目的となるため、全員必須事項となっています。

評価

Domain 1on1は、一方的に評価内容を告げられるというスタイルではなく、自ら実績を伝え次の半期に挑戦したいことなどを伝えられる場になります。もちろん評価者からの半期のフィードバックもあり、その内容について認識をすり合わせ次の半期の役割や業務について話し合う場になっています。
このDomain 1on1での評価が何に影響があるかというと、半期に1度の賞与と1年に1度のグレードや基本給の改定になります。

公正な評価を目指すために、Domain 1on1に対応するドメインリーダーは、ヒアリング期間に関係者への情報収集を行い準備をします。グレードを構成しているインパクト・スコープ・専門性の観点で評価を進めていくのですが、前述したようにFinatextグループには11のスキルサークルがあり、様々な専門領域の社員がいます。
 
保険事業を例にすると、ドメインリーダーの河端は「Business Development」のスキルサークルに所属しています。河端は保険事業の社員の評価を行いますが、専門領域の異なる「Engineering」や「Insurance Operation」の専門性を一人で判断するというのは難しいですし、社員にも納得感が得られにくいと考えます。そのため、専門性の評価についてはスキルサークルリーダーが担う役割としています。例えば「Engineering」はCTOの田島が、国内で80名ほどになるエンジニアの専門性について評価コメントの対応をします。

評価者であるドメインリーダーは、スキルサークルリーダーからの専門性の評価を預かり、対象社員に関わる業務の複数名の方にヒアリングを行い、最終的に評価を決めていきます。かなり時間を要することでもあり、運営側から見ていても大変な取り組みだと感じますが、公平で納得感のある評価を目指すために、しっかり時間をかけるようにしています。

最終的に、評価内容から半期の賞与額が確定し、最後のDomain Feedbackで賞与額の通知をします。最後のフィードバックは対面での実施を必須としているので、この期間は地方に住んでいるフルリモート社員も出社し、物産展のように各地方のお土産がならび、とてもにぎやかになります。

報酬

◆基本給
基本給は原則年に1度改定されます。グレードの改定も同時期となり、グレードがUPした場合は、一つ上のグレードの給与テーブルの月給となります。グレード内にも賃金レンジがあるので、グレードが変わらなくても評価に応じて昇給があります。

◆賞与
Finatextグループの賞与は「変動制」です。「今回は全社1.0か月」などではなく、会社の業績と個人の評価により賞与額が決まります。平均額などは公開をしていないため伝わりにくいかもしれませんが、とても大きな功績をあげた方には、多くの金額が支給されます。また、今回は期待されている役割に対して結果が伴わなかった場合などは少額の方もいて、かなりメリハリのある分配をしています。このような変動要素がある賞与の仕組みを続けられるのは、例え少額であったとしても社員が納得感を持って次を目指せるように、評価に時間を投じしっかり向き合うという取り組みにチャレンジし続けているからだと思います。

賞与が実績に応じた変動制となると、採用候補者の方には不安があると思います。自身の賞与がどれくらいか全くイメージが持てないと転職の決断は難しいでしょうし、また賞与額が分からないと理論年収が下がるように捉えてしまうからです。そのため、中途入社の方には、入社から2回目までの賞与の支給額をお約束するようにオファーをするケースが多くあります。

例えば、「初回と2回目で合計100万円の賞与の支給」とお約束した場合、ご入社後の実績評価をした上で、初回の支給額を決定します。そのため、キャッチアップが早くご活躍いただけた場合、初回の賞与で約束の100万円の大半が支給されるケースもあります。次回の2回目も同様に評価に応じて支払われるので、結果として2回の賞与合計がオファー時の約束の100万円を上回るということは、多々あります。具体的なケースとして、当初提示の年収より100~150万円アップしていたという実績もあります。

しっかり取り組んでいる人にはきちんと賞与が支払われるという魅力があることをお伝えできれば良いなと思います。

最後に

私が入社した当時、約200人のグループ社員数に対して、HRは採用担当が3名のみ。労務などの人事機能は同じコーポレート部門の社員が兼任をしている状態でしたが、この2年の間に素晴らしい仲間に恵まれ、HRユニットとして独立し、採用と労務の専任者だけでも8名のチームになりました。次の400人に向けて組織も人事もアップデートしていきますし、評価報酬制度の新設プロセスや新しい福利厚生の導入など、人事に関する情報も少しずつ公開していきたいと思っていますので、ぜひ今後もご注目ください。

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